朝のお味噌汁は 断然 白味噌なのです
そういって君は ことりと 湯気のたった御椀を僕の前に置く
ささ 早く召し上がられて 朝の五分は とっても貴重なんですから
化粧台の前に座った君は なにやらパタパタ とても忙しげだ
僕は ズズ と味噌汁を吸って 思う
結婚して 早30年である
今やこの味噌汁より 君の化粧後の顔色のほうが白い
これは湯気か はたまた舞い上がった白粉か
そんなことを考えていたら あっという間に会社へ行く時間になった
なるほど 朝の五分は たしかに貴重なのだ
ごちそうさまでした