Neetel Inside 文芸新都
表紙

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5月5日

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あなたが

辛いとき

誰にも

言わない理由

知ってるよ

傷口を

悪い誰かに

抉られたからだろう


「素直になって

 好意を持って

 何がそんなに怖いの?」

裏切られた人間には

人間への恐怖

生々しい存在感

人間への恐怖

     

情感の嗚咽

バスから眺める夕焼けが

あまりにも 怖くて

寂しくて 吐いた

怯えて 降りた

     

「歪んで霞んだ残骸が

 あなたの全てです

 何者にもなれません

 おまけの人生を生きてください」


尊敬されたいんじゃなくて

尊厳を求めていて

安全になりたいんじゃない

安心できる場所が欲しい


「自分はこれでいいんだ」なんて

誰も本心では思っていない


「汚れて腐った言い訳が

 あなたの本性です

 誰かの為には生きれません

 小さく惨めに消えてください」


軽蔑の視線

猛禽類の餌用に飼われている

白いネズミ

首の骨を折られることを知らずに

無邪気に餌を食べている

それを見る

軽蔑の視線

     

愛をするなら人生を晒せ

愛をするなら人生を晒せ

言い訳なしなら もっと卑怯だ


愛をするなら人間を晒せ

愛をするなら人間を晒せ

盗まれてもいい 気にするなよ

     

自分だって傷つけたはずなのに

傷つけられた事ばかり思い出す

卑怯者だな

     

あなたの周りに味方はいなくて

周りは助けてくれなくて

心許せる相手はいなくて

そっと消えるのを願われている

消え待ち


みんな道徳に怯えて

用心深いから

本音は言わないけれど

遠巻きから眺めて

そっと消えるのを願われている

消え待ち


「なにをそんなに必死に頑張っちゃってるの?」

「なにをそんなに無理に生きちゃってるの?」

消え待ち

     

意味がないから

不安な顔を閉じて

興味がないなら

睨まないでくれ


土曜日

干からびた 土曜日

名前を知らない花


逃げていったのは

僕の方だったけど

追い詰めたのは

あなたの方だった


土曜日

冬に枯れた土曜日

名前を知らない花


その頃 僕は

孤独で 君は

暇つぶしをして遊んでた

人が嫌いなんて冗談で

盛り上がった 共有する遊び

時間を潰してた だけ


土曜日

色褪せた 土曜日

名前を知らない花

     

息をしているのが

恥ずかしいのは

単なる経験不足で


生きているのが

恥ずかしいのは

あなたが素敵に笑うから

なんとなく 消えたいな


線路の上 横たわって

少し煙を吸って

夜の満員電車

疲れた顔 並べて

みんな舌打ちしてる

なんとなく 迷惑だ


冗談は言わないよ

隠しごと しないよ

桜の花は 散ったよ

野原に残骸が

散らばってる 心苦しく


それでもさ 話すよ

聞いててよ

それでもさ 話すよ

君が聞いてくれるから


照れ臭いのは

いつか今日が過去に

なるからだろう


桜は散ったよ

もう既に 過去に

取り返しのつかない

罪悪感と並んで


それでもさ 話すよ

聞いててよ

それでもさ 隠さないよ

君が聞いてくれるから


花が 色に染まる前に

風で飛ぶ

心苦しく 心苦しく 

過去に

       

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