要するに短い話なんだよ
入学式だよ! ゴッホちゃん!
入学式だよ! ゴッホちゃん!
「わたし、向日葵ゴッホ! 今をときめく15歳! 今日から高校生になるんだ! えへっ!」
そうやってモノローグで済むことをわざわざ口に出して叫んでいる彼女。その名も向日葵(ひまわり)ゴッホ。彼女は心底から晴々とした気分で人生において数少ない転機の場へと向かおうとしていた。
それはもうクルクルと回転しながらすれ違うサラリーマンを吹き飛ばしつつアスファルトを砕き高速で回転することにより真空波を発生させてありとあらゆるものを切り刻んだりしながら歩いていたのだ。
「やっほー、ゴッホちゃーん」
「やや、あの声は」
「わたし、向日葵ゴッホ! 今をときめく15歳! 今日から高校生になるんだ! えへっ!」
そうやってモノローグで済むことをわざわざ口に出して叫んでいる彼女。その名も向日葵(ひまわり)ゴッホ。彼女は心底から晴々とした気分で人生において数少ない転機の場へと向かおうとしていた。
それはもうクルクルと回転しながらすれ違うサラリーマンを吹き飛ばしつつアスファルトを砕き高速で回転することにより真空波を発生させてありとあらゆるものを切り刻んだりしながら歩いていたのだ。
「やっほー、ゴッホちゃーん」
「やや、あの声は」
遥か彼方アスファルトの地平線上に影を差す新たな刺客。どんな腹式呼吸波動砲をかませばそんなところから声が届くのかと疑問を抱かずにはいられない現象をさも当然のように受け止め振り返る向日葵ゴッホ。振り向けば先程まで視認することすら難しかった場所にいた少女が土煙を上げながら急接近しているではないかエマージェンシー。スクランブルだと言わんばかりにその少女は音速を超えて突貫してきた。
「ゴッホッ!」
類稀なる石頭と物理法則を無視した推進力と衝撃波が向日葵ゴッホのストマックを襲う。思わず胃液(50リットル)と腎臓(片方)と肝臓(一個しかない)と大腸(6cm)を噴出す向日葵ゴッホ。しかしその顔は爽やかな笑顔に満ちていた。
「げぐっぶえええええ。……おはよう、パキケファロさち子ちゃん」
「おはようゴッホちゃん。今日もいい朝だね!」
相変わらずいい頭を持ってやがるぜとはゴッホちゃん談。辺りを凄惨な情景にしながらも二人は笑顔を絶やさない。それが彼女達のジャスティス。いつも通り普通に登校しました。
戦乱を思わせる朝の登校を経て授業前。仲睦まじく登校したゴッホちゃんとパキケファロさち子ちゃんは教室の扉を軽く7メートルほど吹っ飛ばしてクラスのみんなに挨拶をする。
「あっ、ゴッホちゃんおはよー」
「やや、そんな君はボーイズラブ強硬派トップの座に位置するBL太郎君じゃない」
ゴッホちゃんの目の前に立ちふさがる男の名はBL太郎君くん。そんな名前が通るのかどうかは置いといてこんな可愛い子が女の子なわけがないを地で行くキュートなピュアハートを持つ少年である。
「やだなあ、僕はそんなつもりはないよ。ただ湧き上がる下半身の熱き思いがアブソルティリィフリーダムに生きるべきだと教えてくれるだけだよ」
「――朝っぱらそんな最終痴漢列車みたいな話題をしてる悪い子には、あたしの頭が股間に成敗しちゃうぞ☆」
「パキケファロさち子ちゃんも来てたんだ、おはよう。それと僕はぷる萌えンジェルアイドルあいこの方が好きかな」
いつも通りの会話を交わして授業の時間。すっかり忘却の彼方へと消え去ってしまっていたけど今日は入学式という設定だったよね。作者もこれにはビックリだ。しかし類稀なる順応性を発揮する登場人物達はそんなことお構いなしに授業を始める。今来た教諭然り。
「というわけで授業を始める」
「そんなわけでここがこうなってそうなってからドルゲデルクトルが光になったわけだ。この時のドルゲデルクトルの心境を説明できる者は居ないか?」
カツカツと黒板にクレーターを残しながらチョークを打ち付けるこの教諭の名は山田花子バイオレンス。その名に違わぬバイオレンスっぷりを見せ付ける女教師だ。その山田花子バイオレンスが腰まで届くポニーテールを揺らし生徒に向き直る。数瞬間を置いてゴッホちゃんの方を見ると無言でガンガンと黒板を叩いた。
「先生! わかりません!!」
「何も言わんうちにわからんとか言うなよゆとりビッチ。私は質問に答えろと言っているんだッ!」
「先生は何も言ってなかったしそもそも黒板が陥没していて文字が読めません!」
せんせい の いかり の ボルテージ が あがって ゆく !▼
禍々しいオーラが主に教諭のチョークへ集まってゆく。次第にそれはなんかの法則で(中略)質量を持つオーラ……だと……? そんなチョークを山田花子バイオレンスが向日葵ゴッホへと狙いを定める。
「向日葵ゴッホ、貴様は私の授業を妨害した。よって死刑とするッ! 死ねい!」
「駄目、避けられない……!」
「ゴッホッ!」
類稀なる石頭と物理法則を無視した推進力と衝撃波が向日葵ゴッホのストマックを襲う。思わず胃液(50リットル)と腎臓(片方)と肝臓(一個しかない)と大腸(6cm)を噴出す向日葵ゴッホ。しかしその顔は爽やかな笑顔に満ちていた。
「げぐっぶえええええ。……おはよう、パキケファロさち子ちゃん」
「おはようゴッホちゃん。今日もいい朝だね!」
相変わらずいい頭を持ってやがるぜとはゴッホちゃん談。辺りを凄惨な情景にしながらも二人は笑顔を絶やさない。それが彼女達のジャスティス。いつも通り普通に登校しました。
戦乱を思わせる朝の登校を経て授業前。仲睦まじく登校したゴッホちゃんとパキケファロさち子ちゃんは教室の扉を軽く7メートルほど吹っ飛ばしてクラスのみんなに挨拶をする。
「あっ、ゴッホちゃんおはよー」
「やや、そんな君はボーイズラブ強硬派トップの座に位置するBL太郎君じゃない」
ゴッホちゃんの目の前に立ちふさがる男の名はBL太郎君くん。そんな名前が通るのかどうかは置いといてこんな可愛い子が女の子なわけがないを地で行くキュートなピュアハートを持つ少年である。
「やだなあ、僕はそんなつもりはないよ。ただ湧き上がる下半身の熱き思いがアブソルティリィフリーダムに生きるべきだと教えてくれるだけだよ」
「――朝っぱらそんな最終痴漢列車みたいな話題をしてる悪い子には、あたしの頭が股間に成敗しちゃうぞ☆」
「パキケファロさち子ちゃんも来てたんだ、おはよう。それと僕はぷる萌えンジェルアイドルあいこの方が好きかな」
いつも通りの会話を交わして授業の時間。すっかり忘却の彼方へと消え去ってしまっていたけど今日は入学式という設定だったよね。作者もこれにはビックリだ。しかし類稀なる順応性を発揮する登場人物達はそんなことお構いなしに授業を始める。今来た教諭然り。
「というわけで授業を始める」
「そんなわけでここがこうなってそうなってからドルゲデルクトルが光になったわけだ。この時のドルゲデルクトルの心境を説明できる者は居ないか?」
カツカツと黒板にクレーターを残しながらチョークを打ち付けるこの教諭の名は山田花子バイオレンス。その名に違わぬバイオレンスっぷりを見せ付ける女教師だ。その山田花子バイオレンスが腰まで届くポニーテールを揺らし生徒に向き直る。数瞬間を置いてゴッホちゃんの方を見ると無言でガンガンと黒板を叩いた。
「先生! わかりません!!」
「何も言わんうちにわからんとか言うなよゆとりビッチ。私は質問に答えろと言っているんだッ!」
「先生は何も言ってなかったしそもそも黒板が陥没していて文字が読めません!」
せんせい の いかり の ボルテージ が あがって ゆく !▼
禍々しいオーラが主に教諭のチョークへ集まってゆく。次第にそれはなんかの法則で(中略)質量を持つオーラ……だと……? そんなチョークを山田花子バイオレンスが向日葵ゴッホへと狙いを定める。
「向日葵ゴッホ、貴様は私の授業を妨害した。よって死刑とするッ! 死ねい!」
「駄目、避けられない……!」
バーン!!
教室の生徒十数人を巻き込む凄まじい爆風が向日葵ゴッホに襲い掛かる。そう思われた。
「――――へへっ、あたしってやっぱ、不可能を可能に……げぼぼぼぼおおお」
「い、いやああああ! パキケファロさち子ちゃああん!!」
白煙やら生徒達の首から迸る血飛沫やら母なる宇宙に揺蕩うダークマターっぽいオーラが薄れると中心で倒れているのはゴッホちゃんではなくパキケファロさち子ちゃんだということがわかった。
そのパキケファロさち子ちゃんは脳漿をぶちまけながら血反吐をはきまくってお亡くなりになっていた。
「じゃあ授業を続けます」
そして何事も無くいつも通りの授業が再開された。
時は過ぎ去り既に放課後。授業で木っ端微塵にされた生徒達は辺りに死臭を放ち始めていたがそんなことはお構いなしにゴッホちゃんは今日も家に帰る。
「あれ、ゴッホちゃんもう帰るの?」
「その声はBL太郎君。わたしは基本的に優等生だと自負しているから帰宅部なの」
「ならBL部に入りなよ。今なら特典として100分の1黒田君人形が付いてくるよ」
「一人かくれんぼに使っていいのなら入ってあげる」
「そんなことしたらゴッホちゃんがショタキャラを夜な夜な襲っているって根も葉もない噂を流す」
「何故それを知っている」
想定の範囲外もいいところ。今聞いた言葉の内容を理解しないままBL太郎君は教室から去りゆくゴッホちゃんを見送るしかなかった。
おわり
教室の生徒十数人を巻き込む凄まじい爆風が向日葵ゴッホに襲い掛かる。そう思われた。
「――――へへっ、あたしってやっぱ、不可能を可能に……げぼぼぼぼおおお」
「い、いやああああ! パキケファロさち子ちゃああん!!」
白煙やら生徒達の首から迸る血飛沫やら母なる宇宙に揺蕩うダークマターっぽいオーラが薄れると中心で倒れているのはゴッホちゃんではなくパキケファロさち子ちゃんだということがわかった。
そのパキケファロさち子ちゃんは脳漿をぶちまけながら血反吐をはきまくってお亡くなりになっていた。
「じゃあ授業を続けます」
そして何事も無くいつも通りの授業が再開された。
時は過ぎ去り既に放課後。授業で木っ端微塵にされた生徒達は辺りに死臭を放ち始めていたがそんなことはお構いなしにゴッホちゃんは今日も家に帰る。
「あれ、ゴッホちゃんもう帰るの?」
「その声はBL太郎君。わたしは基本的に優等生だと自負しているから帰宅部なの」
「ならBL部に入りなよ。今なら特典として100分の1黒田君人形が付いてくるよ」
「一人かくれんぼに使っていいのなら入ってあげる」
「そんなことしたらゴッホちゃんがショタキャラを夜な夜な襲っているって根も葉もない噂を流す」
「何故それを知っている」
想定の範囲外もいいところ。今聞いた言葉の内容を理解しないままBL太郎君は教室から去りゆくゴッホちゃんを見送るしかなかった。
おわり