Neetel Inside 文芸新都
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中年戦隊ミドレンジャー
第八戦:3人の仲に不協和音!?

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第八戦:3人の仲に不協和音!?

レッド洋助、ブルー巧、そしてイエロー貴の三人は、倉庫の出口付近で再会することとなる。
「おかしいぜ、誰もいない」
「…っていうか、何も起きないね」
巧と貴が顔を見合わす。
「おい、ピンクが…順子がいないじゃないか」
と、通信用LINEを送るが返答はない。
「おかしいな、ミドレンGPSでも順子の位置が確認できない。この敷地内でだけ、それも順子の位置情報だけを遮る電波が発生しているみたいだ…俺たちの位置情報はしっかりと確認できるからな」
ゴーグル・レーダーを確かめるブルー。
「何かの力が順子の存在を把握できないようにしてるっ、てか?」

「思ったんだけどさ…」
と、イエローがふうふう息を荒くしつつ、呟くように陰気な声音で言う。
「たいてい、戦隊ヒーローモノってヒロインキャラが狙われるじゃん。ジェノサイドの奴らは、ピンクをターゲットにして今回僕らを誘き出したんじゃあ…?」
ヒッキーにしてはなかなか鋭い指摘だ。
「確かにピンクはメンバーの中で一番、戦闘能力が低い。ジェノサイドが俺らの活躍…ってほどの戦いはしてないが、ミドレンジャーの存在を疎ましく思っているとすれば、フツーに順子を狙うよな」
と、ブルー。

「しかも、ジェノサイドを研究してた誠の奥さんじゃん。とーぜん、いろいろ聞きだしたいこともあるだろうしね」
「お前ら、不吉なことばっかり言うなよな。じゃあ、今日のジェノサイドのメンバーズ・スマホの周波はダミーで、順子を狙った作戦とでもいうのかよ?」
と、レッド。
「その可能性はあるな」
と、巧が冷静に言う。
「っていうか…言いづらいんだけど、順子ちゃんもう奴らに捕まっちゃっているのかも」
と、今度は貴が輪をかけてイヤな発言をする。

「捕まっているすれば、間違いなく順子は拷問されてるな」
巧はどこまでも冷静だ。
「順子ちゃん、ミドレンジャーの秘密を白状したりしなきゃあいいけれど…僕たちの素性が明かされたら、社会生活だってできなくなるし、第一命の危険があるし」
と、貴は意外に白状だ。
「いい加減にしろよ、てめえら!! 順子が俺らをあっさり売り渡すような女か、どうか考えてみろ!! 第一、貴、てめえの正体がバレたって、ジェノサイドの方も引き籠りなんて相手にしねえよ!! 心配するほどの社会生活送ってねえだろうが!!」
と、正義感溢れる友情と思慕の情を隠さない洋助だ。

「さ、順子を探しに戻るぞ」
と、レッドは身を翻す。が、イエロー貴が口ごもる。
「い、いや、僕はさ、ただ…」
「ただなんだよ?」
貴に食って掛かる洋助。
「いや、そのさ…」
と、もじもじしている。
「なよなよしてんじゃねえぞ、貴」
「いや、なんかね。順子ちゃんがジェノサイドに捕まっていると思うだけで、なんかこう、アソコがむらむらするっていうかさ」
「あん?」
と、巧は貴が何を言いたいかぴんと来ない様子だ。
「だからさ、戦隊ヒロインキャラが敵に捕まると、大体Hなことされるじゃん? 順子ちゃんが変なことされてる場面をも―そーしちゃって…アソコが硬くなってきてさ、動けないんだ…」
「おまえなぁ、いい加減にしろよ! 親友の危機でヒロピンシーンを妄想して興奮なんかしてるんじゃねえよ!」
「ま、とにかく倉庫内に戻るぞ!」
ブルーの言葉に促され、いきり立つレッドと、アソコがいきり立つイエローも、倉庫内へと再潜入していくのだった。

       

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