Neetel Inside 文芸新都
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脛毛王女と巨乳爺や【完結】
四千年王国【20/3/2】

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光も無いのにキラキラと輝く水の泡
争いも無くて平和なその王国は
みんなみんな音は無いけれども賑やかで
漆黒の闇でもそれはそれは華やか
誰も知らないはるか深海には
もう四千年も続く美しい王国がある
でもその王国には少しだけ変わった所があって
少し上から見ると
まるで1人の少女が眠っているみたいな
形をしていると言う

そこは光も届かない
彼らはただ生きるために
あいつを殺してあなたを食べる
音も無い漆黒の世界
深海をもう数千メートルはゆく
ただただ漆黒のただただ闇の世界

はるかな地上の1人の少女は
ひたすらにこの世を果敢み
海に沈んで海底で死のう
昇る太陽に逆らって沈もう
戸惑いも無く投げ出したは海
ただただ沈んでいくただただ薄れる意識

死んでゆく少しずつ確実に
沈んでゆく少しずつ確実に
死ぬ事は実はあんまり苦しくなんか無い
あんな苦しい人生をもう17年も生きたんだ
つまらない人生だったと
最後に少しだけ少女は考えた
振り返るには短すぎると
最後の最後に少女は悲しんだ

そこは光も届かない
沈む少女はたどり着いた
もう死んでいるもう意識は無い
漆黒の世界少女は食料となる
戸惑いも無く彼らがついばむは少女
ただただ細切れにただただズタボロに



その日
広大な世界の中で
1人の少女の小さく
それでいて無限の命は消え去った
しかし少女の肉体は
食料の乏しいはるか深海において
無限とも言える膨大な食料となりえたのだ
それは正に四千年分!!
少女は消え去りはしなかった
少女は命を育みはしなかったが
少女の肉体は
これから四千年にかけた彼らの恵みとなり
彼らは無限の繁栄を繰り返すだろう
少女は四千年にわたる王国の礎となったのだ
少女は消えはしない
誰も知らない
誰も見る事の出来ない
はるか深海にて
四千年の王国を築きあげたのだ

くしくも4千年王国に住む事となった
数多くの生物彼らは次々と少女を褒め称える
スケイリーフットもフクロウナギも
ローバケもセンジュナマコやギガントキプリス
ワニトカゲキス ニホンヤモリザメ
ナガツエエソ ヒレナガチョウチンアンコウさえも
さらにラブカ メガマウス 大王イカ
リュウグウノツカイ デメニギス
まだまだ
シーサーペント ゼクロドン
バンキロスにアノマロカリスまでもが
次々に少女を褒め称えたのだった

「四千年王国の女王だ」
「四千年王国の女王だ」
「四千年王国の女王だ」
「四千年王国の女王だ」
「四千年王国の女王だ」
「四千年王国の女王だ」





・・・・・・・・女王は既に死んでるけどね

       

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