こんにちは、私はシャーロット。泣く子も黙る女戦士よ!
トロルとかオークの血を引いてる、だなんて失礼な噂を流す奴も居るけれど、裏を返せばそれだけ強いって事!
寧ろ、そんな噂を流す奴なんて、きっと私に負けて泣かされた弱虫に決まってるんだから、気にしない気にしない!
さぁ、今日もお金が無いんだから、資金集めをしないと!
え、何でお金が無いかって?
ちょっと、そんなの貴方に関係無いでしょ! レディーのプライベートに、土足で入ろうとしないの!
……え、この服? 何処見てんのよ、この変態!
しょうがないでしょ! 戦闘のステータスが爆上がりする服って言われたんだから!
これで私が活躍して名を上げたら、パーティやクエストで引き手数多になるんだから、元なんてすぐ取れるわよ!
……それにしても、遅いわね。
今日はこの見るからに内臓っぽくて気持ち悪い、ハギス何たらってダンジョンの攻略に来たんだけど、まだ仲間が来ない。
一体何やってるのかしら……。此処は見た目こそアレだけど、すっごいお宝が眠ってるって聞いたのに……。
「……ん?」
ふと何処からか殺気を感じて、私はバトルアックスを構えた。
出て来たのは、ミシュルプスと呼ばれる、群を成したミシュガルドの狼達。
私を餌にしようって腹づもりね? でも残念。私のこの斧捌きで、こんな奴等毛皮のコートにしてやるんだから!
「っ……!?」
すると、突然何かに身体を弄られてる感じがした。
一体何!? 此処には私一人しか居ないし、ミシュルプス達とも距離があるのにっ…!
まさか、透明色に進化したローパーが、私を捕食しかけてるとでも言うの!?
「あっ……!」
うっかり声を上げてしまったけど、これは喘ぎ声じゃないから!
この快k…不快感の正体が分かったから、それで上げた声なんだからね!
私の着ていた服が、本物の触手みたいにうごうごして、私の身体を弄ってたの!
何なのこの服!? さっきまでは普通だったのに、私が戦おうとした瞬間に…!
……いや、逆だわ! 私が戦おうとしたから、この服の効果が出たのよ!
でもこれじゃ戦いようがないじゃない! ミシュプルス達も何か動揺して固まってるし!
これでどうやって、戦闘ステータスが上がるって言うのよ! あの悪徳商人!!
ちょ、待って! 本当に待って! 人が来るかも知れないのにぃ~!!
「ダメェ~~~~!!!!」
――――
「――という感じで、着た者を善がらせる服を作ってくれ!」
「生きている服、ですか……。とても興味深いですね。」
此処はミシュガルドの大交易所にある、とある仕立て屋。
そのアトリエに訪れた奴隷商人、ボルトリック・マラーは、仕立て屋の主人であるエルボット=デュノ=ウォードガレオにある商談を持ち掛けていた。
「お前さんは、素材さえあればどんな服でも作るって評判なんだ。材料も此処にある。受けてくれるよな?」
「はい! どんな服でも作ってみせますよ!」
「高慢女騎士のエロ同人展開クル――(゚∀゚)――!! さっすがボルトリックはん!」
ボルトリックの依頼を快諾すると、ボルトリックの持つ杖のボーちゃんが、歓喜の声を上げた。
その翌日、エルボットは依頼通りに触手服を作り上げ、それをシャーロットに売ろうとしたボルトリックは、あっさりと指を折られたのであった。