オリエント遺跡発掘調査隊の監視をしていた部下が
昨日の仕事終わりを境に一切連絡が取れなくなってしまった。
やはりあれらを掘り起こしたことが問題だったのだろうか。
同じく消えた学者が言っていたあることが気になる。
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推測だが「天空城アルドバラン」と
いうものは、なんらかの理由で
空に浮いているものでは無く、
大陸側が沈み込んでしまったため
天空に取り残されたものでは
ないかと思われる。
「通称:こいしちゃん」が発掘された
オリエント遺跡も周囲の自然環境を
鑑みるに、その場にあったものが
朽ち果てたのではなく、
天空城アルドバランからこぼれて
落ちて来てしまったものでは
ないだろうか。
真相はまだわからない。
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そして恐ろしいのは昨日見つけたスケッチだ。
この手記の最後に解読した残り半分の文章と共に乗せるが
順当に行くと次は私が消える番だろう。とても恐ろしい。
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『外観はこいしちゃんと呼ばれるものとよく似ている。』
『違いはこいしちゃんと違い、頭髪と思われる部品と衣類が無い事。』
『頭部は首から上、顔以外が』
『そして腹部が透明な部品で構成されている。』
『関節部位と思われる個所は樹脂のような素材で』
『スベスベして柔らかいが、熱変化や圧力にびくともしない。』
『それが口を利いていた時は頭と腹が光っていたが』
『動かなくなると同時に球形の発行体は次第にしぼみ、消えてしまった。』
『背中にはやはり鍵穴のような穴があり』
『』
『』
『』
汚れがひどくて解析が出来なかった。
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これはもしや甲皇国が推し進めている機械化と似た技術ではないか?
それと同時に、アルフヘイムの土塊や死骸から兵隊を作る呪術があると
いう話を聞いたことがあるのを思い出した。
これはつまりそういうことなのだろうか。
なにかしらの器に保管されていた所謂・・・・・・"それ"が
長い時を超えて現代に蘇えった。
というより掘り返してしまったのではないか?
私も面識のあったxxxxxxが戦争終結を聞き
果たして安心したのか絶望したのか器に留まる事をやめた。
あるいは留まることが出来なくなったとしたら・・・・・・。
実はさっきから聞き覚えのある声の主に玄関を叩かれている。
誰でもいいから生きている者にこのメモが渡ることを願う。