Neetel Inside ニートノベル
表紙

不人気叩かれ文芸作家の僕がプロデビュー…
14・澪奈さん VS 楓ちゃん

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玄関ドアから楓ちゃんが顔をのぞかせた。

「お兄ちゃん、誰かいるの?」

僕は駆け寄り
「ごめん、うるさかったかな」と頭を下げた。

楓ちゃんは澪奈さんを不思議そうに見上げ、
「誰、このおばさん?」と聞いた。

僕は
「楓ちゃん!」と急いでたしなめた。

澪奈さんは頬をヒクつかせ
「24歳のどこがオバサンなの?」とこわばった笑顔で応じた。

「JSにとって24歳はオバサンよ、あたしの倍だもん」と楓ちゃん。

「何だ、まだ子供じゃない」と澪奈さん。

JSって……楓ちゃんにはそんな下品な言葉を使って欲しくない。

バチバチバチ!

澪奈さんと楓ちゃんが笑顔で火花を飛ばしあってる、怖い……

エリナはipadから顔を上げ、こちらにやって来て
「えー、ナニナニちょっ!!すごい可愛いコね!
ねぇ、ちょっと絵を描かせてくれない?」と楓ちゃんに近づいた。

「すごーい外国のお姉ちゃんだ、キレイ!
うん、いいよ」

楓ちゃんもエリナも大喜びだ。

エリナはさっさとipadに楓ちゃんを写生していく。

澪奈さんの顔が笑顔を保ちつつもみるみる怒りのオーラを出している。

楓ちゃんは勝ち誇ったように僕の腰に両手を回して頭を擦り付け
「あたし子供じゃないよ!
もうお兄ちゃんの赤ちゃんだって生めるし」

「かかかかか楓ちゃん! なんて事を言うの!?」

玄関から桜子さんが
「お邪魔します、牧野さん……」と入ってきた。

僕は
「す、すみません、うるさくして」と何度も頭を下げた。

桜子さんは
「それは別にいいんですけど……
あら?こちらの方は?」と言いながら澪奈さんとエリナを見た。

桜子さんは力無く笑いながら
「まぁ…どちらもおキレイな方で……
でも……牧野さん! 賞を取ったからっていきなり女性を連れ込むなんて……牧野さんはそういう人じゃないと思ってたのに…」と悲しそうな顔になる。

「違うんですよ桜子さん!
その……このまえ話した僕の本の挿し絵を描いて下さるイラストレーターの方と編集さんとで打ち合わせなんです」

澪奈さんは、
「申し遅れました、カミナリマガジン編集の田所です」と名刺を差し出した。

桜子さんは花が咲くような笑顔になって
「ここの大家の佐倉です。
牧野さんすごーい、本当にプロになるんですね」と自分の事のように喜んでくれた。

エリナは桜子さんに近づくと胸をジロジロと見つめ
「すごいおっぱいですね!
ちょっと触っていいですか?」と聞いた。

エリナは本当に動物だ、興味を持ったら一直線だ。

桜子さんは金髪碧眼美少女の突然の申し出に混乱したようで
「は、ハ、ハロー……は、はい……国際親善になるなら」と答えた。

エリナは
「じゃあ遠慮なく」と言って桜子さんの豊満なお胸を両手でさわさわとまさぐる。

桜子さんは顔を真っ赤にしてうつむいていてされるがままだ。

「っ……ん!」と時おり小さく首を左右に振るわせる。

僕は、はっと我に返り
「桜子さん、エリナは日本人なんですよ!
こんな事されても日本のためになんてならないですよ!」

桜子さんは
「はえ? そうなんですか……」と何だかトロンとした熱っぽい目で答える。

こんな艶っぽい桜子さんを見たのは初めてで何だかドキドキする。

エリナは
「ふぅー、堪能いたしました」と言うとようやく手を止めた。

僕は
「同性同士でもそれセクハラだよ!
何だよ、突然!」

エリナは
「絵を描くためには質感や重さ温度などを経験しないとリアリティー出ないんです。
こんな見事なおっぱい初めてなんで、これで超巨乳キャラを描けますわ!!」

桜子さんはなおも色っぽい表情で
「あの皆さん…実はタケノコをご近所から頂いてタケノコづくし料理を作ったのですが、作り過ぎちゃって。
もし宜しければ食べていかれませんか?」と言った。

澪奈さんとエリナは顔を見合わせた。

       

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