Neetel Inside 文芸新都
表紙

乱世到来
群雄割拠

...この広大な大陸に年号というときの基準が完成して、100年を迎える。
この大陸を最初に統治した国は、現在第6皇帝ワルド.ゲリクシーが統治するゲリクシー王朝シュタイヒルト帝国である。
...しかし、建国から既に163年の月日が流れ、
時代は移り変わりを見せていた。
全盛を誇ったシュタイヒルト帝国も、各地で相次ぐ叛乱と、
それを鎮圧するべき重臣たちの離反により、その力を失いつつある。
このころ、全土で最大の権勢を誇るのは、強大な軍事力を有すジーク.ハステンである。
彼は皇帝側近として地位を利用して私服を肥やし、期を見計らって王朝からの独立を宣言した、奸臣の一人である。
次に権勢を誇るのは、ブレーリンの地に立つ、ナイル.フォテンサムソンである。
反乱軍討伐に際し、彼に与えられた指揮下の軍事力は、王朝を覆すほどに成長し、もはや王朝から独立した勢力となってしまっている。
全土は戦乱の渦に巻き込まれるのか、それとも平和な治世を築く英雄が現れるのか。
...その証言者はあなた自身である。

100年2月  歴史の流れは群雄割拠時代と呼ばれる時代に入る。


まずは一人の将軍を主に物語を書き綴ってみよう。


100年7月

ここはフォテンサムソン領本国であるブレーリン城。
大理石の廊下を一人の少年が歩いていた。
「シン中将。城での暮らしには慣れましたかな?」
「これはサラエンラーク中将殿。おかげ様で大分慣れました」
「ふむそれは良かった。しかし君のようにまだ若い者まで戦争に関わるのか。15歳だったかな?」
「ええ」
「ま、君は私と違ってエリートだから大丈夫かな?」
「いえエリートだなんて。それにサラエンラーク中将殿も21歳ですから中将殿の方がエリートですよ。私は運が良かっただけ。偶々ですよ」
「はっはっはご謙遜を。まぁ陛下の為ですからね。それでは私はそろそろ御暇させていただきます。兵法でも勉強してきますかな」
「また」
「ええ」
物語はこの少年、アルベルス.シンの視点で綴られる。
アルベルス.シン、若干15歳で試験を合格したエリートである。今のところシンが史上最年少で将軍になったと言えよう。他にも15歳はいれど所詮親の七光りで合格した者が大半の中で唯一シンは自力で合格したのである。
その才能を買われナイル.フォテンサムソン君主は通常准将で採用するところをその日に中将まで一気に昇格したのであった。
シンは名将として相応しい能力を持ち街の女性からの人気も高い。ただ彼自身周りの評価など意に介さず自分に自由な人生を望む。人望は高く頭もキレ、武力も申し分ないという正に名将である。しかし知力だけなら先程の青年ワイ.サラエンラークには及ばないのだが。
今シンはフォテンサムソン君主より休暇を与えられたため家に帰っている途中である。
大陸は戦乱の渦に巻き込まれており各地で戦争が続く中、ここ本国は西の果てに位置する場所のため戦闘の危険はない。
フォテンサムソンは既に大陸の西1/3を平定しておりフォテンサムソン領を攻撃するための道は3つしかない。リムクナー国が1つとマニディー国が2つ。リムクナーは確かに強力な軍事力を持つがフォテンサムソンはそれ以上の軍を持っておるので心配はない。それに恐れるべき敵の元帥は対レイテプレ軍の最前線基地にいるため平気である。本国にいる将と君主は無能なのでおそるるに足りない存在である。それにいざとなれば若干24歳で南西部総司令官であるオルテンサムソン元帥がいる。対するマニディーも軍事力はリムクナーと同様である為平気だが同時に攻められると覚悟が必要かもしれない。とはいえこちらにも北西部総司令官のファレンシスク元帥が構えている為心配ない。
要するにフォテンサムソン軍は鉄壁。この配置付けはシンが軍隊に所属する以前サラエンラーク中将が考えたのであった。特にファレンシスク元帥は有能だが元来野心旺盛のためなるべく本国には置いておきたくない人物であった。
本国のこの城での権力はサラエンラークが一番であり二番目はシンである。
ちなみにサラエンラーク中将の命に従うよう命じたのは我が軍一の知恵者であり大陸でも5本指に入るほどの智者である。
3番目はオール.ゲリクシーである。王朝との血縁者で無能な第6皇帝とは違い能力は優れているが知識を鼻にかけている所があり、周りの評価は良いとは言えない。37歳である。
2番目はゲリクシー王朝シュタイヒルト帝国宰相ウォルド.レクスマイヤーである。若干25歳にして元帥の地位まで上り詰め今年4月に宰相の地位を任命された。しかしまた彼も能力は優れているが知識を鼻にかけている所があり、周りの評価は良いとは言えない。
そして大陸一の賢者はレイテプレ国元帥ヨルム.アットサムソンである。知力で彼に勝る者はこの大陸にはいないであろう。然し人望は無いものの将として相応しい能力を持っている。小国でありながら帝国等の大国と隣接しながらもレイテプレが生き延びてきたのはひとえに彼が居るからと言えよう。
シンは門を出ようとしたところを誰かに呼び止められた。
「シン中将殿!」
「こんなに急いでどうしたましたテッセ准将?」
駆けつけてきたのはイルム.テッセ准将である。
テッセ准将は22歳と若いのもあってか野心が高く粗暴な振る舞いも多く警戒されている。しかし人望もそれなりにあり武芸に優れているため重宝される。だが学が無いため騙されやすい。ちなみに女性である。
「戦です。マニディー国へ君主が政治的思想の違いから宣戦布告しました。部隊を率いて陣へ迎えとの御達しです」
「わかりました直に向います」
シンはテッセとともに戦場へ向った。
名馬に乗っているので二人とも早く着くことが出来た。
「シン中将殿参られましたか」
「遅れてすみません」
「いえ、それでは今作戦は敵マニディー軍領マニウィルへの侵攻ですここは拠点ですからなんとしても落とさねばなりません。多分我々が既にマニウィルに向っているのは密偵で知られているでしょう。しかしそれはわざとです」
「何故ですか?」
「カルフェルト少将、私はできるだけ兵を消耗したくないのです。ですからわざと密偵に知らせる。密偵の報告では10000万か20000万でしょう。実際は58000ですけどね」
「なるほど」
「というわけです。できれば引っかかってくれるといいんですけどまぁあんまり期待はしてませんよ」
「それではどういう作戦でいくのですか?」
「敵陣は所々丘がありますから少々不利ですね。我々の軍との境界線を引くように川がありますから気をつけてください。えーと陣形は、私が総大将なので中央に位置します。カルフェルト少将とテッセ准将は左翼騎馬隊を担ってください」
「うむ」
「任せて」
「シン中将とアルローニ准将は右翼を担ってください」
「了解」
「はっ」
「ゲッテンハウセ准将は左翼をロイエンブルク中将は前衛をお願いします」
「おk」
「ああ」
「左翼騎馬隊は敵本隊への突撃や敵側面への攻撃など機動力を生かした戦いをお願いします。敵が川を渡る前に先に渡ってください。ゲッテンハウセ准将は二人の援護を。アルローニ准将は川を渡り防衛をお願いします。シン中将は川を渡られたときに威嚇をしてください。戦闘はさほどしなくてよろしいです。ロイエンブルク中将は本隊の援護を。それでは各自持ち場に戻ってください。御武運をお祈りします」
数日後マニウィルの地にて両軍は敵を補足する。
ワイ.サラエンラーク中将指揮するフォテンサムソン軍58016人と敵ヒクスディー元帥指揮する45179人激突した。マニウィル東の攻防戦と呼ばれるこの戦いがシンの初陣であった。
「敵の数は45000といった所かな?」
「おそらく」
「戦力では我が軍の方が有利だ! 恐れることは無い。行くぞ!」
「おおおお!」
参謀はロイエンブルク中将だが肩書きだけの参謀である。知力ならシンの方が断然上だが初陣という事もありロイエンブルク中将が参謀になった。
「左翼騎馬隊は一気に駆け抜けろ! 敵陣を崩すのです!」
戦は圧倒的だった。
テッセ准将が指揮する騎馬隊があっという間に川を渡り敵陣の側面を攻撃。たちまち敵は混乱に陥った。
「命が惜しい奴は道を開けなさい! イルム.テッセ様のお通りよ!」
「うわぁぁ!」
「ええい! 逃げるな! 戦え!」
隊長各の男がそう叫ぶも敵兵は逃げ惑うばかりだった。
それを見たテッセが挑発する。
「そう言うあんたが戦ったらどう?」
「何を! 女の癖に図に乗った事を後悔させてやる!」
挑発に乗った男がテッセに斬りかかる。
が、男はテッセと打ち合いを始めた瞬間首が飛んでいた。
「ん? もう終り?」
「ああああ、エルレイター中将がやられてしまった……」
「へぇ将軍だったのか。あまりに弱いんでただの兵士かと思ったよ」
指揮官の死亡によりエルライターの部隊はたちまち烏合の衆と化した。
それを狙ってゲッテンハウセの部隊が敵をどんどん討ち取っていく。
「追え! 一兵たりとも逃がすな!」
「ゲッテンハウセ准将! 横取りはずるいんじゃなくて?」
「その首は貴女のもの。ですがこの仕事は我々に任しなさい。貴女には貴女の役目があるはず。こんな逃走兵の追い討ちではありますまい」
「それもそうか。それでは頼みますよ。よし野郎ども次の獲物に行くよ!」
テッセは乱暴な口調でそう言うとあっという間にさってしまった。
残ったのは討ち取られていく兵士とゲッテンハウセの部隊のみだった。
「まぁ猪武者は頑張って敵将を討ち取ってください」
そう言ったゲッテンハウセの元に矢が飛ぶ。
「うおっ! くそっ痛たたた」
何とか避けたもののこけてしまった。阿呆なのか馬鹿なのか。
どちらにしろ駄目な奴である。
「シン様我々は敵との戦闘をしなくてよろしいのですか?」
一人の武官が全く戦闘に参加しないシンを見兼ねて質問する。
「うん。我々の作戦は川を渡った敵への威嚇が目的。未だ敵は川を渡り終えては居ない」
「そうですか。しかしながらアルローニ様だけで防ぎきれるのですか? 66歳ともうお年ですし」
「はは。大丈夫でしょう。アルローニ殿は皇帝が若い頃から仕えていたらしいですから戦にはなれているでしょう」
そう言ってシンはアルローニ准将が戦っている地へ顔を向ける。
奮闘しており川の防衛に努めていたが2つの部隊がその脇を抜けて川を渡ってきているのが見えた。
「皆の者敵の部隊の威嚇に入るぞ。警戒しろよ」
「はっ!」
シンの部隊は川に向って前進をする。このまま行けば戦闘になるだろう。
「シン様。総大将からの伝令が来ています」
「なに? 通せ」
そう言って少したった後サラエンラークからの伝令がきた。
「どうしたのだ。我々は見てのとおり作戦どおりに敵への威嚇をかねて前進中だ。用件を早々にいえ」
「はっ。戦線を縮小し敵より離れた位置の川に待機せよとのことです」
「なに? 戦闘はしないのか?」
「はい。策略により敵の目にはシン様の部隊が実際の2倍に見えることでしょう。ですから威嚇し戦闘はするなという事です」
「ううむ…………了解した」
「はっ! では」
シンは納得の行かない顔だった。それもそうである。初陣で真っ先に手柄を立てようと思っていた矢先戦闘はせず威嚇のみしろというのである。
シンは内心不満だったがサラエンラークの実力は認めているし新参者なので素直に従った。
「戦闘はしないのですか?」
「ああ。威嚇らしい」
川を渡った敵を見るとアルローニ准将が敵と戦闘しながらも徐々に退路を立っておりシンの部隊に威嚇され前進も出来ずという状況だった。
「いいな、敵が前進したらすかさず側面を叩くのだ」
シンはただ見つめるのみだった。
馬の走る音が聞こえたかと思うとシンの下に一人の兵士が駆け込んできた。
「何者だ!」
「伝令です! カルフェルト少将が敵本隊への突撃に成功! 全軍突撃との御達しです!」
敵を見ると後退を開始している。
「よし。全軍つっこめ! 逃がすなよ!」
シンは敵に追い討ちをかけた。
結果見事フォテンサムソン軍の勝利となった。
が、シンは敵兵を一人もうてず落ち込んでいた。
王宮では宴が開始されていた。
「皆の者、よく頑張ってくれた。これで又一つ統一へ近づいた」
フォテンサムソンが諸将にねぎらいの言葉をかける。
「それでは勝利を祝い乾杯!」
「乾杯!」
「フォテンサムソン様万歳」
宴が始って早くも酔ったテッセ准将がシンに絡む。
「どうしたぁ? 浮かない顔してさ!」
「い、いや……なんでもありませんよ」
「テッセ敬語を使いなさい敬語を」
カルフェルト少将が注意するが。
「あははは! 酒の席は無礼講無礼講!」
上司に向って酷く失礼だが元々こういう人なので誰も気にしない。今更である。カルフェルトも溜息をつくだけだった。というか彼も大分飲む。
人は見かけによらないらしい。
「もしかして全然戦功が上げられなかったのでも気にしてるの?」
「うっ…………きついですね」
「あっはははは! 気にしない気にしない。そ言うときは飲めばいいさ!」
「そうですかね?」
「そうですよ?」
シンは酒を見つめると一気に飲み干した。
「おおお!」
「ふふふっ。さぁじゃじゃんもってこい!」
案外この二人は仲がよい。二人で酒を酌み交わしている。
カルフェルトはそれを穏やかに見つめている。時々会話に参加するが基本的には聞いているだけである。
周りには酒瓶が幾つも転がっているが。
「あっちは随分と盛り上がってますね」
「うむ。まぁワシは静かに酒を飲むのが好きだからな」
「あははは。私もですよ」
こっちはこっちで盛り上がっている。
「…………」
一人寂しく酒を飲むのは君主だった。
「酷いだろう流石に……」
こうして宴は夜が明けても続くのだった。



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Neetsha