「ヤバ…ッ!!」
カズキは焦る。
出社したら中身が極道になっていて焦らない人間はいないだろう。
「おうアンちゃん、俺らに何の用だ?」
「い、いえ。入る建物をまちg…」
言い訳をしてさっさと逃亡しよう、そんな時だった。
「…そ、そいつは俺が呼んだんだ!」
第2話 究極のサドンデスバトル
…はっ?
カズキは頭の中が真っ白になりかけていた。
気付けば建物の真ん中に誘導され、席に座らされている。
今、何が起こってるんだ?
カズキは、状況を説明された。
先ほど彼を呼んだと叫んだ男、山田。
彼は莫大な借金を生み、組へと連れて来られた。
そうしてボスの考案で、ババ抜きによって処罰を決められるワケだ。
助っ人の登場はヤクザ側も想定外だったが、
なんとか許可を頂いた様子。
カズキは無理矢理の参加に戸惑いつつ、
4人でのババ抜きの戦いが始まった。
「ああ、何が起こっているんだ…?」
4人にカードが配られ、戦いが始まる。
その状況に、カズキは愕然とした。
「揃っているカードが…」
「一枚も…ないっ…!!」
ざわ… ざわ…
そう、カズキに配られた手札には揃うカードが一枚も無かった。
辺りを見渡すと、相手達がニヤ付きながらカードをドバドバと真ん中へ捨てている。結果、
相手1・工藤は手札が4枚。
相手2・下山は手札が5枚。
相手3・高橋は手札が4枚。
コイツら…
イカサマしてるっ………!?