――風流視点で、
と、いうことで妹の教室に着いたわけだが、
誰だ、妹と楽しげに雑談している野郎はっ!
彼氏か? 彼氏なのか? 彼氏なんだなっ!
ふむ……、残念だ非常に残念だ、
また妖刀男色丸を使うはめになるとは、
実に残念だ、だが市ね。
朝礼が始まっているが、こちらも死活的問題なので無視、
勢いよく扉をスライドさせ三歩で野郎の所まで詰め寄る、
詰め寄られた男子は困惑を隠しきれない様だ、
回りも唖然として見ている。
さぁお楽しみの時間だ……、
掘りつくせっ「男色丸」 卍か……『兄さんっ何してるんですかっ!!』
教室が揺れたかと思うほどビックリした、
「ははは、嫌だなぁしつこく話しかけてくる男から可愛い妹を守ろうとしてただけじゃないか、
だから、な、そこをどきなさい、別に殺すわけじゃないんだから」
性癖は多少変るが……、と聞こえぬように小さくつぶやく。
しかしそう諭してもマイシスターは野郎の前から動こうとしない、
いや、それよりもこちらを睨んでくる、あ、ちょっと可愛い。
「兄さんが何を思ってその様な事をしているは知りませんが、
はっきり言って迷惑です、あと彼には貸していたノートを返してもらっただけですから」
OK、把握した、つまりノートを交換するほどの仲ってわけですか、
そうですか、そうなのですか。
妹 近 斬
それが俺の法典だ、潔く死ねい、
そして漢好きになれ。
妹を押し退け刀をゆらりと野郎の前に突きつける、
「ひぃぃいいぃぃぃいいぃっっっっ」
刃を向けられた男子が悲鳴を上げた、まぁあげない方がおかしいだろう、
だが、恨むなら自分自身を恨め、俺の妹に手をだそうという事じたいがおこがましいっ!
堀りつくせっ「男色丸」 卍kブッフォッ!!
後頭部に剛速急で何かがクリーンヒットした、
脳震盪を起こしたのか視界が左右に揺れる、
一体何を投げつけたんだ、投げつけられた物を確認する、
これは……英和辞典。
「他の生徒の迷惑なのでさっさと自分の教室に戻ってください」
ぬぉぉ、投げたのはマイシスター君か、
何故止める、それほどにもこの男の事がー……、
「あと誤解されているようですけど、私が愛してるのは姉様だけですっ!!」
教室内の時が止まったかと思われた。
妹よ素晴らしいほどのカミングアウト(自爆)だ、
流石に今の発言はまずかったと思ったのかあたふたと弁解にでる、
可愛いなぁ……。
「うぅー……、兄さんさえこなければこんなことに」
俯いてしまった、その顔は少し涙目で哀愁を漂わせている、
やばいな、本能的に危機を感じ取る、この次にくるのは怒りだ。
しかし泣いている妹を置き去りにするのもいかがなものか、
「――らい」
え?
「 兄 さ ん な ん て 大 嫌 い ッ ! !」
世界が反転した。