あれから一週間…音沙汰がない。
大家も仲介屋のやくざも誰も来ない。
どうなってんだ?
まさか、ビル計画が潰れたとか…。
いやないな、このアパート以外はすべて買収は終わってるって聞いたし。
もうそろそろ、返事が聞けてもいいはずなんだが…。
コンコン。
来た。そそくさと玄関前に
ん?ガラスに透ける影が女っぽい…?
ガチャ
俺がドアを開ける前に、ドアが開いた。
普段鍵などかけたことはない。
こんなところに住んでいる人間から盗もうとする奴なんていないからな。
そのまま茶色い物体が、部屋に侵入してきた。
「拓ちゃん」
いきなり首に巻きつかれた。このやわらかい感触とこの匂い。
久々の女だ!!
誰だとか、どうして部屋に入ってきたとか、考える間もなく、
尻から腰から背中から、抱きついてきた身体を触りまくった。
久々すぎる!!!!
「ちょ、ちょっと」
俺の肩を押して、女が身体を引き離した。
お互いの目をみつめた。
「…愛美…まなみ?」
と言った瞬間。すごい力でさらに身体を引き離して。
愛美の目が釣りあがった。久々に背中がひやりとしてる。これはまずい。
「誰と勘違いしたのよ…」
「勘違いしてないよ、愛美だと思ったよ! 」
俺必死。
愛美だと思ってなかった。というより何も考えてなかった。
1年も女に触ってないのだ、中房並みに頭が沸騰して、
こいつが誰かなんか考えようともしなかった。
「戻ってくるとは思ってなかったんだよ」
愛美を力強く抱きしめた。とにかく早く続きを…。
「拓ちゃん…。」
またもや愛美は俺の肩を押しやった。
「ごめんね。ごめんね。あたし… 」
俺の興奮はMAX状態なのに、どうやら愛美は話をしたいらしい。
女が話し出すと長い。悪いが今は付き合ってられない。
「あたし、拓ちゃんに許してもらえるなんて思ってないけど… 」
「そんな話は後に…」
愛美の唇を塞ぎながら、片足で、床に散らばった障害物を払った。
ベッドまでなんとか道を作る。
ゴムは古いのはあったはず…消費期限ってあったっけ?。いや大丈夫だろ。
久々すぎる、女の唇の感触と化粧の匂い。
ああ、この福耳の冷たさたまらない。
中年オヤジ並みにいやらしくなでまわして、なんとかベッドまでひきずった。
愛美もいつのまにか乗り気になってきた。鼻息が若干荒い。
愛美の身体を反転させ、ベッドに沈めて、上から見下ろす。
やっとゆっくりと顔を見た気がする。
髪が伸びたな。前より綺麗になったような気がする。
「拓ちゃん… 」
さっきとはちがう声色に、張詰める俺。
首筋に吸い付きながら、下から服の中に手を入れてブラのホックをはずす。
愛美がちょっと背中を浮かせて俺を手伝ってくれるのが、嬉しい。
「ひぃ」
突然、愛美が叫んだ。愛美の目が俺じゃないどこかを見てる。
目線の方向に合わせて振り返ると、そこに仲介業者が立っていた。
「どうも…」
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