《冒険の始まり》
このアパートから出ていかなければならないのも、そろそろか
それは僕が決めることじゃない
冒険がはじまる
勝手にはじまるのか、はじめたのか
できるのは、これに冒険と名前をつけることのみ
この地獄はまだまだ終わらない模様
もう僕からは何もうばうことはできない!・・・ほんとかな?
なくても失うものはあるぜ、いくらでも。
街を歩いていた。
いま、ビルのかどで、しあわせそうなカレーのにおいがした。懐かしい匂いと味の気配がした
夜中目が覚めた。長い夢を見ていたようだ
懐かしい実家のマンションで、母親がまだ生きていた頃
僕は学生に戻っていた。ふつうのどこにでもいる生徒
部活に一生懸命になる僕を、
母親は応援している様子だった。どこか儚げに