#6 High School Student Kill:1
あーマジすげーなこの夢。おもしれえ。
でもすぐ弾切れかよ・・・むかつくなぁ・・・畜生。
また奪い取れってか?さっきみたいに上手くできるのは流石にもう無理だよな。
ま、夢だしどうなろうと勝手だが・・・。
・・・どこかおかしいぞ、この夢?
なんだこれ?そもそも夢は痛みを感じる事なんてないだろう。
痛みはあるし、そもそもハッキリしすぎている。おかしい。
しかし俺はハッキリ寝た覚えがある。こんな所に居ること自体おかしい。
突如静寂がかき消される。右か。
そう思いながらひとまずテーブルの下にもぐりこむ。考える時間を得るために。
「銃を出す方法について、おしえてやるよ、役立たず」
上から声がする。さっきの中学生みたいなヤツか。
いちいち神経逆撫でするような事言いやがって。死ねばいい。
「いらねーよ帰れ!」
撃ち殺そうと上にさっきのマシンガンを向け、連射しまくる。
「言っとくがこれはただの夢じゃねえ!銃と弾薬を考えろボケ!」
「るせー黙れ!」
そういうと銃声は消え、足音だけが聞こえた。どうやらさっきのショットガン(のようだったが)を倒したらしい。
「相手の銃・・・ハァ?・・・何言ってんだアイツ、気持ちわりい・・・」
そう思うと、先ほどもぐっていた穴だらけの机の上にひっそりと一丁のショットガンが置かれていた。
そうだ、ここは・・・夢の中、なんだっけ。感覚はあるが。
ショットガンを手に取り、ゆっくりとエアコックを引っ張ると、彼は走りだした。
そういえばここのフロアには部屋があと二つある。
さっきのライフル持ってた可愛い人が死に掛け状態だ。
撃ったクソったれはどこのどいつだ?
しかし、この女だけということはないだろう。まさか。
相手はかならずどこかにいる。だとすればもちろん・・・。
このドアの右側にいるな、間違いない。
俺は横っ飛びしながらドアごとショットガンで撃つ。
よし、悲鳴が聞こえるということは一人殺した。服装も俺らと違う。
「大丈夫ですか?」
彼女は地面から発生した(!!)ジュースを飲みながら言った。
「ええ・・・。少なくとも私はね・・・。ごめんなさい・・・銃を向けられていて・・・反抗どころか移動すら・・・」
どうやらそのジュースは回復するという効果があるらしい。やっぱりおかしな夢だ。
腕を怪我してるみたいで、銃を持つ手はどこか痛々しい。
俺は迷わず女の人から銃を取り上げると、さっき使っていた拳銃を手渡した。
この拳銃は昔親父に触らせてもらったものと同タイプのものだ。
「・・・何すんの?」
「いや、今の貴方の状態はとてもこんな銃を持てるようなものではありません。
これのほうが軽くて、護身用になります。」
ペットボトルに入ったジュースをすべて飲み干すと、彼女はキッパリと、
「はぁ・・・舐めた口利かないでくれる?」
とだけ言った。
うわ、怒らせちゃったよ・・・。
俺は気まずそうに銃を返した。
まだ、ゲームはこれからだ。見せ場ならまだある。