PLANTING
警察官に両腕を抱えられた男の目には
回転する赤色灯に顔を照らされながら
涙を流す女しか映っていなかった
男は叫ぶ 自らの想いをぶつけようと
男は駆け寄ろうとする 自らを認めてもらおうと
だがその想いは彼女に伝わることなく
弾けて 消えた
彼の頭の中で 何かが 生まれた
小さな種、数粒
彼の心の奥底に深く 埋められた
今はまだ弾ける時ではないと
11年後 彼の脳内で
それは熱を帯び始める
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文芸新都 |
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