Neetel Inside ニートノベル
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地獄の沙汰も愛次第
【ワシは人気者】

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ワシは人気者。  


ワシの名前は本田いさのぶ。

町内会の人気者じゃ。

この町内会でカリスマ的人気を誇るワシじゃから、ばあさん共も黙っていない。


ある日のことじゃ。
ワシが高齢者デイケアに向かって歩いている途中、ひとりのイケてるババアに呼び止められた。

さてはワシの熟成された雄フェロモンに魅力されたのか?

そんなことを咄嗟に思った。

ババアは天女の如き微笑みでワシに言った。

「いさのぶさん、今日こそ町会費払ってもらいますよ」

はて?ワシは町会費なんて払う義務があったじゃろうか?

ポカンとベビーフェイスで首をかしげるワシに、ババアは脛蹴りを喰らわせる。

ドゴシッ。

「うぅ…膝の皿が割れた…だれか…グルコサミンを頼む」

その場で膝をついて倒れるワシに、ババアはペッ!と唾を吐いていった。

そう、何を隠そうワシの財布には84円切手1枚とPASMOしか入っていない。

頑張っても町会費は払えないじゃろ…。

ババアもそれが判ったのか、黙って去っていったよ。

まさに町会費の超回避。
ワシは昔から運だけは良かった。

自分のことを、人気者だと思い込めるくらいお気楽な脳みそで産まれられたのだって、運が良かったじゃろ?

ぞうさん、ぞうさん
お鼻がなが〜いのね。

のぶさん、のぶさん。
ワシの老い先は短〜い。

今日は女装して2丁目に飲みに行く予定じゃ。

人生、楽しまなきゃ損じゃろ?なぁ?若造ども。

       

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