Neetel Inside 文芸新都
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卒業


これでもうみんなとはお別れ
所詮、20になったら会うんだろうけど
部活に入ってなかった俺は、誰からも花束を受け取らず、誰からも声をかけられなく、一人で帰った
友達がいないわけではない いいわけだけど友達は部活の後輩から声をかけられている
そんななか割って入るのは、俺には無理だ

卒業か……


卒業式ってなんか泣く演出作ってるけど、泣こうと思っても泣けない
無理もない 俺は俳優でもなんでもないんだから
しかし 泣こうと思ってなくてもその睡魔にあくび→涙
睡魔の原因は、校長
のんびりとした喋り、小さく枯れた声
でも、今日の校長は普段の校長とは違うのだ
校長からはものすごいオーラがあった
一人ブツブツ言っている校長の頭がいつになく光沢を放つ
そう 舞台の上のライトはいつもとは違うきらびやかなもの
ただでさえ光っている光沢をシャッターによって更に輝きを増す
その光だけで卒業さえも掻き消しそうだ

寧ろ掻き消してもらいたいものだが……



高校生になることを楽しみになど思っているわけなく
一人、新たな高校生活の始まりを部屋で待つしかないのだ

「あお!ご飯よ~!」
「わかった~」

「布田 亜麻」(ふだ あお)それが俺の名前だ
中学校ではBLUEと呼ばれていたのは、気のせい
よく「女みたいな漢字だね」って言われる
そもそも父が青色が好きという理由でこの名前
しかも漢字は母が適当に「可愛くしよう」との事でこんな名前
もう少し普通な名前でよかったんだけど
そこはドンマイ

階段を下りると
豪華な食事、彩られたテーブル、着飾った母、先に食べる姉
どうも卒業式だったから張り切ったのだろう

手を洗い終えると何も言わずテーブルに座ww
ちょww もちろん 椅子に座る
そんで 何も言わずに箸を取る
寿司を一つまみして、口に運ぶ

「どう?おいしい?」
「うん なかなか」

正直 味濃ゆ 張り切りすぎ

「ただいま~」

父が帰ってきた 今日は少し早めだ やっぱり私が中学校の卒業式だから 気を使ったんだろう
家族が揃ったのを待っていたとばかりに母が立ち上がった
冷蔵庫に向かうとテーブルの上にある空のグラスにドリンクを注ぐ

神社エール 

父は炭酸が駄目なんで ビールを注ぐ
寧ろ めでたい時にはビール
母も最初は神社エールだったが、だんだんビールになって来た

父との会話を避けるために「ごちそうさま」なんて言って
足早にお風呂場に向かう

お風呂場からでたら、姉が待ってたと言わんばかりに即、入る
いや 俺は裸だし てか 当然前は隠してる
姉は なぜかバスタオルを巻いてるから見えん
ていうか風呂入るのにタオルあったら洗濯物増えるじゃん
なんて突っ込みも頭だけで終わらせて
二回の自分の部屋に入る

午後9時

ひとまず今日もらった卒業アルバム、卒業文集に目を通す
当然ながら楽しいわけもなく、結局、午後10時に就寝

そんなこんなで
春休み突入
朝起きれば、「メール1通」
なんか元3-1で ボウリングとか食事会とかあるらしい
当然ながら「あ、忙しいからちょっと無理」と友人に送り返す
元3-1で楽しい思い出とか少ない
実は友達もこの友人しかいないし、この友人は友達いっぱいで彼の周りには人だかり
行って楽しくないことは明らか

「何これ、見せて~」

姉だ
その辺にパカッと開かれた文集を手に取る
ていうか、許可出してないし

姉は21の大学生でそこそこ頭がいい
てかなかなか頭がいい
そのわりに不良とかと仲良かったり、よくわからん
今も勝手に自分の部屋に入ったり、文集に手を伸ばしたりと、急に変なことをする
昨日の風呂もそうだ 恥ずかしいという感覚がないのか
ほんとよくわからん
てか 俺の文集見ても何も楽しいことないと思うのだが

「へー、じゃ」

なんかよくわからんまま退室
まあ それはそれで結構
その後昼寝

そんなこんなで春休み完


明日は入学式

眠いけど寝れん

       

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