●10週目
……嘘だ!!
信じたくない……!!
言葉が心に突き刺さる……
脳が思考を停止しようともがき苦しむ
否定しようにも、胸の痛みは一向に消えない
なぜこんな事に……
---
さんたの説明の後、くみがチャット部屋に来た。
多分、ぼくは告白の時より緊張していたかもしれない。
くみ 「ぎゃっ」
ぼく 「くみ……」
くみ 「もう、さんたったら。余計な事まで言っちゃって」
どらみ「……おはよう」
くみ 「おはよー! みんな元気ないよ!」
ぼく 「……」
くみ 「どうしたの!らしくないよ!
大丈夫、今度みんなの街へ遊びに行く事にしたから」
どらみ「私たちに会いに来るの?」
くみ 「うん。会社も休んで行っちゃうよ。楽しみにしててね」
ぼく 「わかった」
くみ 「元気ないなー。もしかして私お邪魔だった?」
ぼく 「そんな事ない!」
くみ 「わかった、私もう帰るね。あはは、またねー」
ぼく 「あ……」
風のように彼女は去ってしまった。
そしてさんたの言った言葉、
さんた「あいつ、泣き虫の癖に無理しやがって……」
彼の言葉が僕にとって致命的だった。
泣き虫……誰が? くみ!?
僕はそんな彼女の姿を知らない。
いつも明るく振舞ってるくみ。
誰にでも優しく接してくれる……。
僕の見ていた姿は誰だったんだ?
僕は一体、誰に惚れてたんだ……!?
わからない……。
全てが闇に包まれた気分だった。
---第3部へ