あいうえ
落し物
自転車に乗って近くの本屋まで僕は駆けていった
冬の夜はとても寒い、しかし早めに売らないとゲームの売値は
日々下がってしまう、そんな状況を回避する為に寒い夜でも僕は
この自転車『ライトニングアロー』に乗って本屋とゲームがくっついてる店
B○○K○FFに猛スピードで行くのであった
現在の時間は約夜10時半だ、僕の行く本屋は11時に閉まる
こんな時間だ、車は僅かで自転車などはほとんど通らない
通るとしたら若者達の集まる駅やそう言った所くらいだろう
変な事は考えずにその本屋に来たのであった
僕はすぐレジへ向かいこのクソゲを売ろうとした
『査定するんで少々お待ちください☆』
このニコっとする表情がウザすぎる
帰って早く課題を終わらせないと次の授業に支障が出る
むしろこんな時間にゲームを売るだけに態々外出る事自体あまり無いだろう
つか普通こんな時間に家から許可出すかよ普通
それも仕方ないのかもしれない
だって僕の『親権』もってるヤツはまだ
23歳の若い母なんだから、ちなみに僕は16だ
この前僕の父母は死んでしまった、交通事故だ
不謹慎かもしれないが別に親が死のうがどうでもよかった
『やっと親から開放される、爺さん婆さんも居ない、これで俺は自由だ!』
初めはそんなこと考えて日々を過ごそうと目論んでいた
しかしそのような状況下を未成年に過ごさせては
絶対駄目だとボランティアの女性が熱心に僕を引き取ることにした
まだ僕の親となって4ヶ月、何企んでるんだとか思って
着用下着、異性交流履歴、本棚、PCデータなど捜索をしたが
別に怪しい物はなかったぜ!むしろ僕が怪しかったかもしれない
もちろん、タダで行かせてくれる程その若母は甘く無い
条件としてタバコと焼酎を買ってくるだそうだ
『査定終わりましたよ~☆』
おせえよ店員、なんでツインテールなんだよ・・エロゲかよ・・
『1600円になります』
『!!!!!!?』
顔は普通のまま僕は驚いた事を必死で隠し
ふざけるなこのクソ店員
このゲームまだ発売して一ヶ月経ってないでんがな!
と心に思った
『クソゲーですから仕方ないですねー、私もやってみたけど最悪でしたよ』
ここまで馴れ馴れしく接する店員も居ないが
確かにその通りだ、面白いゲームではなかった
だから売ってる訳である、つまらんものは切り捨てる!現実と一緒だ!
つか商品をクソゲー扱いするなよ、つか心半分程読むなよ
で、納得した僕はそのまま店を出た
クソ寒い、でも別に早く帰れば良いので近道を僕は使うことにした
普通の道には電灯があるので十分に見えるくらい明るい
しかし近道は所謂路地裏なので、電灯なんて一切無い
よくその手の妄想をする僕にとっては別に恐怖など感じるより
性欲を持て余す的な想像をして、むしろワクテカだった
ふと足元をみると未開封のキャンディ入りであろう袋が落ちていた
好奇心旺盛な僕はその袋を開けて中身を確認してみた
『あれ、これなんだ・・?』
ちいさな丸いぶつぶつがくっつき合った如何にも毒々しい飴のような物
食べ物にさえ見えないその異型の丸の集合体は特殊なニオイを放つ
甘いソースを付けたすっぱい苺とアンモニアのようなニオイ
『別に落ちてたんだし未開封だから毒はねーよな』
とりあえず一粒僕は食べた
うえええええええっ!!!!ゴフッ!ガッ!フッゴ!
不味い、僕はその場ですぐその飴っぽい物体を吐き出した
『なんだよこれは・・・』
誰も居ないし問題無いよな
そう思い僕は思い切って叫んだ
『うんこ味』
こんな物置いとくなよ・・・・・
吐き出したそのうんこ味の物は変色してピンク色になっていた
丸の集合体のような形状から
なんだか少し柔らかそうな星形になっていた
全然無事では無く路地裏を抜け、僕は近くの酒屋の自動販売機で酒を買った
最近の酒の自動販売機は普通にこの時間未成年が買う事は難しく
親から渡された車の免許証を提示して買う
とりあえず今の説明はどうでもいい
ついでに同じ様な手段でタバコを買った
ついに帰ってきた、若母と思春期の男の子の二人きりのアパート
『ただいま・・・』
『タバコと酒、ちゃんと買ってきてくれた?』
『ほれ、酒とタバコだよな』
いや僕別に貴方の息子じゃないんで、そんな慣れ慣れしく呼ばないでください
このゲス野郎、MY美味い棒くわえさせたろかコラ
と、心の中で呟いた
『じゃあ僕もう寝るね、お休み』
『一緒のベットで寝ようよ~私まだ若いし凄いピチピチだよ』
うん、若いしピチピチだし綺麗だと思う
それに性格も横暴でとっても自分勝手だね!
流石にその誘いはいくら性欲を持て余してるとは言え
チキンな僕には冗談でも無理でした
それに仮初めだけど親子じゃん・・
『お休みなさい!』
途中休憩