「おはよ、美樹」
「おおっ。瑠奈Aが現れたぁっ!コマンド……たたk」
朝から電波を発しまくっている綾香を、私は愛情がこもったこぶしで軽く小突いた。
目に涙をためてこちらを見てきたのをスルーして、私はため息をついた。
「また何の新しいゲームをやったのよ……」
「ん?ド●ゴンク●ストだよ。しかもかの有名なⅤだよ」
んなこと知るか。やはりさっきの涙は、寝不足のあくびだったんだな。
と、目を放した隙になにやら意味分からぬことを呟き始めた。
やはり電波っ娘だな。
「くらぇっ、ベギラ●ン!」
「なんでいきなりそんな上級な魔法使えるのよ」
なにやらかめ●め波みたいなポーズを決めている彼女と一緒に居るのが恥ずかしく、自分の席にこっそり帰ることにした。
すると、倉西君と美樹がなにやら話をしていた。
「団長腕章って一回してみたいですよね~」
「草加さんが団長なら、俺は喜んでS●S団に入るね!」
こっちの話題も変わらないか……。
「朝からまた濃い話してるな」
「あっ、瑠奈ちゃんおはよーです」
「ちぃ~っす。高岡」
「瑠奈ちゃんはしてないよね?隠し事」
背後から急に声がしたので驚き勢い良く振り返ると、そこには綾香がいた。
「いきなり人の背後に立たないでよね」
「オヤ●ロ様だと思ったでしょ?あうあう」
このアホは放っておくことにして……。
「でさ~疑問に思うことがあるんだけどさ~」
この子……強引に自分のペースに持っていったな。
さすがというべきだろうか。――それは個人的に不謹慎だな。
「ドラ●エではさ、ザオ●クとかで死人が復活するけどさ、実際あったらすごいよね」
「おっ、とうとう早瀬もゲーム脳になってきて現実とゲームの区別ができなくなったか?」
「ちっがーう!ゲーム上での話しだよ」
「確かに、実際だったら棺桶の中に死体入れてたら、腐っちゃいますよね」
「でしょ~?さらにはさ、敵モンスターを倒したらお金もらえるけど、何で敵が持ってるんだって思う」
「わかるわかる。だから、ゲームによっては敵からお金落ちないよね……シビアだよ」
「村長のグラフィックが、ハゲ親父ばっかりなのには笑ったな~」
「うんうん。死にそうになったらエンカウント率上がるし」
話は終わることなどなく、ますますヒートアップする。
「ところでさ、ビア●カとフ●ーラ。どっち派?」
「私はビ●ンカですね~。幼馴染は萌えるです」
「私は当然フロ●ラかなっ。お金持ちだし、逆玉だよ」
話はわかる。分かるんだけど、話に入ることで私もこいつらと一緒になるのは嫌だ。
「あっれ、瑠奈空気じゃん。話し分かってるんでしょ?参加しようよ」
「まったくわかんないわよ」
「全く~素直じゃないんだから」
今度こいつが忘れものしても絶対貸してやるもんか。
「武器に鉈とかスタンガンってほしいよね。あと金属バット」
「ラスボスとの戦いが屋根の上とか」
「宇宙空間での金属の塊同士の熱い戦いとか」
「とかちつくちて って呪文ありそうですね~」
「ちょっと今回も落ちないわよ」
「ん~なら、この話からリレ●ト!」
読者様は、天井に頭をぶつけたようだ。