Neetel Inside 文芸新都
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【18禁】最後のペニス(最終回)
ペニス探偵団のその後

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 少年時代、探偵団を結成していた。強くたくましく長いちんちんを持つ友人と、悪事を働いたちんちんを見抜くことができる友人との三人で。私は何か特殊能力を持っているわけではなかったが、二人が自然に活躍できるように交渉・対話などをしていた。私たちの活動が忘れられないように、記録していったのが、文章を書くきっかけだったと今では思う。

 ちんちん使いの名は男根弾(だんこん・だん)。
 ちんちんを見抜く友人の名は股倉開陳(またぐら・かいちん)。
 そして私は近藤ちんぽこ(こんどう・ちんぽこ)。
 三人の名前から一部を取り、鎮魂団(ちんこんだん)と名付けた。被害者への鎮魂を込めたつもりだったが、殺人事件を解決したことは一度もなかった。活動の大半が露出狂への私刑であった。

 精通前の弾のちんちんから小出しに発射される小便は犯人を苦しめた。その後弾は本物の探偵となり、弾丸のような射精を武器にして戦っている。
※参考「最も危険なペニス」
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=25124&story=10
 開陳は後に「俺に犯人を見抜く力なんてなかった」とカミングアウトして私たちを悲しませた。「ただいろんな人のちんちんを見たかっただけだ」と。その性癖を抑えきれなかった彼は刑務所にいる。一人の犯人を捕らえるのに毎回数百人のちんちんを見ていた理由に納得できた。

 大人と違ってできること、やれることに限界があった少年時代、ヤングアダルト小説に書かれたような冒険をしたかった私たちは、精一杯活躍して結果を残すつもりだった。しかし警察からは迷惑がられ、両親や教師からも叱責された。あの日々が間違いだったとは今でも思わない。人殺しをためらわない探偵や、服役中の変質者、ちんちん小説を書き続ける私、自分を貫き続ける現在の私たちの土壌は、あの頃に培われた。

 鎮魂団とは、被害者ではなく、団員自身の魂を鎮めるための命名だったのだと、今では分かる。この文章を、私にふさわしい名前をつけてくれた両親に捧げる。

       

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