歩く事で足跡が残り、靴の底は幾ばくか無くなる
生きる事で記憶に残り、灯火は幾ばくか小さくなる
何かを残すためには
何かを無くさなければいけない事が
この自然の摂理であるのならば
何も残さない誰かは
何を無くす必要があるのだろうか
搾取はいつまでも続き
気が付けば
ただ
その存在だけが消えていく
文芸新都 |