Neetel Inside 文芸新都
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女神像公園

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あんたはどうしても退屈な時どうする。
友達と遊ぶ約束もなく、面白いテレビもなく、家にある本も漫画も全て読み尽くした。
俺は毎日が退屈でしかたないね。毎日が同じ事の繰り返し。よく聞く話だろ?
俺は暇で死にそうなときは大抵、公園にいる。
ガキ共のサッカーが出来るか出来ないかってくらいの大きさで、別に綺麗な池があるわけでも、よく整理されてるわけでもない公園。
昼間はリーマンがベンチで不味そうな菓子パンを食い、夜中は飲んだくれた親父がゲロを土石流のようにぶちまける。
そんな何処にでもあるような普通の公園。
一つ変わった事といえば女神の銅像がある事。
RPGにでも出てきそうな女神。
こんな寂れた公園によく置いたもんだ。どっかの三流美術かがデザインしたに違いない。
元は綺麗で神秘的だったであろう女神は、今や鳩の糞塗れで、天使の顔は白のマダラ模様が出来ている。思春期のボケた中学生が喜びそうだ。
その女神の横にあるベンチが俺のお気に入りの場所。鬱になりそうなくらい暇な時はそこに座ってタバコを吸ったり、音楽を聞いたり、コーヒー飲んだりして過ごしている。
夕方から夜にかけて、ずっと向こうの大通りの通行人とか車を眺めている。
これが俺の日課っていうか日常。
以外と飽きないで時間を潰せる方法。
こうしているのは別に嫌いじゃない。

元々、名前があった公園だが。
近所のオバタン達がもっとわかりやすい名前を付けてくれて、それが広まった。
女神像公園。
そのまんま。なんてベタなんだ。
最高のネーミングセンス。しかもそれが流通しちゃってる。



俺は近くの私立高校3年の落ちこぼれ、名前はアキラ、田嶋明。
失踪した親父の実家で母親と二人暮し。父方のジイちゃんバアちゃんはとっくに三途の川を渡ってる。
口うるさいババァから女手一つで育てられた。
親父の顔は薄っすらしか覚えていない。仕事関係か女関係か、いなくなった全く原因がわからない。
もしかしたらもうジイちゃんとバアちゃんの所にいるのかもな。
父親は俺が小学校低学年の時にいなくなった。正直、顔なんて覚えてない。
母親は言う。「ろくでもない親父だから気にしなくていい。」
本当にろくでもないのか、または母親が強がっているのか俺には分からない。考えるのも面度臭い。
ただ俺に父親なんて必要ない。どうしてパパがいないんだろうって泣いた事は一度もない。

もう俺は推薦で大学は決まっていた。まぁ大学って言っても、バカとアホの集まったような低底大学だけどね。
ろくに勉強もしない、する気にもならない俺は、先生とも親ともあまり相談せず、ほぼ勝手に推薦入試を受けて見事に定員割れで合格した。
俺みたいなバカにはピッタリの学校とは思う。
周りの受験生の皆さんはお偉いもんだ。将来のためだか目標のために死に物狂いで勉強している。
俺には真似出来ない。
受験なんていうモノのため、俺は学校で完璧に孤立した気分。



俺の家から真っ直ぐにあるファミマの隣にある細い路地を通ってけば、俺の大好きなあの公園がある。
薄暗くて不気味な道なんで、夜中になると幽霊が出るって噂があったが、俺は一度も見たことがない。
そんな噂誰だって作れる。妄想好きなオカルトマニアの頭の中は無限大だ。
路地を抜ければいつもの公園。あのゴミをちゃんと捨てられてないのがあたり前な汚い公園。ガキの遊び場にはあまり向かない。
俺はいつものようにベンチに座り、いつものように時間を潰す。
たまに予備校帰りの友達に声をかけられても、向こうは長い時間居座る事はない、何だか孤独。

そんな中、一緒に時間を潰してくれるような人が出来てくれた時は嬉しい。しかもそれがカワイイ女の子なら尚更。
でも、そのために面倒臭い事に巻き込まれるのはゴメンだ。
ちょっと後悔している。あまりに面倒臭すぎる。








       

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