ミシュガルド合同調査報告所4
ミシュガルド生物調査日誌
今回のミシュガルド探索で
発見された生物をここに記す
願わくば冒険者たちの一助と
なることを
発見された生物をここに記す
願わくば冒険者たちの一助と
なることを
今回の調査の目的は
奥地に向かってというより
ミシュガルドでの生存と
現住種族との交流
そして魔法使いたちが信じており
遺跡荒らしたちも疑わない
ミシュガルドから我々が生まれた
あるいは我々の先祖にあたる人々の
存在の把握である
それが可能かどうかは
調査の果てに待つもののみが
知るのだろう
奥地に向かってというより
ミシュガルドでの生存と
現住種族との交流
そして魔法使いたちが信じており
遺跡荒らしたちも疑わない
ミシュガルドから我々が生まれた
あるいは我々の先祖にあたる人々の
存在の把握である
それが可能かどうかは
調査の果てに待つもののみが
知るのだろう
「隊長、あれずっとついてきますけど」
「ん? なんだあれは?」
「ん? なんだあれは?」
ミシュガルド生物把握日誌
舌脚類【コプラパカ】
口から出た奇蹄目の足が舌になっているというと
まったく何を言ってるか分からないが
かの生物は一般人の想像を越えて
異物としてひたすら我々の跡をついてきた
戦士たちは力に任せて倒さんとしたが
こちらとの絶妙な距離を取って
戦闘状態を避ける意図を感じたため
正直、この生物にかまっていたら
日が暮れてしまう
と、魔法使いが私の袖を引いた
どうやらかの生物の興味が尽きたのか
それとも他のめぼしい獲物を見つけたのか
我々はコプラパカの追跡を逃れて
調査を続ける
舌脚類【コプラパカ】
口から出た奇蹄目の足が舌になっているというと
まったく何を言ってるか分からないが
かの生物は一般人の想像を越えて
異物としてひたすら我々の跡をついてきた
戦士たちは力に任せて倒さんとしたが
こちらとの絶妙な距離を取って
戦闘状態を避ける意図を感じたため
正直、この生物にかまっていたら
日が暮れてしまう
と、魔法使いが私の袖を引いた
どうやらかの生物の興味が尽きたのか
それとも他のめぼしい獲物を見つけたのか
我々はコプラパカの追跡を逃れて
調査を続ける
ミシュガルド生物把握日誌
単眼有翼種【パタメン】
「いつからそこにいたんだ?」
気づいた時にはその存在は空を浮遊しており
こちらを監視しながら凝視してくる
目が合った墓荒らしの一人が
途端に固まってしまって動かない
これは危険だ、目を持つ生物によっては
相手を凝視することで脳を支配し
精神感応で攻めてくることがある
「隊長、攻撃の許可を」
目深にかぶった魔法帽の魔法使いが
パタメンに向けて杖を掲げる
「うちおとせ! あの魔眼を採取する!」
「了解!」
魔法使いの詠唱があたりに響くと
とたんに魔法の矢が焦点具たる杖より
放たれてパタメンを射貫き落とした!
「ふむ、墓荒らしどもは助かったようだ、
なんにしてもこいつの目は役に立ちそうだ」
精神に影響を及ぼすほどの目を持つとなると、
それは逆に言えば狂気を見つめさせるための、
焦点具として用いれるということだ。
魔法使いはすぐさま特殊な溶液を、
パタメンの眼球に垂らすと、
眼球はうるおいを保ちつつ結晶化したようになり
百年樹から削り出した杖の先端に取り付けられた。
「これは私達の目となり
冒険を助けてくれることでしょう
凝視の魔眼に対抗する手立てになります」
我々は狂気に対抗する眼を得て、
安定した冒険が約束されたと、
引き連れた獣の肉を皆で取り分けて、
焚火で暖をとった。
単眼有翼種【パタメン】
「いつからそこにいたんだ?」
気づいた時にはその存在は空を浮遊しており
こちらを監視しながら凝視してくる
目が合った墓荒らしの一人が
途端に固まってしまって動かない
これは危険だ、目を持つ生物によっては
相手を凝視することで脳を支配し
精神感応で攻めてくることがある
「隊長、攻撃の許可を」
目深にかぶった魔法帽の魔法使いが
パタメンに向けて杖を掲げる
「うちおとせ! あの魔眼を採取する!」
「了解!」
魔法使いの詠唱があたりに響くと
とたんに魔法の矢が焦点具たる杖より
放たれてパタメンを射貫き落とした!
「ふむ、墓荒らしどもは助かったようだ、
なんにしてもこいつの目は役に立ちそうだ」
精神に影響を及ぼすほどの目を持つとなると、
それは逆に言えば狂気を見つめさせるための、
焦点具として用いれるということだ。
魔法使いはすぐさま特殊な溶液を、
パタメンの眼球に垂らすと、
眼球はうるおいを保ちつつ結晶化したようになり
百年樹から削り出した杖の先端に取り付けられた。
「これは私達の目となり
冒険を助けてくれることでしょう
凝視の魔眼に対抗する手立てになります」
我々は狂気に対抗する眼を得て、
安定した冒険が約束されたと、
引き連れた獣の肉を皆で取り分けて、
焚火で暖をとった。
隊長は長い語りを終えた。
一団は戦闘を終えた後の疲れもあってか
彼のとなえる友好的種族の存在に関して
どこか不安に思うところもあった
ミシュガルド探索自体が
各勢力の調和によってなされてるが
同時にそれぞれの思惑含みで進行していると
そこに疑問を抱いたことから
なるべく足跡を追われずに
今まであった調査結果とは別種の
独自に手に入れた情報を担保にしたいと
誰かの息がかかった噂や計画とは
別に動きたいと
その思いで動けるなら
皆、同じ思いならいいが
魔法使いは
「何にしても補給が無ければ
持たないのも確かなことです
私達自身もまた
ミシュガルドに対しての
征服者や開拓者であることは
変わりがないのですから
隊長もよくお休みになられて
この先の行程について
考えてください」
今、彼らはどのあたりにいるのだろうか?
そして帰る場所も無いような
あてもない一団のなすことは?
何にしても友好的種族の
目星がついているのなら
いいのだが
一団は戦闘を終えた後の疲れもあってか
彼のとなえる友好的種族の存在に関して
どこか不安に思うところもあった
ミシュガルド探索自体が
各勢力の調和によってなされてるが
同時にそれぞれの思惑含みで進行していると
そこに疑問を抱いたことから
なるべく足跡を追われずに
今まであった調査結果とは別種の
独自に手に入れた情報を担保にしたいと
誰かの息がかかった噂や計画とは
別に動きたいと
その思いで動けるなら
皆、同じ思いならいいが
魔法使いは
「何にしても補給が無ければ
持たないのも確かなことです
私達自身もまた
ミシュガルドに対しての
征服者や開拓者であることは
変わりがないのですから
隊長もよくお休みになられて
この先の行程について
考えてください」
今、彼らはどのあたりにいるのだろうか?
そして帰る場所も無いような
あてもない一団のなすことは?
何にしても友好的種族の
目星がついているのなら
いいのだが
単眼種族、友好的とされるモノアイクロプスの住処へと
メフエと名乗る単眼種族の女が導く、メフエの単眼が輝く時
ふと出会った当初につぶやいた魔眼に関しての事を
思い出す、魔法使いはとっさに魔眼の杖でメフエのまなざしを
魔力による介入で中和できるか試すが。
「あら? 疑いのまなざしを
感じるわね、でも安心して
ここでは別に魔眼を使う理由は無いわ
あなたにもわたしにもね」
油断ならない、隊長は?
「そのまなざしこそがミシュガルドで
何物にも代えがたい宝ですよ!
いやあ、メフエさんのお仲間さんたちに
出会えることが楽しみです」
油断しきってる!
そして何より問題なのは、
今、メフエの魔眼にぎりぎり対抗できるのが、
現行メンバーで、
私以外いないこと、メフエは自分からは言わないが、
相当な魔法の使い手だ、それが生きた魔眼を持ち、
術を行使したならば、魅了どころか、
こちらを全員、支配してしまうだろう。
それだけ魔眼による凝視と魔法の組み合わせは、
魔法使いにとって、
異端視される力があるのだ。
「それにしても、あなたたちは、
ここまで立ち入るのによく
こんな少人数でなんの後ろ盾もなく
来れたものね、まあ、
鳥と豚とかげをものにしてしまうのだから
ここまでの健闘は、
分からなくもないのだけどね」
道中、隊はメフエの言葉に巧みに操られるように、
危険からは遠ざかるように、
足なれた運びで日が暮れるまでに、
かなりの行程を稼ぐことが出来た。
「いやあさすが現地の人は、
旅慣れたものです!
道中、補給も出来ましたし、
何より有用な植物に関しての知識、
感服いたしました、メフエさん!」
「あらあら隊長さん、
そんなに感心ばかりなさってたら、
わたしの村についた時、帰りたくなくなって
しまいますわよ、ねえ、魔法使いさん?」
モノアイクロプスはメフエは、
その単眼を包むまぶたで笑みを作って見せた。
願わくばそれが狂気のまなざしとなって、
私達に降りかからなければよいのだけれど。
荷運びは足を楽にして、戦士たちは武器を置き、
墓荒らしを生業にするものはこれから手に入る宝の値踏み、
甲冑を脱いだ自由騎士、槍の手入ればかりする傭兵、
狙撃主として腕を慣らす隊長、
みな何故か深い眠りに落ちてしまったようで、
夜を長く感じたのは私だけだろうか?
メフエと名乗る単眼種族の女が導く、メフエの単眼が輝く時
ふと出会った当初につぶやいた魔眼に関しての事を
思い出す、魔法使いはとっさに魔眼の杖でメフエのまなざしを
魔力による介入で中和できるか試すが。
「あら? 疑いのまなざしを
感じるわね、でも安心して
ここでは別に魔眼を使う理由は無いわ
あなたにもわたしにもね」
油断ならない、隊長は?
「そのまなざしこそがミシュガルドで
何物にも代えがたい宝ですよ!
いやあ、メフエさんのお仲間さんたちに
出会えることが楽しみです」
油断しきってる!
そして何より問題なのは、
今、メフエの魔眼にぎりぎり対抗できるのが、
現行メンバーで、
私以外いないこと、メフエは自分からは言わないが、
相当な魔法の使い手だ、それが生きた魔眼を持ち、
術を行使したならば、魅了どころか、
こちらを全員、支配してしまうだろう。
それだけ魔眼による凝視と魔法の組み合わせは、
魔法使いにとって、
異端視される力があるのだ。
「それにしても、あなたたちは、
ここまで立ち入るのによく
こんな少人数でなんの後ろ盾もなく
来れたものね、まあ、
鳥と豚とかげをものにしてしまうのだから
ここまでの健闘は、
分からなくもないのだけどね」
道中、隊はメフエの言葉に巧みに操られるように、
危険からは遠ざかるように、
足なれた運びで日が暮れるまでに、
かなりの行程を稼ぐことが出来た。
「いやあさすが現地の人は、
旅慣れたものです!
道中、補給も出来ましたし、
何より有用な植物に関しての知識、
感服いたしました、メフエさん!」
「あらあら隊長さん、
そんなに感心ばかりなさってたら、
わたしの村についた時、帰りたくなくなって
しまいますわよ、ねえ、魔法使いさん?」
モノアイクロプスはメフエは、
その単眼を包むまぶたで笑みを作って見せた。
願わくばそれが狂気のまなざしとなって、
私達に降りかからなければよいのだけれど。
荷運びは足を楽にして、戦士たちは武器を置き、
墓荒らしを生業にするものはこれから手に入る宝の値踏み、
甲冑を脱いだ自由騎士、槍の手入ればかりする傭兵、
狙撃主として腕を慣らす隊長、
みな何故か深い眠りに落ちてしまったようで、
夜を長く感じたのは私だけだろうか?
トンネルを抜けるとそこはゴージャスだった!
「遺跡!? いや古墳か!?」
「そのとおりですわ
隊長さん、これこそが
ミシュガルドの遺産ともいわれるもの
皆様には村に入るためのおきてとして
あの遺産の中で一晩すごしていただきます
もちろん、皆さまごとに部屋は分けて
ご用意いたしておりますし
翌日、モノアイクロプスが
皆様を仲間の下に連れていってくれるでしょう」
魔法使いの疑いはピークに達した
「隊長! メフエの言うことは筋がとおりません!
メフエは住処に招待するといっていたはず
メフエは私たちを!」
メフエはまぶたに笑みを浮かべた
「魔法使いさん、でしたら
あなたは中に入らず外で待っていては
どうかしら?
私も仲間が来るまで待つつもりだから
夜の番のおともとしては最適でしょ?
私とあなたが一緒なら私も悪さをする
すきも無いでしょうから」
「うーむ魔法使いに番をさせるのは
悪いが、何にしても
なにがしか術を見破れるのは
君しかいないからな
頼めるか?」
完全にメフエのペースだった、
それに遺跡荒らしも戦士も荷物運びも、
ありとあらゆる冒険者の一団は、
すでに遺産の中にある宝物で大喜び、
これを手付金だと考えて、
皆、メフエの仲間の住処には、
もっと素晴らしいものがあるに違いないと、
ああ!
「みんな寝に入ったようね、
魔法使いちゃん、
あなたも眠たくはなアイ?」
「メフエ、あいにくあなたの
魅了や支配はこの魔眼の杖によって
私には通じない」
「知ってるわ、
ただ心配だから声をかけたまでよ
だって仲間としばらくお別れに
なってしまうのだから」
お別れ? いったいなにを!?
「――――――さあ
眠りから覚めなさい!
屈強なる戦士たちのカンオケ!
超重戦亀ノッケルトル!」
「遺跡!? いや古墳か!?」
「そのとおりですわ
隊長さん、これこそが
ミシュガルドの遺産ともいわれるもの
皆様には村に入るためのおきてとして
あの遺産の中で一晩すごしていただきます
もちろん、皆さまごとに部屋は分けて
ご用意いたしておりますし
翌日、モノアイクロプスが
皆様を仲間の下に連れていってくれるでしょう」
魔法使いの疑いはピークに達した
「隊長! メフエの言うことは筋がとおりません!
メフエは住処に招待するといっていたはず
メフエは私たちを!」
メフエはまぶたに笑みを浮かべた
「魔法使いさん、でしたら
あなたは中に入らず外で待っていては
どうかしら?
私も仲間が来るまで待つつもりだから
夜の番のおともとしては最適でしょ?
私とあなたが一緒なら私も悪さをする
すきも無いでしょうから」
「うーむ魔法使いに番をさせるのは
悪いが、何にしても
なにがしか術を見破れるのは
君しかいないからな
頼めるか?」
完全にメフエのペースだった、
それに遺跡荒らしも戦士も荷物運びも、
ありとあらゆる冒険者の一団は、
すでに遺産の中にある宝物で大喜び、
これを手付金だと考えて、
皆、メフエの仲間の住処には、
もっと素晴らしいものがあるに違いないと、
ああ!
「みんな寝に入ったようね、
魔法使いちゃん、
あなたも眠たくはなアイ?」
「メフエ、あいにくあなたの
魅了や支配はこの魔眼の杖によって
私には通じない」
「知ってるわ、
ただ心配だから声をかけたまでよ
だって仲間としばらくお別れに
なってしまうのだから」
お別れ? いったいなにを!?
「――――――さあ
眠りから覚めなさい!
屈強なる戦士たちのカンオケ!
超重戦亀ノッケルトル!」
隊長たちはミシュガルドの遺産の中に入った、
そしてその遺産は超重戦亀ノッケルトルになった!
つまり魔法使いをのぞいたみんなは全員
あの巨大な亀の中ってことだあ!
「魔力の集積、幾重も束ねし折れない矢
伏魔殿の城門うがつ大黒柱は破城鎚
万軍勇士の勝利をこの手に!
魔法の弩砲
マジックアーバレスト!」
魔法使いより、
ノッケルトルに向かって放たれた、
強力無比の魔法の巨大な集積が
いま着弾し轟音とともに閃光と爆音を放つ!
「やったか!?」
「――――――ウフフ惜しいわねその魔力
ここまでの冒険で相当鍛えたみたいだけど」
爆炎から広がる真っ黒な煙が視界を防ぐが、
その煙が薄まり巨大な影があらわになるとき、
超重戦亀ノッケルトルは全くの無傷で
大地を揺らして歩みだした!
「こ、こいつー?!」
「ノッケルトルはミシュガルドの遺産
戦士たちのカンオケを保管する動く墳墓
機能してない状態でも破砕するのは容易ではなく
ひとたび目覚めたならばその装甲は
生きたハガネそのもの、竜のうろこを越える
圧倒的な質量壁には過去の大戦で使われた
いかなる兵器も通用しないわ
もっとも装甲が薄い場所でも
厚さ4mはある難攻不落のうごく要塞に
人間一人が、魔法使いが、かなうはずがないでしょう?」
ならばと、魔法使いは、
恐らく支配の魔眼でノッケルトルを自由に、
あやつっていると思われる
メフエに魔法の矢を10連射で放った!
「――――――すごいわ!
普通の魔法使いなら魔力の増加とともに
魔法の矢の威力を上げるところを
魔法の弩砲と使い分けることで
魔力消費を抑えて即応性を高めたのね!」
10連射も20連射も30連射も、
当たらない、魔法の矢一本たりとも!
ほんの少しの動きだけで、
回避とも思えないほどの歩みのみで!
メフエは魔法使いの術を見切っていた!
「く、くぅ!
メフエ!
その魔眼は!」
「わたし目がいいから
そのものを見ただけで
本質が大体わかってしまうのよね」
このミシュガルドにおいて、
未知の存在や脅威が多い世界で、
いち早くそれに順応するには、
長い調査によって少しずつ足場を
組み立てて地盤を固めるのが定石だが
そもそもメフエはそれを必要と
していなかったのだ!
「モノアイクロプスや
仲間の話も嘘ね!
あなたの眼なら
ミシュガルドの外からでも!」
魔法の矢をさらに細く鋭くして
魔法の針として放つことで
千本針となってメフエの逃げ場なく
そして魔法使いは一定の距離を保って!?
「!?」
「残念ね魔法の千本針
悪くない発想だし
先端恐怖症の人の弱点だとは
思うけれど」
魔法使いのすぐ背後に立ったメフエ
ここまでの戦いで一度も魔法を唱えずに
本来なら一本一本が必中の魔法に対して
異常なる回避力持つという
魔法使い泣かせの性能持ちだ
魔法使いは詠唱をはじめ
「おっと自爆はさせないわ!」
メフエは振り向きざまに
手にしたロッドで魔法使いを
打ちすえる
魔法使いは地面に突っ伏してたおれる
「魔法ばかりじゃ頭でっかちよ
私が稽古をつけてあげる!」
メフエは魔法使いをロッドでひっくり返し
仰向けにしさらにみぞおちを突いて
魔法使いの呼吸を止めた
「!?」
「魔法って弱点だらけなのよね
詠唱中はスキが出来るし
命中させる技術も経験が必要
そしてなにより声が出なければ
なあんにも出来ないんだから」
メフエは思いっきり魔法使いの脇腹を
蹴り上げる、地面になんども体を叩きつけながら
転がる魔法使いはさながらサッカーボールのよう
「さてノッケルトル、
あなたの力を見せて
主砲で山ごと吹き飛ばすのよ!」
ノッケルトルは主砲を大空洞の壁に向けた
(させないわ!)
「ん? なるほど?」
大空洞の空気の流れが変わった
あたりに広がるマナの総量が一挙に膨れ上がっていく
山は地脈につながり地脈はすなわち
ミシュガルドの地下マントルが持つ莫大な魔力湧きたつ
地獄のマグマが裏付けにある
「――――――詠唱に成功していたのねすでに」
メフエは見ることでものの本質を
触れることなく把握してしまうが
おかげで聞くことには不慣れだ
このため魔法使いがとなえた簡略で
かつより広範囲に及ぶ魔力回路を察知出来なかった
「魔力の! 嵐!」
魔力嵐はマナのうねり
広範囲に及ぶ強大な魔力の爆発を制御し
そのまま渦巻く混沌を作り出す
魔法使いは台風の目の中心にて
吹き荒れる魔力でノッケルトルの巨体を
巻き上げてそのままこの空間に存在する
ありとあらゆる山の中の大岩とかき混ぜて
磨り潰さんというその力!
「惜しいわ、本当にその力
精密動作に加えて莫大な魔力量の制御も
お手の物、でもそれが仇となったわね
範囲魔法の暴走で単純にこの山ごと
吹き飛ばせばよかったものを」
魔法使いは味方をみすみす
ノッケルトルごと生き埋めにする考えは
無かったのである
人口の構造物には必ず積み上げたときに
隙間が出来る、その隙間こそが
この要塞にとっての鍵穴であり
魔力嵐の集中によって簡単に崩壊させられる
そう、ノッケルトルを分解すれば
中に閉じ込められた仲間を救出することが
可能なはずだ
吹き荒れる嵐に雷のような音を立てて
ノッケルトルの甲羅のつなぎ目が徐々に
広がり始める!
(いける! このままつなぎ目に
魔力を流し込めば! !?)
ノッケルトルの甲羅は大きく開いて
真っ黒な大穴が現れた
「ありがとう、本当に感謝してるわ
戦士たちだけでなく
ノッケルトルの主砲に必要な
エネルギーまで用意してくれるのだから!」
(はかられた!?)
ノッケルトルの背中の真ん中に現れた
大穴に魔力の嵐は吸い込まれていく
体内で輝く魔力は色を失っていき
底なしの闇に落ち大空洞のマナが
完全に枯渇するまで
ノッケルトルの大穴は吸い込み続け
やがてかの巨大亀は目の色を変えて
大穴を閉じすべての魔力を体内におさめ
――――――そして!
「見るがいい脆弱なる人の子よ!
これこそノッケルトルの主砲にして
英雄たちの黄昏!
来たれ! 終末の業火!
神殺しの大罪!」
そしてその遺産は超重戦亀ノッケルトルになった!
つまり魔法使いをのぞいたみんなは全員
あの巨大な亀の中ってことだあ!
「魔力の集積、幾重も束ねし折れない矢
伏魔殿の城門うがつ大黒柱は破城鎚
万軍勇士の勝利をこの手に!
魔法の弩砲
マジックアーバレスト!」
魔法使いより、
ノッケルトルに向かって放たれた、
強力無比の魔法の巨大な集積が
いま着弾し轟音とともに閃光と爆音を放つ!
「やったか!?」
「――――――ウフフ惜しいわねその魔力
ここまでの冒険で相当鍛えたみたいだけど」
爆炎から広がる真っ黒な煙が視界を防ぐが、
その煙が薄まり巨大な影があらわになるとき、
超重戦亀ノッケルトルは全くの無傷で
大地を揺らして歩みだした!
「こ、こいつー?!」
「ノッケルトルはミシュガルドの遺産
戦士たちのカンオケを保管する動く墳墓
機能してない状態でも破砕するのは容易ではなく
ひとたび目覚めたならばその装甲は
生きたハガネそのもの、竜のうろこを越える
圧倒的な質量壁には過去の大戦で使われた
いかなる兵器も通用しないわ
もっとも装甲が薄い場所でも
厚さ4mはある難攻不落のうごく要塞に
人間一人が、魔法使いが、かなうはずがないでしょう?」
ならばと、魔法使いは、
恐らく支配の魔眼でノッケルトルを自由に、
あやつっていると思われる
メフエに魔法の矢を10連射で放った!
「――――――すごいわ!
普通の魔法使いなら魔力の増加とともに
魔法の矢の威力を上げるところを
魔法の弩砲と使い分けることで
魔力消費を抑えて即応性を高めたのね!」
10連射も20連射も30連射も、
当たらない、魔法の矢一本たりとも!
ほんの少しの動きだけで、
回避とも思えないほどの歩みのみで!
メフエは魔法使いの術を見切っていた!
「く、くぅ!
メフエ!
その魔眼は!」
「わたし目がいいから
そのものを見ただけで
本質が大体わかってしまうのよね」
このミシュガルドにおいて、
未知の存在や脅威が多い世界で、
いち早くそれに順応するには、
長い調査によって少しずつ足場を
組み立てて地盤を固めるのが定石だが
そもそもメフエはそれを必要と
していなかったのだ!
「モノアイクロプスや
仲間の話も嘘ね!
あなたの眼なら
ミシュガルドの外からでも!」
魔法の矢をさらに細く鋭くして
魔法の針として放つことで
千本針となってメフエの逃げ場なく
そして魔法使いは一定の距離を保って!?
「!?」
「残念ね魔法の千本針
悪くない発想だし
先端恐怖症の人の弱点だとは
思うけれど」
魔法使いのすぐ背後に立ったメフエ
ここまでの戦いで一度も魔法を唱えずに
本来なら一本一本が必中の魔法に対して
異常なる回避力持つという
魔法使い泣かせの性能持ちだ
魔法使いは詠唱をはじめ
「おっと自爆はさせないわ!」
メフエは振り向きざまに
手にしたロッドで魔法使いを
打ちすえる
魔法使いは地面に突っ伏してたおれる
「魔法ばかりじゃ頭でっかちよ
私が稽古をつけてあげる!」
メフエは魔法使いをロッドでひっくり返し
仰向けにしさらにみぞおちを突いて
魔法使いの呼吸を止めた
「!?」
「魔法って弱点だらけなのよね
詠唱中はスキが出来るし
命中させる技術も経験が必要
そしてなにより声が出なければ
なあんにも出来ないんだから」
メフエは思いっきり魔法使いの脇腹を
蹴り上げる、地面になんども体を叩きつけながら
転がる魔法使いはさながらサッカーボールのよう
「さてノッケルトル、
あなたの力を見せて
主砲で山ごと吹き飛ばすのよ!」
ノッケルトルは主砲を大空洞の壁に向けた
(させないわ!)
「ん? なるほど?」
大空洞の空気の流れが変わった
あたりに広がるマナの総量が一挙に膨れ上がっていく
山は地脈につながり地脈はすなわち
ミシュガルドの地下マントルが持つ莫大な魔力湧きたつ
地獄のマグマが裏付けにある
「――――――詠唱に成功していたのねすでに」
メフエは見ることでものの本質を
触れることなく把握してしまうが
おかげで聞くことには不慣れだ
このため魔法使いがとなえた簡略で
かつより広範囲に及ぶ魔力回路を察知出来なかった
「魔力の! 嵐!」
魔力嵐はマナのうねり
広範囲に及ぶ強大な魔力の爆発を制御し
そのまま渦巻く混沌を作り出す
魔法使いは台風の目の中心にて
吹き荒れる魔力でノッケルトルの巨体を
巻き上げてそのままこの空間に存在する
ありとあらゆる山の中の大岩とかき混ぜて
磨り潰さんというその力!
「惜しいわ、本当にその力
精密動作に加えて莫大な魔力量の制御も
お手の物、でもそれが仇となったわね
範囲魔法の暴走で単純にこの山ごと
吹き飛ばせばよかったものを」
魔法使いは味方をみすみす
ノッケルトルごと生き埋めにする考えは
無かったのである
人口の構造物には必ず積み上げたときに
隙間が出来る、その隙間こそが
この要塞にとっての鍵穴であり
魔力嵐の集中によって簡単に崩壊させられる
そう、ノッケルトルを分解すれば
中に閉じ込められた仲間を救出することが
可能なはずだ
吹き荒れる嵐に雷のような音を立てて
ノッケルトルの甲羅のつなぎ目が徐々に
広がり始める!
(いける! このままつなぎ目に
魔力を流し込めば! !?)
ノッケルトルの甲羅は大きく開いて
真っ黒な大穴が現れた
「ありがとう、本当に感謝してるわ
戦士たちだけでなく
ノッケルトルの主砲に必要な
エネルギーまで用意してくれるのだから!」
(はかられた!?)
ノッケルトルの背中の真ん中に現れた
大穴に魔力の嵐は吸い込まれていく
体内で輝く魔力は色を失っていき
底なしの闇に落ち大空洞のマナが
完全に枯渇するまで
ノッケルトルの大穴は吸い込み続け
やがてかの巨大亀は目の色を変えて
大穴を閉じすべての魔力を体内におさめ
――――――そして!
「見るがいい脆弱なる人の子よ!
これこそノッケルトルの主砲にして
英雄たちの黄昏!
来たれ! 終末の業火!
神殺しの大罪!」
「なーるほーどー」
猫型の浮遊する座椅子というか柔らかそうなふかふかの、
ソファーに座ってほおづえ突いてる女性、
名前はアルステーデ・アズールといったか?
「それにしても内密な話ということで
二人きりになったわけだけど
存外、よくある話という感じだったわね」
「……よくある調査報告だと?」
「なんであなたが無事だったのか
そもそも爆発なんてあったのかしら?」
魔法使いにとって仲間と共にした冒険は、
そもそも第三者やなるべくだけ背後に、
利権を抱えた団体の介入を避けたいという具合だった、
が、こうして一人生き残って帰ってきた時、
話の裏付けも何もかも足りていないのは確かだ。
「まあ実際、皆、自由に報告してるし、
中には与太話の類もあるってことで、
私としては嘘でも本当でも、
ミシュガルド探索の役にたつなら使わせてもらうわ、
そして
まだレポートとしては体裁が整ってないようだし、
とりあえず生物調査の記録として、
発表を手伝ってもいいわ、
生物の危険度の審査もこちらでやるし」
正直、魔法使いにとっては今回の冒険はここまでだ、
自分ですらどうやって生きて帰ったのか、
とりあえず山一つ吹き飛ばした爆発に巻き込まれて、
気づいた時には高度8000身の丈尺の上空にいたという具合で
そこから魔法のローブを滑空用に変形させて、
夜の地平線を町の明かりを頼りに夜明けまで飛んで、
やがて魔法帽を膨らませてゆっくりと降下した。
ところまではなんとか記憶してるが、
その後の陸路はほぼほぼ馬車やトカゲに揺られて、
ここまで運ばれてきたという次第だ。
合同調査報告所には本来あまり話をしたくなかったが、
ミシュガルドには想像を越えた存在が明らかにいると、
なってはもはや手段を選んではいられないだろう、
すぐにでもメフエを単眼の魔法使いの存在を、
そしてノッケルトル、
あの強大な存在はミシュガルドに混沌をもたらすだろう。
「ところで、魔法使いちゃん
あなたは
ミシュガルドで冒険者登録をしないのかしら?」
「え?」
「あなたから聞いた話だと
十分な実力がある魔法使いを無謀な冒険に
出すのは人類の損失と感じるから
是非、生き証人として
後続の冒険者たちを導いてほしいのよね
私としてもあなたの話は
考古学的な価値があると思うから」
別に断ることはないだろう、
何にしても名もなき冒険を
今後も続けるつもりは無い。
「そうですね
隊長たちの安否を
知るためにも」
こうして魔法使いは
「名前は何て言うの?」
「シャウル、シャウル・マファラートです」
再び冒険を始める。
名もなきところから名のある旅へと。
今は、
魔法使いシャウルはアルステーデの用意した宿に、
想像だにしない次の舞台を待って。
「アルステーデ様、話さなくて良かったのですか?」
「んーそうね」
そう言ってアルステーデは手に資料を持って、
そこには単眼の女の写し絵があった。
「メフエ・マナカマ
登録に来るとは思わなかったけど
何にしても二人はうまく管理しなきゃ
いけないわね」
何の狙いがあるにしても、
人材は多いことにこしたことにはない、
特に未知の存在であふれているミシュガルドにおいて、
ものの真価を見ただけで理解する魔眼の価値は大きい。
「爆発自体は近隣を探索していたものからも
報告があがっているし
生き証人が二人もいるとなれば、そうね
何にしてもシャウルはかこっておけるでしょうから
所属に関してはスーパーハローワークでいいわね」
「彼女はアルフヘイムの出では? 魔法使いですし」
「違うでしょうね
人間であそこまで魔法を使えて
名無しでやれる存在がいるとしたら
噂に聞く隠者の島の住人かもしれない」
「隠者、
血筋に頼らない技術のみの純粋な魔法使い?」
「隠者の島の出身なら
メフエの狙いを探るのに
うってつけではある
まあおいおい調べていきましょう
時間はたっぷりあるのだから、ね」
かくて調査の結果として、
ミシュガルドの遺産なるノッケルトルまで話が
及ぶことになったが、
よく考えたら危険度の話とかあんまりしてなかったので、
またまとめておこうと思う。
猫型の浮遊する座椅子というか柔らかそうなふかふかの、
ソファーに座ってほおづえ突いてる女性、
名前はアルステーデ・アズールといったか?
「それにしても内密な話ということで
二人きりになったわけだけど
存外、よくある話という感じだったわね」
「……よくある調査報告だと?」
「なんであなたが無事だったのか
そもそも爆発なんてあったのかしら?」
魔法使いにとって仲間と共にした冒険は、
そもそも第三者やなるべくだけ背後に、
利権を抱えた団体の介入を避けたいという具合だった、
が、こうして一人生き残って帰ってきた時、
話の裏付けも何もかも足りていないのは確かだ。
「まあ実際、皆、自由に報告してるし、
中には与太話の類もあるってことで、
私としては嘘でも本当でも、
ミシュガルド探索の役にたつなら使わせてもらうわ、
そして
まだレポートとしては体裁が整ってないようだし、
とりあえず生物調査の記録として、
発表を手伝ってもいいわ、
生物の危険度の審査もこちらでやるし」
正直、魔法使いにとっては今回の冒険はここまでだ、
自分ですらどうやって生きて帰ったのか、
とりあえず山一つ吹き飛ばした爆発に巻き込まれて、
気づいた時には高度8000身の丈尺の上空にいたという具合で
そこから魔法のローブを滑空用に変形させて、
夜の地平線を町の明かりを頼りに夜明けまで飛んで、
やがて魔法帽を膨らませてゆっくりと降下した。
ところまではなんとか記憶してるが、
その後の陸路はほぼほぼ馬車やトカゲに揺られて、
ここまで運ばれてきたという次第だ。
合同調査報告所には本来あまり話をしたくなかったが、
ミシュガルドには想像を越えた存在が明らかにいると、
なってはもはや手段を選んではいられないだろう、
すぐにでもメフエを単眼の魔法使いの存在を、
そしてノッケルトル、
あの強大な存在はミシュガルドに混沌をもたらすだろう。
「ところで、魔法使いちゃん
あなたは
ミシュガルドで冒険者登録をしないのかしら?」
「え?」
「あなたから聞いた話だと
十分な実力がある魔法使いを無謀な冒険に
出すのは人類の損失と感じるから
是非、生き証人として
後続の冒険者たちを導いてほしいのよね
私としてもあなたの話は
考古学的な価値があると思うから」
別に断ることはないだろう、
何にしても名もなき冒険を
今後も続けるつもりは無い。
「そうですね
隊長たちの安否を
知るためにも」
こうして魔法使いは
「名前は何て言うの?」
「シャウル、シャウル・マファラートです」
再び冒険を始める。
名もなきところから名のある旅へと。
今は、
魔法使いシャウルはアルステーデの用意した宿に、
想像だにしない次の舞台を待って。
「アルステーデ様、話さなくて良かったのですか?」
「んーそうね」
そう言ってアルステーデは手に資料を持って、
そこには単眼の女の写し絵があった。
「メフエ・マナカマ
登録に来るとは思わなかったけど
何にしても二人はうまく管理しなきゃ
いけないわね」
何の狙いがあるにしても、
人材は多いことにこしたことにはない、
特に未知の存在であふれているミシュガルドにおいて、
ものの真価を見ただけで理解する魔眼の価値は大きい。
「爆発自体は近隣を探索していたものからも
報告があがっているし
生き証人が二人もいるとなれば、そうね
何にしてもシャウルはかこっておけるでしょうから
所属に関してはスーパーハローワークでいいわね」
「彼女はアルフヘイムの出では? 魔法使いですし」
「違うでしょうね
人間であそこまで魔法を使えて
名無しでやれる存在がいるとしたら
噂に聞く隠者の島の住人かもしれない」
「隠者、
血筋に頼らない技術のみの純粋な魔法使い?」
「隠者の島の出身なら
メフエの狙いを探るのに
うってつけではある
まあおいおい調べていきましょう
時間はたっぷりあるのだから、ね」
かくて調査の結果として、
ミシュガルドの遺産なるノッケルトルまで話が
及ぶことになったが、
よく考えたら危険度の話とかあんまりしてなかったので、
またまとめておこうと思う。
今回はミシュガルド合同調査報告所~2~にある
ミシュガルドモンスター危険度一覧を参照させて
いただいて、登場したモンスターの
危険度をざっとまとめていこうと思う
ではまず全文参照
甲皇国生物調査隊危険度一覧表
バオアー(青字)
基本的に無害。こちらから手を出さなければ被害はないが、
100%の安全は保障できない
ヴェヒター(緑字)
近づかなければ危害を加えないかもしれないが
気分・空腹・縄張りへの侵入などがあると襲ってくる
イェーガー(黄色字)
高い割合で同種以外に攻撃を加えることがある
撃退・捕縛を推奨
ケッツァー(オレンジ色字)
積極的に攻撃行動をとる
殺害・破壊を推奨
シャルフリヒター(赤字)
大規模な被害・全人類に対する悪影響等が
可能である
殺害・破壊を最優先
ナル(黒字)
現在まだ生態・実態・行動原理・危険度が
未知数で調査が継続されている存在。
捕獲を優先
とある。
危険度自体は低いものから順で
低
バオアー
ヴェヒター
イェーガー
ケッツァー
シャルフリヒター
高
となるが、
多くの生物に関しては未知であり、
ナルの割合が多くなるだろう。
では今回の調査で発見された生物に関してまずは、
順を追って名前を列挙する。 危険度表記も暫定のものを
01 魔力吸虫【フシュケス】危険度ヴェヒター
02 ぬめり豚【キュキュラ】危険度バオアー
03 舌脚類【コプラパカ】危険度バオアー
04 単眼有翼種【パタメン】 危険度イェーガー
05 無眼竜種【ジャーナマレド】危険度ケッツァー
06 甲冑突き【アーマードペッカー】危険度ヴェヒター
07 巨人列石 危険度ナル
08 森林滑空【フライエイ】 危険度ケッツァー
09 樹幹猿人【サルガタス】危険度ヴェヒター
10 寄動菌子【マタンゴティ】危険度イェーガー
11 魔導巨顔【カオムジョウ】危険度バオアー
12 単眼種【モノアイクロプス】危険度ナル
13 巨大働き蜂【ゴレムバチ】危険度イェーガー※
14 岩肌擬態【ガンサイノス】危険度ケッツァー
15 超重戦亀【ノッケルトル】危険度シャルフリヒター
では一番目から順を追って解説付きで
今回の危険度評価について記載しよう
今回、魔法使いシャウル・マファラートの
報告(生物把握日誌)をもとに
派遣した合同調査隊の正式な調査を行い
シャウルらの旅の行程を追ってそれぞれの生物を補足
危険度についての評価を行った。
今回の調査員の構成に関しては、
自由に想像いただいて結構だが
(※魔法使いシャウルたちのことではなく
正式な合同調査隊のことである)
危険度一覧表自体が甲皇国のものであることから
甲皇国寄りな評価になっているだろうが
まあそこは技術立国であるから
信用いただけるデータにはなってるはず。
さて前置きが過ぎたので早速いってみようか。
01 魔力吸虫【フシュケス】
危険度ヴェヒター
フシュケスは肩書の通り魔力しか捕食しない
このため魔力に縁遠いものは狙わない
魔法使いにとって脅威となり得るのと
この生物は幼体の状態だとトンボくらいの大きさで
群れを成して対象の魔力を吸いに周りを飛び回るため
ある種、完全体よりも幼体のほうが恐ろしいと言える
魔力欠乏は死にも値するが
基本行動がそこらの蚊と似通うので回避も可能なため
危険度はヴェヒターとした
02 ぬめり豚【キュキュラ】
危険度バオアー
キュキュラは食用家畜である
広くそこら中に存在しているようで
今まであまり把握されていなかったのも
湿地帯での調査を行わなかったからだろう
基本的に草食なので
危険度はバオアーでいいだろう
03 舌脚類【コプラパカ】
危険度バオアー
今回の再調査にあたって
ほぼずっとコプラパカに追跡されたが
捕獲も撃退もできないまでも
攻撃は受けなかった
それ以上の詳しい生態を知るのは
難しいが危険度評価としてはバオアーだ
04 単眼有翼種【パタメン】
危険度イェーガー
魔眼を用いて攻撃してくる存在であり
厄介なのは魅了の魔眼によって
他のモンスターを従えているケースが
多々あったことだ
よってパタメンは
あらゆるモンスターの危険度を
自らの持つイェーガーまで引き上げるといえる
この存在自体も魔眼の危険性を考えて
危険度イェーガーとした
05 無眼竜種【ジャーナマレド】
危険度ケッツァー
竜種とされ、竜のうろこは持たないものの
非常に硬質の肌を持っている大きさも8m近いものも
確認されており好戦的である
くちばしによる突きは戦車装甲でも防げないだろう
このため危険度はケッツァーと考えられる
06 甲冑突き【アーマードペッカー】
危険度ヴェヒター
鳥の中でも足が速いほうであるが
なにより特筆するべきはその強靭なくちばしである
どうやら巨大な甲虫などを食べる時に
このくちばしを叩きつけるようで
群れに近づくのは危険である
だがうまく調教できれば旅の足として使える
危険度はヴェヒター
07 巨人列石
危険度ナル
先の報告では森林を足元の草のようにして
立ち居並ぶ巨人型の大岩が数多くあったらしいが
我々の合同調査では見つからなかった
かわりに巨大な足跡があったことから
生物である可能性が浮上
このため危険度はナル
引き続き調査対象として探索されたし
08 森林滑空【フライエイ】
危険度ケッツァー
非常に好戦的な森林群で滑空する存在である
というのもこの存在が生息しているのが
巨木の森であり高い飛行能力を活かせるだけ
空間があるため群れで襲い掛かられれば
獲物を切り裂く翼の餌食になるだろう
危険度はケッツァーである
09 樹幹猿人【サルガタス】
危険度ヴェヒター
森林の樹冠部分、極めて高いところに住んでいる
というものの食性が木々の若葉であることもあってだろう
主に巨木の上に巣を作っているが
四本の腕と長い中指で器用に木々を渡り
縄張りに入ったものを威嚇するために木の枝や
木の実などを投げてくるため
危険度はヴェヒターとした
10 寄動菌子【マタンゴティ】
危険度イェーガー
女性の姿に擬態しているキノコであるが本体は菌であり
胞子を吸い込むと幻惑作用が働き
マタンゴティに対して恋のような心拍数の増加が起きる
勘違いをするものも多いだろうが
人間を苗床に繁殖するキノコだといえば
その危険性は分かるだろう
危険度はイェーガー
11 魔導巨顔【カオムジョウ】
危険度バオアー
見た目に反して無害な巨大な岩の巨顔
常にこちらの方を向いてくるようであり
生きているようであって機械のようでもある
耳を当てると鼓動が聴こえるため
魔法生物の一種なのかもしれない
魔力反応の高い遺跡群で発見されている
危険度はバオアー
必要以上の干渉によっての崩落で
下敷きになるものがいる可能性からである
12 単眼種【モノアイクロプス】
危険度ナル
今回の合同調査のもとにした情報では
いくらか混乱の下となる存在である
メフエという女性と同種族とされるが
本人からは直接話を聞けていない
今回、住処があるとされる場所を
二か所めぐったがどちらも痕跡は無し
今後みつかることがあるかも分からないため
危険度はナル
13 巨大働き蜂【ゴレムバチ】
危険度イェーガー※
基本的に蜜を集めてるため危険性は無いと考えられたが
高い飛行能力と社会性から人間から物品を略奪することもあり
危険がある、単独での危険度はイェーガーだが
仮に仲間を呼ばれて群れをなされた場合
その危険度はケッツァーまで跳ね上がるだろうことから
注意されたし
14 岩肌擬態【ガンサイノス】
危険度ケッツァー
岩肌に擬態しているため気づかないことが多いが
登山中に遭遇したらほぼ死は免れないだろうことから
巨体を誇るガンサイノスの生息する地域には
立ち入らないほうが身のためだろう
危険度はケッツァー
15 超重戦亀【ノッケルトル】危険度シャルフリヒター
山が吹き飛び、巨大なクレーターが残っていた
それ以外に観測出来たものはないが
その威力と遠方に飛び散った山から出土する鉱石や
地層にある破片が周辺に火山弾のように散在することから
その威力は大戦時に使われた
いかなる爆弾よりも強力だと考えられる
このため仮にノッケルトルなる存在がいた場合
その危険度はシャルフリヒターとなるだろう
近しい出来事であるので注意されたし
今回の合同調査における
生物危険度はこの通りとなる
かの生物たちがいる地域へ
調査に向かうものは最大限の注意をして
臨めと念を押しておく
では冒険者たちに幸多きことを!
ミシュガルドモンスター危険度一覧を参照させて
いただいて、登場したモンスターの
危険度をざっとまとめていこうと思う
ではまず全文参照
甲皇国生物調査隊危険度一覧表
バオアー(青字)
基本的に無害。こちらから手を出さなければ被害はないが、
100%の安全は保障できない
ヴェヒター(緑字)
近づかなければ危害を加えないかもしれないが
気分・空腹・縄張りへの侵入などがあると襲ってくる
イェーガー(黄色字)
高い割合で同種以外に攻撃を加えることがある
撃退・捕縛を推奨
ケッツァー(オレンジ色字)
積極的に攻撃行動をとる
殺害・破壊を推奨
シャルフリヒター(赤字)
大規模な被害・全人類に対する悪影響等が
可能である
殺害・破壊を最優先
ナル(黒字)
現在まだ生態・実態・行動原理・危険度が
未知数で調査が継続されている存在。
捕獲を優先
とある。
危険度自体は低いものから順で
低
バオアー
ヴェヒター
イェーガー
ケッツァー
シャルフリヒター
高
となるが、
多くの生物に関しては未知であり、
ナルの割合が多くなるだろう。
では今回の調査で発見された生物に関してまずは、
順を追って名前を列挙する。 危険度表記も暫定のものを
01 魔力吸虫【フシュケス】危険度ヴェヒター
02 ぬめり豚【キュキュラ】危険度バオアー
03 舌脚類【コプラパカ】危険度バオアー
04 単眼有翼種【パタメン】 危険度イェーガー
05 無眼竜種【ジャーナマレド】危険度ケッツァー
06 甲冑突き【アーマードペッカー】危険度ヴェヒター
07 巨人列石 危険度ナル
08 森林滑空【フライエイ】 危険度ケッツァー
09 樹幹猿人【サルガタス】危険度ヴェヒター
10 寄動菌子【マタンゴティ】危険度イェーガー
11 魔導巨顔【カオムジョウ】危険度バオアー
12 単眼種【モノアイクロプス】危険度ナル
13 巨大働き蜂【ゴレムバチ】危険度イェーガー※
14 岩肌擬態【ガンサイノス】危険度ケッツァー
15 超重戦亀【ノッケルトル】危険度シャルフリヒター
では一番目から順を追って解説付きで
今回の危険度評価について記載しよう
今回、魔法使いシャウル・マファラートの
報告(生物把握日誌)をもとに
派遣した合同調査隊の正式な調査を行い
シャウルらの旅の行程を追ってそれぞれの生物を補足
危険度についての評価を行った。
今回の調査員の構成に関しては、
自由に想像いただいて結構だが
(※魔法使いシャウルたちのことではなく
正式な合同調査隊のことである)
危険度一覧表自体が甲皇国のものであることから
甲皇国寄りな評価になっているだろうが
まあそこは技術立国であるから
信用いただけるデータにはなってるはず。
さて前置きが過ぎたので早速いってみようか。
01 魔力吸虫【フシュケス】
危険度ヴェヒター
フシュケスは肩書の通り魔力しか捕食しない
このため魔力に縁遠いものは狙わない
魔法使いにとって脅威となり得るのと
この生物は幼体の状態だとトンボくらいの大きさで
群れを成して対象の魔力を吸いに周りを飛び回るため
ある種、完全体よりも幼体のほうが恐ろしいと言える
魔力欠乏は死にも値するが
基本行動がそこらの蚊と似通うので回避も可能なため
危険度はヴェヒターとした
02 ぬめり豚【キュキュラ】
危険度バオアー
キュキュラは食用家畜である
広くそこら中に存在しているようで
今まであまり把握されていなかったのも
湿地帯での調査を行わなかったからだろう
基本的に草食なので
危険度はバオアーでいいだろう
03 舌脚類【コプラパカ】
危険度バオアー
今回の再調査にあたって
ほぼずっとコプラパカに追跡されたが
捕獲も撃退もできないまでも
攻撃は受けなかった
それ以上の詳しい生態を知るのは
難しいが危険度評価としてはバオアーだ
04 単眼有翼種【パタメン】
危険度イェーガー
魔眼を用いて攻撃してくる存在であり
厄介なのは魅了の魔眼によって
他のモンスターを従えているケースが
多々あったことだ
よってパタメンは
あらゆるモンスターの危険度を
自らの持つイェーガーまで引き上げるといえる
この存在自体も魔眼の危険性を考えて
危険度イェーガーとした
05 無眼竜種【ジャーナマレド】
危険度ケッツァー
竜種とされ、竜のうろこは持たないものの
非常に硬質の肌を持っている大きさも8m近いものも
確認されており好戦的である
くちばしによる突きは戦車装甲でも防げないだろう
このため危険度はケッツァーと考えられる
06 甲冑突き【アーマードペッカー】
危険度ヴェヒター
鳥の中でも足が速いほうであるが
なにより特筆するべきはその強靭なくちばしである
どうやら巨大な甲虫などを食べる時に
このくちばしを叩きつけるようで
群れに近づくのは危険である
だがうまく調教できれば旅の足として使える
危険度はヴェヒター
07 巨人列石
危険度ナル
先の報告では森林を足元の草のようにして
立ち居並ぶ巨人型の大岩が数多くあったらしいが
我々の合同調査では見つからなかった
かわりに巨大な足跡があったことから
生物である可能性が浮上
このため危険度はナル
引き続き調査対象として探索されたし
08 森林滑空【フライエイ】
危険度ケッツァー
非常に好戦的な森林群で滑空する存在である
というのもこの存在が生息しているのが
巨木の森であり高い飛行能力を活かせるだけ
空間があるため群れで襲い掛かられれば
獲物を切り裂く翼の餌食になるだろう
危険度はケッツァーである
09 樹幹猿人【サルガタス】
危険度ヴェヒター
森林の樹冠部分、極めて高いところに住んでいる
というものの食性が木々の若葉であることもあってだろう
主に巨木の上に巣を作っているが
四本の腕と長い中指で器用に木々を渡り
縄張りに入ったものを威嚇するために木の枝や
木の実などを投げてくるため
危険度はヴェヒターとした
10 寄動菌子【マタンゴティ】
危険度イェーガー
女性の姿に擬態しているキノコであるが本体は菌であり
胞子を吸い込むと幻惑作用が働き
マタンゴティに対して恋のような心拍数の増加が起きる
勘違いをするものも多いだろうが
人間を苗床に繁殖するキノコだといえば
その危険性は分かるだろう
危険度はイェーガー
11 魔導巨顔【カオムジョウ】
危険度バオアー
見た目に反して無害な巨大な岩の巨顔
常にこちらの方を向いてくるようであり
生きているようであって機械のようでもある
耳を当てると鼓動が聴こえるため
魔法生物の一種なのかもしれない
魔力反応の高い遺跡群で発見されている
危険度はバオアー
必要以上の干渉によっての崩落で
下敷きになるものがいる可能性からである
12 単眼種【モノアイクロプス】
危険度ナル
今回の合同調査のもとにした情報では
いくらか混乱の下となる存在である
メフエという女性と同種族とされるが
本人からは直接話を聞けていない
今回、住処があるとされる場所を
二か所めぐったがどちらも痕跡は無し
今後みつかることがあるかも分からないため
危険度はナル
13 巨大働き蜂【ゴレムバチ】
危険度イェーガー※
基本的に蜜を集めてるため危険性は無いと考えられたが
高い飛行能力と社会性から人間から物品を略奪することもあり
危険がある、単独での危険度はイェーガーだが
仮に仲間を呼ばれて群れをなされた場合
その危険度はケッツァーまで跳ね上がるだろうことから
注意されたし
14 岩肌擬態【ガンサイノス】
危険度ケッツァー
岩肌に擬態しているため気づかないことが多いが
登山中に遭遇したらほぼ死は免れないだろうことから
巨体を誇るガンサイノスの生息する地域には
立ち入らないほうが身のためだろう
危険度はケッツァー
15 超重戦亀【ノッケルトル】危険度シャルフリヒター
山が吹き飛び、巨大なクレーターが残っていた
それ以外に観測出来たものはないが
その威力と遠方に飛び散った山から出土する鉱石や
地層にある破片が周辺に火山弾のように散在することから
その威力は大戦時に使われた
いかなる爆弾よりも強力だと考えられる
このため仮にノッケルトルなる存在がいた場合
その危険度はシャルフリヒターとなるだろう
近しい出来事であるので注意されたし
今回の合同調査における
生物危険度はこの通りとなる
かの生物たちがいる地域へ
調査に向かうものは最大限の注意をして
臨めと念を押しておく
では冒険者たちに幸多きことを!
「さて合同調査も済んだわね」
アルステーデ・アズールは
自らの知的探求心から
このたびの合同調査に大幅な出資をし
一定の成果を上げた
「あとは二人の足取りだけど
まあこれは登録所で
確認すればいいことね」
魔法使いシャウル・マファラートの冒険と
単眼種メフエ・マナカマの謎
超重戦亀ノッケルトルの行方など
いくつもの謎を孕んだままこの調査は
お終いとなる
拝読、ご観覧
ともに有難うございました。
完
アルステーデ・アズールは
自らの知的探求心から
このたびの合同調査に大幅な出資をし
一定の成果を上げた
「あとは二人の足取りだけど
まあこれは登録所で
確認すればいいことね」
魔法使いシャウル・マファラートの冒険と
単眼種メフエ・マナカマの謎
超重戦亀ノッケルトルの行方など
いくつもの謎を孕んだままこの調査は
お終いとなる
拝読、ご観覧
ともに有難うございました。
完