うはｗ急に新しい家族が出来たｗｗ
【第】うはｗブラジャーBカップｗｗ【７話】
美登利さんがとんとんと指の骨で音を立てノックすると、「ことみ」と彫られた木彫りのプレートが小さく揺れた。
「琴美？俺、美登利だ。入るよ」
中からは何の返事もない。鳴子さんはいないのだろうか。
いいか？ と確認するように美登利さんが俺の方を向くが、俺は動けず青ざめた顔で震えていた。
この震えは、熱のせいなのか、今のあまりにもな自分の姿に恐れおののいているのか。
「ほ…ほんとにこの格好で俺は突入しなきゃいけんのですか」
「何言ってんの今更、1時間もかかったんだぞ」
それはそうですが…。
しかしこのパンスト…じゃない、ストッキングの感触といったら最悪である。
なんでここまでしなくてはならない。
おかげで俺の脚はつるつるになってしまった。すね毛などどこにもない。
体育、絶対短パンはけねえ…。
俺がまた悶絶するように思いあぐねいていると、美登利さんが、
「大丈夫！自身もてって！」
とニコっと笑い、俺は２階にもある洗面台の鏡の前に連れて行かれる。
「いや、見たくないって！」
俺は本気で泣きそうになりながら、しかしどこか嬉々としている自分にも気づいていた。
そしてもう一度、自分であり自分ではない俺の姿を、鏡の中に見る。
…ストッキングなんかはかなくても、いけたかもな。
スースーする股に違和感を感じる。
しかし、可愛らしい清楚な青のストライプのスカートから伸びた、すらっとした自分の脚に、俺は頷いた。
そう、すね毛を剃ってみると、ごつごつとしてはいるが、なまっちろい女のような足にも見え、自分でどきりとしてしまったのだ。
俺って美脚だったのかと意外な一面を見た。
肩幅はやはり男だという違和感を感じたが、それもうまくこのカツラ――肩下まで伸びたゆるいカールの――が隠してくれている。
それから俺の目。眼鏡を取りコンタクトにして、付けまつげが重くてだるそうではあるが、俺とは思えない目になっている。口は潤いリップで愛らしい唇が演出され――とか言ってる場合ではない。
なにしてんだ、俺。
なんでこんなことになった。
でも、こうしないと今は琴美さんに会えない、と美登利さんが言うから…。
女装、を。
【第】うはｗブラジャーBカップｗｗ【７話】
------------------------------------------------------
612 ：１：2007/12/20(金) 01:50:08.66 ID:ki4mGkf/O
俺が女装とかありえねえだろｊｋ
それよりK美さんに着て欲しいつーの
614 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。：2007/12/20(金) 01:53:19.96 ID:fnGjgr3kO
>>612
うｐ
615 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。：2007/12/20(金) 01:54:15.08 ID:hgtr9iFFO
>>612
うｐ!!!!!!!1
617 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。：2007/11/23(金) 01:56:10.88 ID:Hijew4bsO
なｗｗｗｗｗｗにｗｗｗやってんだｗｗｗｗｗ
つかそのアシのMさんってのもいいキャラしてるよなｗｗｗｗｗ
--------------------------------------------------------
「やあ、ご機嫌いかが？琴美」
琴美さんのあの叫び声を聞いて、なおかつこんなのん気な声をかける美登利さんの気が知れない。
俺は自分のさらさらしたスカートの裾を握り締め、眉をひそめて床を見ていた。琴美さんの顔をまともに見れるわけがない。現実が受け止められず目がうつろになってぼんやりしはじめる。
が、素直にまず疑問をぶつけてこの現状を破ったのは琴美さんだった。
「そのこ、だれ？」
ハッ？！
我に返る。
そういえば俺ってなんなの？何者？！
わたわたしつつ「私はだれ！」と目で美登利さんに聞くと、美登利さんはニコニコして、
「地元の鳴子のファンらしくってさー、来ちゃったみたいなんだよね。名前は田中米子さん」
よ ね こ…。
俺は一瞬その名前に固まったが、すぐに口裏を合わせた。
「はい」
声を高めに調整しよう。として、妙な声になった。きもわるいが、もういいや。米子はこういう声なんだよ。
こんなハスキーな声、さすがにばれるだろうか？
しかし自重せずに行かせていただく。
「このあたりに越して来たと噂で聞いて。ついに突き止めました」
「そこまでクリスティーヌ先生のこと好きなんだね～～」
「はい、クリスティーヌ先生が…」
？！
俺は驚愕の事実に動転し、美登利さんの腕をとっつかむ。
一応琴美さんには聞こえないように問い詰める。
「クリスティーヌ先生って、クリスティーヌ真子先生？！『泣かないで葵ちゃん』の？！」
「はあ？なに、知らなかったの？」
鳴子さんの漫画のペンネームって、クリスティーヌ真子だったの？！
少女漫画だが、俺かなり大好きだ！
小さく可愛らしく心優しい、小学生の葵ちゃんは似合わずテコンドーをやっている。
そのテコンドーのカッコいい師匠を射止めるまでのやきもき感がたまらないのだ。
ちなみに信夫も読んでいる（第３話参照）。
『この世には人が抵抗しても抵抗しきれない波というものが存在する』
葵ちゃんの師匠の台詞が頭をこだました。
この女装にもっすか。
師匠。っつーか鳴子さん。
「よねこ…ちゃん？」
「……」
ううむ、しかし鳴子さんがあの名作葵ちゃんの作者さんだったとは。
「おい」
ん？
「へ？！…あ、なんでしょう？！」
はっとして振り向くと琴美さんが首をかしげていた。美登利さんはあきれた顔で俺をみている。
「あのね、お母さんは、編集さんにつれてかれていない…」
「あ？！そうなのっ！」
「そうそう。だからさ、帰るまで米子ちゃんを相手してやってよ。琴美」
「……」
ああ全く、とうとうと適当な嘘を吐く美登里さんにはヒヤヒヤさせられる。
そしてそれを横目にいつもと変わらない無表情の琴美さんから何とか感情を読みとろうと、俺は懸命に努力してみる。全くの無駄だったが。
と思われたその時琴美さんの唇が動いた。
「いいよ」
え!?
まじで今の信じたんですか。俺は演技するのも忘れて目を見開いて驚く。そうこうしているうちに美登里さんは、端正なジャリーズ顔を輝かせ、
「ほんと。じゃ頼むね」
と言って出ていった。
ばたん、とドアの閉まる音がしてから俺は慌てた。
この状況で置いていくなんて酷くないか？！
こんな女装…絶対ばれるだろ！ ばれたらどうすんだ？ 生きていけない！
あれ、つーか俺、
「何しに来たんだっけ?!」
「…お母さんに、会いに来たんでしょう…？」
はっ、と我にかえる。
いかん、思考が口に出てしまった。そう、私は米子なの。…名字は忘れた。クリスティーヌ真子先生に憧れて、感極まって会いに来てしまったのだ。
「そうそう、そうなの…あ、あなた、琴美さんと言ったかしら」
米子どんなキャラなんだよ。よくわかんねえよ。俺は悲しくなりながらも必死で米子を演じる。
「こ、琴美さんは先生の漫画は読みまして？」
「うん」
「ええと…『葵ちゃん』の中で一番好きなキャラクターって誰かしら？」
「……ぶた彦」
「あ、ああ、葵ちゃんのペットの猫…」
女の子は皆師匠を好きになるのに。猫て。(主人公のペットに豚のように丸々太った猫がいるのだ。主人の恋を応援している。葵ちゃんはオスだと思っているが実はメス)
「分かる分かる、可愛いわよね～」
「……米子ちゃんは」
「へ!?私？」
向こうから何か言ってくるとは思わなんだ。ていうか俺(麦)としゃべるより口数が多いような気がする。嬉しいような悲しいような。
俺は複雑な思いに駆られつつ。
「私は…やっぱり師匠ですね。だって素敵じゃない」
女の子に徹して、イケメンの師匠をプッシュする。俺はもちろん葵ちゃんが好きさ。ロリコンじゃねえぞ。
しかし、その俺の返答に琴美さんは浮かない顔だった。
「……そう？」
むしろ俺に白い目を向ける。
え、なにその、ないわ～みたいな目。
「だって格好いいし、優しいですし。女の子の憧れですよ」
一応弁解してみる。実際師匠にはファンクラブまでできているんだぜ。ネット上では。
が、琴美さんはそれに対しぽつりと反論。
「…私はそうは思えない」
「え」
「あのくらいの歳の男の人があんな若い女の子に好意を持つなんて…信じられないよ。現実にあったらキモチワルイ…かも」
ええええ？！
コノ人どうしちゃったの？
ギャルゲだかエロゲだか好んでやってる人の言葉にはちょっと思えない気がするんだが。
「でも手出したりしないじゃない？あくまでプラトニックだし。歳なんて関係ないと思いますよ」
「……でも現実は、ああならない」
「………？」
なんか、琴美さん、米子に対してだと何か、違うかも。
俺と話しているときはもっと、変で、意味不明のことを言ったり、エロゲやったり、変な格好でうろうろしたりしてるのに。
なんつーか、おっさんみたいだったのに。
今はなんだか神経質な女の子みたいな感じもする。
俺はふと思い立って聞いてみた。
「あ、あの。琴美さん、歳上の方に想いを寄せたりとか、そういうことってないですか？」
すると、琴美さんの無表情だった能面のような顔に、ほんの少し、変化が現れた。
どろりとした黒い瞳が、震えるように揺れる。動揺を隠そうとしたのか、手で口元を覆った。
そして、叫ぶ。
「……ない！！！」
これはどうしたことだろう。
もしかして彼女が先ほど暴走していたことに何か関係あるのか？
年上の男――。
琴美さんに暗い影を落としたのは、いったい、なんだ。
偽乳をつくろうと美登利さんにむりやりつけられたBカップのブラジャーが俺の胸を締め付けて、苦しかった。
そしてそれを横目にいつもと変わらない無表情の琴美さんから何とか感情を読みとろうと、俺は懸命に努力してみる。全くの無駄だったが。
と思われたその時琴美さんの唇が動いた。
「いいよ」
え!?
まじで今の信じたんですか。俺は演技するのも忘れて目を見開いて驚く。そうこうしているうちに美登里さんは、端正なジャリーズ顔を輝かせ、
「ほんと。じゃ頼むね」
と言って出ていった。
ばたん、とドアの閉まる音がしてから俺は慌てた。
この状況で置いていくなんて酷くないか？！
こんな女装…絶対ばれるだろ！ ばれたらどうすんだ？ 生きていけない！
あれ、つーか俺、
「何しに来たんだっけ?!」
「…お母さんに、会いに来たんでしょう…？」
はっ、と我にかえる。
いかん、思考が口に出てしまった。そう、私は米子なの。…名字は忘れた。クリスティーヌ真子先生に憧れて、感極まって会いに来てしまったのだ。
「そうそう、そうなの…あ、あなた、琴美さんと言ったかしら」
米子どんなキャラなんだよ。よくわかんねえよ。俺は悲しくなりながらも必死で米子を演じる。
「こ、琴美さんは先生の漫画は読みまして？」
「うん」
「ええと…『葵ちゃん』の中で一番好きなキャラクターって誰かしら？」
「……ぶた彦」
「あ、ああ、葵ちゃんのペットの猫…」
女の子は皆師匠を好きになるのに。猫て。(主人公のペットに豚のように丸々太った猫がいるのだ。主人の恋を応援している。葵ちゃんはオスだと思っているが実はメス)
「分かる分かる、可愛いわよね～」
「……米子ちゃんは」
「へ!?私？」
向こうから何か言ってくるとは思わなんだ。ていうか俺(麦)としゃべるより口数が多いような気がする。嬉しいような悲しいような。
俺は複雑な思いに駆られつつ。
「私は…やっぱり師匠ですね。だって素敵じゃない」
女の子に徹して、イケメンの師匠をプッシュする。俺はもちろん葵ちゃんが好きさ。ロリコンじゃねえぞ。
しかし、その俺の返答に琴美さんは浮かない顔だった。
「……そう？」
むしろ俺に白い目を向ける。
え、なにその、ないわ～みたいな目。
「だって格好いいし、優しいですし。女の子の憧れですよ」
一応弁解してみる。実際師匠にはファンクラブまでできているんだぜ。ネット上では。
が、琴美さんはそれに対しぽつりと反論。
「…私はそうは思えない」
「え」
「あのくらいの歳の男の人があんな若い女の子に好意を持つなんて…信じられないよ。現実にあったらキモチワルイ…かも」
ええええ？！
コノ人どうしちゃったの？
ギャルゲだかエロゲだか好んでやってる人の言葉にはちょっと思えない気がするんだが。
「でも手出したりしないじゃない？あくまでプラトニックだし。歳なんて関係ないと思いますよ」
「……でも現実は、ああならない」
「………？」
なんか、琴美さん、米子に対してだと何か、違うかも。
俺と話しているときはもっと、変で、意味不明のことを言ったり、エロゲやったり、変な格好でうろうろしたりしてるのに。
なんつーか、おっさんみたいだったのに。
今はなんだか神経質な女の子みたいな感じもする。
俺はふと思い立って聞いてみた。
「あ、あの。琴美さん、歳上の方に想いを寄せたりとか、そういうことってないですか？」
すると、琴美さんの無表情だった能面のような顔に、ほんの少し、変化が現れた。
どろりとした黒い瞳が、震えるように揺れる。動揺を隠そうとしたのか、手で口元を覆った。
そして、叫ぶ。
「……ない！！！」
これはどうしたことだろう。
もしかして彼女が先ほど暴走していたことに何か関係あるのか？
年上の男――。
琴美さんに暗い影を落としたのは、いったい、なんだ。
偽乳をつくろうと美登利さんにむりやりつけられたBカップのブラジャーが俺の胸を締め付けて、苦しかった。
