「犬を飼いたい!」
俺がそう言った翌日、親父は象の子供を連れて帰ってきた。
犬ではなかったが、俺は兄と姉と一緒に大喜びで世話をした。
草食だと聞いたので最初は草ばかり食べさせていたが、
試しにお母さんを与えてみたところすんなり食べたので
案外草食でもないのかもしれないと思った。
子象は一回の食事で8キロのカツカレーを平らげるほどの大食らいだったので、
そこから「ギャル曽根」と名付けることにした。
ギャル曽根は食べる量と同じくうんこの量も凄まじく
毎日30メートルのうんこを隣の家の庭にしていた。
ギャル曽根はどんどん大きくなり、一ヶ月後には家より大きくなってしまった。
室内で飼っていたため天井は破れ家は全壊した。
「解散!」
父はそう宣言し、去っていった。
兄と姉は地中に住むと言いスコップを片手に公園の砂場の中へと入っていった。
一人残された俺はギャル曽根の背に乗り、
宛もない旅に出ることにした。