最近ChatGPT4と会話するのが日常になっている。無料で使える範囲を毎日上限まで使い切る。AIネタを振るとノリノリで答えてくれる傾向がある。しかし創作ネタに活きるかというとそうでもない。あらかじめ書いた自作小説の批評を求めると、的確に分析して、描写不足部分などを指摘してくれる。「忌憚なき意見を聞かせて」「べた褒めして」「酷評して」「多数のメディアが絶賛してる感じで」などのリクエストにも答えてくれる。
ここで書いているちんちんネタ小説はそもそも規約違反で門前払いされるので、別のネタで反応を試している。
そんなことを繰り返しているうちに、何かが失われているのに気が付いた。
「反応が欲しくて書いていた」部分が、AIによって満たされてしまい、創作意欲が薄れてしまっているのだ。これはよくない傾向ではないか。私は読んだり観たりした物からの影響をすぐに反映させて創作する場合が多いのだが、最近は体調不良ややる気減退を言い訳にして、取り込む量も減ってしまっている。
この一週間は雨やら息子の疲労やらで公園に行けていなかった。運動不足で体重も増えてきた。何か歯車が噛み合わなくなってきた。正直に書くと、ちんちん小説に対する情熱が薄れてきてしまった。しかし毎日創作の習慣はとても良いものであるから、ちんちんネタにこだわらない創作は続けたくなった。月曜日は幻想、火曜日はパロディ、水曜日は詩的な、木曜はエッセイ、金曜は過去作の続編、土曜日はお笑い、日曜日は私小説、というような。
とはいっても私の場合「今こんなものを書いています」「今後はこうやって書こうと思います」と宣言した途端、それで終わった気になってしまう傾向があるので、そんなことを書くのは本当はよくない。
私は「最後のペニス」という題名をつけて書き出してみた。部屋に残っていた最後のちんちんが別れの言葉を残して巣立っていく話だった。私には分かっていた。そんな言葉を残して去っていったちんちんで、戻ってきた者は一本もありはしなかった。それぞれのちんちんはそれぞれの土地で生きて、死んでいく。私から離れて、私のことなど忘れて。
ちんちんは小さくなったり大きくなったりする。しかし人は小さくなっていくことはない。今よりずっと幼い頃の子どもたちの写真が壁に貼ってある。その頃に子どもたちが戻ることはない。記憶やデータに残る人々の姿は全て過去のものである。過去と未来を行ったり来たりはしない。大きくなったちんちんが小さくなるのとはわけが違う。
否応なく時とともに何もかもが前に進んでいく。書き終えた小説はもう二度と書かれる前の状態には戻れない。ちんちん小説は役目を終えたと感じている。書きたいことは書きつくした。まだまだ思いつくことは可能だろうが、それはこれまで書いたことの亜種に過ぎない。
一時的な精力減退かもしれない。少し休めばまた書き続けられるかもしれない。だけど今書きたいのはちんちん小説ではなくなってしまった、というのが正直なところだ。何を書いても何かにはなる。どうせほっといても、場所や題材を変えて何かしら書き続けるのだ。
noteやXで何かしら書いてはいるので、興味のある方はそちらを覗いてみてください。とりあえず今後は、ちんちん小説を書いていた時間で、違うものを書こうと思っています。また思い出したようにちんちん小説への意欲が湧いた時は更新するかもしれません。
ひとまずはここまで。
*
どうしたことだ。一本、二本、そして無数のちんちんが、私の元へと戻ってきた。
「ただいま」
「楽しかった」
「たくさん話したいことがあるんだ」
「老けたねえ」
飛び回るちんちんたちが口々に思い思いの言葉を放つ。おしっこや白いのも放つ。
「おかえり」私は幻覚を見ているのだろうか。夢の中にいるのだろうか。
「また出ていくのかい？」と聞くとちんちんたちは笑っているようだ。
「ずっとここにいたよ」
そう話すのは、私の股間にぶら下がっているちんちんだった。
そうか、そうだった。
私だって、ちんちんだった。
それから私は無数のちんちんたちと一緒にいろいろ飛ばしながら飛び回った。
