Neetel Inside ニートノベル
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ぼろぼろどろん
二話です

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太陽は夕日になって沈み、空にはお月様が顔を出した。
拙者は太陽の光には滅法弱いが、夜は無敵。

「月見うどん初めて食べたでござる、美味しいでござる!」
「ゲスゲス。電車が来るまで時間はあるでゲスから、ゆっくり食べると良いでゲス」

ウドン西川さんは気前の良い人で、文無しの拙者を色々と世話をしてくれる。
お店でご飯が食べられるとは、何と嬉しい事だ。

「あ、そうでゲス。コイツの世話を頼むでゲスよ」
「この子は何でござる?」
「タヌキでゲス、ポンポコタヌキ組はタヌキを育てなきゃ駄目でゲス」

拙者はポンポコタヌキ組、もう学校での事が色々と決まっているのか。
黒ウドン魔導学校。部屋を貸してくれるらしいし、毎日食事が出るとの事で入学を決めてしまったがどんな所なのだろう。
楽しい所なら良いのだけど。

…駅というのは人が多い所だ、拙者はこんなに沢山の人が集まっている場所は初めて見た。
電車と言う乗り物は人気があるのだな。

「あれは人混みというものでござるか、何か疲れたでござる…。ところで電車は夜も動くのでござるか、拙者と似てるでござる」
「これは寝台電車でゲス、夜更かしは駄目でゲスよ」
「何と、寝床まであるのでござるか。拙者、電車は初めてだから楽しみでござるよ」

最初は物珍しさから、電車から見える夜の風景を楽しんだり電車の中を探索してたがすぐに飽きた。

「どこも明かりが無くて駄目でござるな、退屈で眠くなってきたでござる」

夜更かしは良くないとの事だし、夜は無敵と言っても眠くならない訳では無いのだ。

「タヌキ…。いや、たぬたろうと名付けるでござる。連れ回してすまなかった、疲れたでござろう」
「…」

本当に大人しい子だ、もしかしたら寝ていたのかも知れない。
…拙者も寝るとしよう。今日は爆弾を見つけ、美味しいものを食べ、電車に乗り…充実した日だった。

目が覚めると、お月様は居なくなっていて太陽が顔を出していた。
止まった電車から覗く外の風景も夜とは全く違う景色だ。

「さてと、準備は出来たでゲスか?」
「ござる!」

電車に乗った駅と違い、こちらの駅は人が全然居ない。
拙者はこっちの方が好きだ、街中も緑が多く日陰だらけで良い。

「あの真っ黒いのが黒ウドン魔導学校でゲスよ」
「おお、名前通り真っ黒でござるな。格好いいでござるよ」
「お前、なかなか見込みがあるでゲスな。エリートクラスのピョンピョンエビ天組に入るのも時間の問題かも知れんでゲス」
「ポンポコタヌキ組と何が違うでござる、それ?」

学校は外も中も真っ黒な色で、拙者には居心地良さげな所だった。
前の街では居場所の無い拙者だったが、ここでは上手くやっていける気がする。

       

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