Neetel Inside 文芸新都
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【18禁】ちんちん小説集
幻のペニス

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 僕には小さい頃、他の人には見えない友達がいた。イマジナリーフレンドとか呼ばれる、児童期に見られる現象である。会話もできた。一人っ子に多いとか孤独感の強い環境に置かれると出現しやすいとか言われるが、実態は解明されていない。空想的な遊びを多くする環境に長くいると、社会性が過剰に拡張され、その結果別人格を持つ友人を作り上げてしまう、といった説もある。僕の場合はちんちんだった。僕の場合はちんちんと友達になった。僕の友達のちんちんは子どもの僕と同じくらいの身長であった。

 ちんちんは根元にある金玉を足代わりにして歩くのだった。ペタペタというよりべちゃべちゃという足音を鳴らした。皮を被った状態の子どものちんちんで、皮の先っぽを開いて言葉を発した。
「給食は別に無理して全部食べなくてもいいんだぞ。俺も食べてない」という忠告めいたものや、「上上下下左右左右ABセレクト、で裏面に行けるらしいぞ」という間違った情報も教えてくれた。

 どうしてちんちんだったかというのは、今思えば理由がある。自分の意志でちんちんを動かせることに気付いた時期、「起きろ!」ぴくん、「お手!」ぺちん、という風に、ちんちんを犬に見立ててお風呂の時に遊んでいた。父は最初笑っていたが、次第に真剣な様子で「よしなさい」とたしなめるようになった。風呂場でのちんちん遊びができなくなった僕は、空想の友達にちんちんを創造したわけだ。

 イマジナリーフレンドがいることも、それがちんちんの姿をしていることも、親にも友人にも言わなかった。街中を巨大なちんちんが闊歩しているのが異常な状態だという自覚はあった。ちんちんはスカートの短い女の人の方に近寄る癖があった。その時はいつもより大きくなっていた。

 いつの間にちんちんはいなくなったのだろう。初恋がきっかけだったとか、いじめられなくなったからとか、そんな明確なきっかけがあったわけではなかった。いつでも隣にいるのが当たり前だったように、いつでも隣にいないのが当たり前になっていた。

 皮も剥けてあの頃とは違う形になった、自分の股にあるちんちんに話しかけてみる。「起きろ!」といってもすぐには起きてくれない。スカートの短い女の人を見ても何も思わなくなった。ただし筋肉質の男の人には少し反応してしまう。

       

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