Neetel Inside 文芸新都
表紙

恋愛関係
そして最後に

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葬式は着々と進んでいき、最後に棺桶で眠っている光を見つめた。
綺麗な花束にかまれていて、凄く綺麗だった。
「光……ありがとう」
俺が別れの言葉を言って棺桶を閉めた。
その時だった。
棺桶が、吹っ飛んだ。
「ドッキリでしたぁー!」
光が、生き返った。

     

「ちょ、おま、え? ええええ!?」
「あははは。こんなに見事に引っかかってくれるとは驚きだよ」
笑い声があちらこちらから聞こえてくる。
見渡すと全員笑っている。
え? 俺だけ?
「くく、兄さん……あっははは!」
「さーくんってば滑稽だよ!」
酷いなお前ら。いや、最低だよ。
「どこらへんからドッキリなんだよ」
ちらりと光のほうを見ると棺桶から出ようとしているみたいだが花に足を取られてるみたいだ。
花なんかに足って取られるんだろうか。
「そうだね、大体僕が「僕の初めてを貰って♪」くらいからドッキリだよ」
「そんな前から!?」
一話だぞそれ!
それじゃあ物語り自体どっきりじゃん!
なんだよもー。死にたい。軽く死にたい。
恥ずかしくて死ぬ。死ねる。恥死するわ。
「でも、弟よお前が普通でよかったよ」
「ばっ! 何言ってんだよ兄さん! 僕はどっちかて言うと兄さんの初めてが欲しいって言うか」
いやあああああ!!
悪化してる!

     

「あ、でもでも私が理さん好きなのは本当ですよ」
聖が抱きつきながら言う。
「はぁはぁ……理さんの匂い……あぁ幸せです………」
脇やら胸やらに顔を押し付けている。
聖って、こんな変態だったけ?
「そ、それはさておき! 美希が俺のこと好きって言うのも嘘だったりするのか?」
「うん。そうだよー」
うわぁぁあああん!!
鬼だよお前ら!!
「でも私が超人なのは本当だよ! だって巫女だもんね!」
胸をそらして大威張りする美希。
そこはうそにして欲しかった。
「父さんたちもグルなのか?」
ここにはいないが多分そうなのだろう。
最低な家族だな。
「姉さんと妹は同棲中なのは本当で、母さんが父さんにゾッコンなのも本当だよ」
「……従兄はどうした」
「従兄は存在しません」
なんじゃそりゃぁあああ!!
「色々無理があるだろ!」
「いいのいいの。ぜーんぶドッキリなんだから」
光が何時の間にかこっちにきていた。
こいつ………喋り方も違うぞ。
多分キャラ作りだったんだな。まぁ、明るい性格だけどさァ……。

     

「本当は、告白してくれたとき嬉しかったんだ。私と付き合ってください!」
光が唐突に、告白してくる。
突然すぎる。早すぎる。展開が。
まぁ、そんなのは全く関係なく応えは決まっているだけどね。
「もちろん……」
もちろんでパァっと顔を明るくさせる光。
「NOだ」
「やったー、って・……なんでぇ!?」
「決まっるだろ。全く。だけど高校の教師にはなる」
また、明るくなる。
さっきからずっと俺の匂いをかいでいる聖は恍惚の表情でイクイク言ってる。
どこに行くつもりなんだお前は。
「それは教師になったら結婚してくれるとかそういうの?」
「違う! 俺はお前らの所為でどれだけの時間を無駄にしたと思ってるんだ! 俺のような被害者を出さないためにも連中をみっちり鍛えてやるわ!」
そう、第二第三の俺が出ないためにも俺が、管理せねば。
「そんな人僕たち以外に多分いないよ。まぁそれはおいといてさ。たまには兄さんと二人きりで寝てみたいなぁ」
「却下だ。今から俺は教師になるべく猛勉強する」
聖を引き剥がして家へ帰る。
美希が車で送ってくれたので助かったぜ。
「美希、運転手は?」
「私だよー。免許ないけど大丈夫! だって私は巫女だから!!」
「や、やめろ!」
とき既に遅しとは正しくこの事を言うのだろう。
車が丁度発進したのだ。
ああ、死んだな。
後ろを見ると聖がおじさんの車で追いかけてきている。
弟たちも乗ってるみたいだ。
まだまだ、この関係は終わりそうにない。
これからの事を思うと心労から溜息をついた俺にはこの後全治三ヶ月という怪我を負う羽目になるがまぁ、又今度ということで。
さようなら。又会いましょう!

       

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