Neetel Inside 文芸新都
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数学教師栗栖トリ
プロローグ

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彼の名は栗栖トリ。今年で29歳。
名前こそ辺鄙な印象を受けるが、静岡県生まれ、静岡県育ちの生粋の日本人である。
最近、彼は新任数学教師として、東京都の肉棒高校に赴任した。
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その日は休日であった。
栗栖は翌日に控える初授業のために、なるべく疲れを残さないような休日の過ごし方をしようと思った。
朝9時に起床し、冷蔵庫で冷やしておいた牛乳の封を切って、コップに注いで一気飲みをした。外では休む事を知らない小鳥達のさえずりが聞こえ、窓からは相も変わらずさんさんとした陽気が差し込んで来ている。
なんとも清々しい朝である事には変わりはないが、栗栖の心の中には何か、引っかかる物を感じていた。普段は感じる事の無かった何かを。
牛乳を入れていたコップを台所の隅の方に置くと、クローゼットへと向かった。
中には彼が教員採用試験に受かった年に、親に買ってもらったグレー色の高めのスーツやら、寝巻きのタイツやら、様々な衣服が入っていた。
ふとクローゼットの片隅に目をやると、そこには彼が以前勤めていた私立高校をクビになる原因となった、女子高生の生パンティが山ほど置かれていた。
もちろんそれらは洗濯前の物だ。
まさかあの日、自分が女子高生の生パンティをはき、その股間に食い込む感触を楽しみながら授業をしていた日に、男子生徒からずぼん下ろしを喰らうとは思ってもみなかった。
痛恨の極みである。

気付くとそんな苦々しい思いを表すかのように、少し口元が歪んだ。
しかし、まだ自分には未来があると思い直し、その感情を無理矢理に消し去ると、早速普段着を来て、街へ繰り出す事とした。
といっても別段何かを買う訳でもなく、ただ銀行にお金を下ろしに行くだけなのだが・・・


彼は足早にバス乗り場に向かうと、市街地行きのバスに乗り込んだ。乗車料は230円かかる。

バスは市街地のバス停前で停車した。彼は何食わぬ顔で降車する人達の後ろに並び、自分の降りる番が来るのを待った。
一人、一人ときちんとお金を払って降車していく。ついに栗栖の番がやってきた。しかしその時彼の財布に入っていた金額は、ちょうど230円しかないことに気がついた。
早くお金を払って、降りてくれというような急かす目つきで彼を見るバスの運転手に向かって、彼は運転手と目を合わせ、優しく微笑むと財布を逆さにして硬貨を全て投入した。これで彼の財布はただの布切れと化した。

銀行に着いた。
店内に入る時、自動ドア前には股間の布地がなく性器を露出させて仁王立ちしている5人組がいたが、さして気にはならなかった。
自分の受付番号を確認し、席に座った。
それと同時に先ほどの5人が店内に突入してきた。彼らは意味不明な事を叫びながら、一人一人をガムテープでがんじがらめにしている。
もちろんその手は栗栖にも及んだ。素直に拘束されてやった。
しかし、ガムテープが付けられたと同時に、青い衣装を来た男のチンポの強烈な臭いが栗栖の嗅覚を刺激した。あまりの臭いに彼はショック状態に陥り、気絶してしまった。

どれくらい意識を失っていたのだろうか。ハッと目を開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。
先ほどの青い衣装を来た男が窓に自分のムスコを押し付けてオナニーをし、そこから少し離れたところで変な格好をした女が、銀行員と思われる女性の足を必死につかんでこう叫んでいた。

「誰か!誰か!誰か精子を下さい!」
その瞬間、窓際の青い男が轟音とともに射精した。
その白く、艶やかに飛んで行く精子は、見事な放物線を描いてその女性の元へと飛んで行った。
まるでy=ーX^2のグラフのようで彼の数学魂を刺激した。
いや、今はそれどころではない。目の前で女性が襲われている。これは男として助けるべきではないか。そんな理性が彼の頭を一瞬よぎったが、そんなものは瞬く間に消え入り、彼の頭に残ったのはその美しい光景に対する感動の念だけであった。

その女性は飛んで来た精子を、銀行員の女性の股間に塗りたくると、大急ぎで逃げて行った。
拘束されたまま銀行内に取り残された彼は、朦朧とした意識の中で、かすかに、しかし確かに、自分の理性が変貌を遂げつつあることをひしひしと感じていた。
彼はゆっくりと目を閉じると、深い瞑想に入った。


・・・こうして彼による革命がスタートしたのであった。

参考文献(「中出し戦隊子供ツクルンジャー」)

       

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