「こんな夜分に申し訳ありません」
「いえいえ」
望月は部屋へ誘導した
といってもただ単に入ってくださいといっただけなのだが
「あ、飲み物を用意します」
するとカルマという男は、手の平をこちらに向け
「結構。私がおもてなししましょう」
そして指を鳴らすとカップが二つ転送されてきた
そのあと、杖をカップに指し
「/hidden」
たちまち水がカップに注がれていた。
「あなたは何がよろしいでしょうか?」
「コーヒーで」
「かしこまりました」
「/hidden」
杖から出た白色の光はカップの中に入りホットコーヒーに変えた。
「あの・・・今のは・・・」
「今のですか? 今のは宣言命令魔法といいまして」
カルマは話を続けた。杖のグリップ側を見せて
「ここに半分のアンチモンバッヂと半分のマグネシウムバッヂが埋め込んであるんです」
「はぁ。」
「これは錬金術を行って、支配霊を埋め込むんです。この杖に。
そして、魔力でその霊を活動させるのです。 支配霊はとても忠実に働いてくれます」
「ところで"/hidden"の意味は?」
「"/"は宣言するんです。魔法を使いますよという。
そして命令するのです。イメージしたことを言葉というエネルギーに変えて。
つまり"hidden"は変数です。数ではないですが」
「正確に宣言しなくてもよいのですか?」
カルマはコーヒーを一口すすって
「はい。
さっき言ったとおり言葉はエネルギーとして使います。
想像した事を言葉に乗せるのです。」
カルマは続けた
「そのため、正確な呪文など存在しないのです。想像の世界。
しかし、強力な魔法ほど、マジックポイント…つまり精神エネルギーを消費します。」
「魔法っていいですね」
カルマは豪快にも残りのコーヒーを飲み込んでこう言った
「判って頂けると、とても私はうれしいです。
科学の限界を超え、物理法則が成り立たない次元はずれな力。それが魔法です。
……しかしながら、次元を超えるまではいきません。」
「魔法にも限界があるのでしょうか」
「いえ。可能にする力なら存在はしますが」
「少し話が過ぎました……まあ本題に移りましょう」
「天使と悪魔の組織はご存知ですね?」
「はい。」
「悪魔だと思われる方に先ほど合いましたが」
カルマは驚愕したが
「あの男とお会いしましたか。ならば話は早い。」
カルマは続けて
「明日、再びこちらにきます。予定は大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。」
「ならば後日改めさせていただきます。」
「えーと。どこに行くんですか?」
「新都幕府のほうまで」
「はぁ」
新都幕府ってどこだよwwwwwwww
「では。失礼しました」
「/hidden」
窓が開きカルマが出て行った。
"/hidden"
遠くから声が聞こえ窓が閉まった