Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
もう何日だか

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「多治見さーん、こっちに来てー」看護師に呼ばれ、向かいの診察室へ。指示された回転椅子に座って待っていると、昨日私を診察した男性医師が入って来た。
私の顔を見て一瞬ハッとしたような反応の後、「僕のこと覚えてますか?」と尋ねてくる。
「はい。」昨日会ったばっかりなのに、当たり前じゃん…。私はそう思いながら、少し失笑しながら返事をした。
具合どうですかみたいなことを少し聞かれただけで診察とゆうほどの診察はされずに数分で部屋に戻された。

     

 肌着姿の初老の患者さんが水の滴る布を持って部屋の窓際へ駆けていく。
ここの窓は建て付けが悪いのか、大きく開かない仕組みにされてるのか、15センチくらいしか開けられなかった。
開けても目の荒い網のような形状の鉄格子がしっかりはめ込まれている。
「ああ〜、せっちゃーん・・、また服洗っちゃったの〜?」そう言いながら看護師が入ってくる。
せっちゃんと呼ばれた女性は窓を開け、絞りきれていない濡れた布を鉄格子の隙間へと突っ込み、広げようとしていた。
この光景は3度ほど見かけた。どうやら自分の着ている服を脱いでは洗って干してるらしい。
……う〜ん、精神病っぽい・・・。

せっちゃん以外は精神病というような様子はそんなになかった。
ここに初めてきた時には床に突っ伏して座り込んでいた患者が沢山いたが、食事に来る人、投薬を待つのに並ぶ人も数十名と結構な人数だ。あの時ずっと座り込んでいた人たちは活動して、生活して、まともな会話もできているようだ。たまたま奇妙な姿勢でじっとしていただけだっだ。
 一人で膝を抱えてずっと揺れていた一番若い女の子も、ナースセンターの前でよくタバコを吸っていた。
タバコはナースセンターから看護師が窓口越しに出してきて、「ここで吸ってってねー」と言って患者に渡していた。 
看護師が管理して与えているようだ。

     

 ここで自由に口にできるものはお茶だけだった。
大きめの保温ジャーが部屋に置いてあって、ここから好きなだけ飲んでいいからと看護師が言っていた。薬飲みに使うコップに自分で注いで飲む。
ぬっるぅ〜くて、うっす〜いお茶が出た。たまに看護師がやかんでジャーに補充しに来る。
これ、入れ替えたり洗ったりする事あるのかなぁ・・・
 三度の食事以外のものを食べることは一切できない。間食している人も見たこと無い。
本を読んでいる人はいたが、それ以外に娯楽のようなものを持っている人は一人もいなかった。筆記用具すら見かけない。
外部からの差し入れにかなりの制限がありそうだ。

       

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多治見リョー 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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Neetsha