Neetel Inside ニートノベル
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或る夏の物語
3週目

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●3週目


「親しさは会う回数に比例する」
そんな事をどこかで聞いたことがあった。


彼女イナイ暦=年齢という肩書きを払拭するため、
また純粋に彼女たちと、もっと親睦を深めたいと考えていた。

だから毎日「さんたマンション」に行き住人達との会話を楽しんだ。
そんな僕の生活は、チャットが中心になっていった。


さらに仲良くなる為に、メッセ登録や写真交換など果たしてないイベントは沢山ある。
でも、持って生まれた性格のせいか、自分からは言い出しにくい。


ここでも恋愛スキル不足は大きな痛手となった。



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意外にもチャンスは向こうからやって来た。

くみが「みんなの顔も見てみたい」と言い出したのだ。
メール交換と共にメッセを登録し、写真を交換する事になった。

だけど「メッセってやり方わからない…」
と言っていたので、僕が面倒を見てやる事になった。
ホットメールの取得から、チャットで指示しながらなんとか登録までこぎつけた。


苦労の甲斐があり、僕が彼女のメッセ登録第1号となった。
しかし、いざ写真交換の段になり、

「ごめんなさい、まだパソコンに写真ないの…」


正直がっかりした。
でも嫌われているようでもないので、自分の写真を送る。
もちろん、補正済みだ。

「なんか優しそうな雰囲気で安心した」

そんな事を言われたのでちょっと嬉しくなった。



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他のメンバーとの写真交換もスムーズに行われ、メッセも登録したのでオンライン・オフラインの時間もわかるようになった。
チャットに行かなくても話し掛ける事ができるので一気に距離が縮まった……

ように思ったが実際にはそうもいかず、なかなか用事も無しに話し掛ける事なんてできなかった。

やはり媒体は進歩しても、僕の性格は進歩してないな。
そう思い知らされる結果となった。



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