公園にて
宙に浮くシャボン玉を割りたかった
ブランコとか色々ためしたけれど
自分じゃ届かなかった
公園にいた幼稚園生くらいの子供たちに言った
「あのシャボン玉を割る競争をしよう」
子供はすぐにシャボン玉を割った
俺は計画通りと笑い帰ろうとした
そしたらシャボン玉を割った子供が
無言で俺の袖をつかんできた
振り返ると
両手を皿にしてコチラに突き出してる
「賞品はとくにないよ」
俺がいうと子供は不機嫌そうになった
仕方ないと思いつつも
俺は自分の服を水道で濡らして
その子供の泥だらけの手を拭いた
子供は「別にいらない」
隣の子供は「みっともない」
と俺を罵った
「僕が勝者に与えられるものなんてなにもなくて、方法がこれしか思いつがなかった」
遠くにいた子供は僕にいった
「大人らしい選択を自身でしたつもりになって誇らしかもしれないけれど、あなた以外のだれも喜んでないよ」と