俺はまた今日も、ココに居る・・。
砂浜に手を入れ、探してる・・。
俺の記憶、それはそこにあるのだから・・・。
2日前、気付いたら俺は病院のベットに寝ていた。
医者は俺に記憶喪失と告げた・・・。
療養生活をしろとも告げた・・・。
意味が分からなかった。
でも俺は、何も覚えていない。
覚えているのは、名前と記憶が思い出せないという事だけだった。
次の日、俺は病院を抜け出した。
そして、近くの海沿いの砂浜へと立ち寄った。
ふいに、俺の記憶が元った。
自分の事以外の、世間的一般常識は・・・。
そのあと、砂浜を歩く老人を殴り、財布を盗んだ。
その金で電車に乗った。
知らない駅ばかりだった。
適当な駅で降り、俺は道を真っ直ぐ歩く。
勿論、行き先などない。
ただ、海沿いの砂浜に行ったとき、記憶が元った・・・。
だからだろうか・・・。
俺は、この町の砂浜に居た。
何も思い出せなかった。
これから、どうすればいい?
どう生きていけばいい?
家は?
金は?
何も無い・・・。
とりあえず不安を忘れたかった。
寝ることにする。
目を開けた。
誰かが居た。
俺よりも年下だろうか・・・。
少年が居た。
一人だった。
「何しているんですか?」
急に、少年が話しかけてきた。
「別に・・・。」
そう答えた。
そう・・・、別に何もしていなかった。
「なら・・・。」
少年は続けた。
「僕と付き合ってください。」
・・・俺は、唖然としていた。