道に迷った。
でも私は怖くなかった。
木々のざわめき。
木々の切れ間から降り注ぐキレイな光。
木々の輝き。
虫の鳴き声。
それらが全て美しいと思った。
私は歌う。
美しいと思ったことを表したくて。
美しいこの森を歌った。
私が居る森は、灰色と青色で出来ていた。
――道に迷ったけれど、別にゆっくり進めばいいと思った
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