火傷
肩に降り積もった灰は
未だに君を焼くのを
諦めてはいないのだろう
幼さが抱き通えるには
大きすぎるその感情は
その身を焦がす
火に群がる虫のようだ
身の程を知らずに光を求めたなら
蝋は溶け翼を失くす
だからといって数センチのつま先で
背伸びしたところで届かぬものだ
憧れたから身は爛れて
光への距離を知ってなお
今更引き返す事もできずに
私だけを照らしてくれていると
思い込んでいた
幼稚な過去の自分を呪いたい
光源は全方位、光の届く全てに
あたたかかった
そのあたたかさを私だけ知ろうと
近づくものなら温もりは熱さにかわり
私を傷つける
もしも私が光を諦めて暗闇へと向き合う事ができても肩の灰と後ろから差し込む光が
私をひっぱり、そして忘れさせてはくれない
ただ勘違いしないでほしい
太陽には
私を焼く気も私の気を引く気もないのだから
ただ勝手に私は
太陽へと憧れ近づき燃えて灰になっただけ
どうか彼を責めないでほしい
憧れと距離を保つことのできる子供だけが
焼かれずに大人になっていくのだろう
妄信的なこの感情は
子供が持つには早すぎたモノだが
なぜだか子供にしか配られない
憧れに恋い焦がれるな
太陽へ手を伸ばす事よりも
地面の影を見つめる事のほうが幸せなのだから