Neetel Inside 文芸新都
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腐るという生き方
01:霹靂

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 ―――――死んだらどうなると思う?天国に行く?なにもかも消えてしまう?生まれかわる?生きてるうちに死んだ後を考えるなんてばかばかしいと君は言うかもしれないね。でも、気になるだろ?死んでしまった僕が特別に君に教えてあげるよ。
 
 
 ―――――君は・・・
 
 
 

 その日も僕は出来るだけ神妙な面持ちで俯いては申し訳なさそうに相槌をうっていた。
 
 「小林ィ!また遅刻かッ!」
 朝っぱらからやかましい挨拶が耳に突き刺さる。すみません、と軽く呟いて僕は散らかったデスクに向かった。
 「ちょっと来い!」
 ハイハイ、怒鳴られなくたって今行きますよ。
 「おまえは・・・そんなんだから、大体だな・・・社会人としての云々・・・」
 あー早く終わんないかなぁ。
 「・・・小林。分かったか?」
 今日のお昼なにたべようかなぁ。
 「・・・聞いてんのか小林ィ!」
 あ、飛行機雲。
 「・・・コバヤシィィィィィーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」
 あーうるさいなぁもぅ・・・。
 「お前はクビだ!」
 ハイハイそうですか、クビでs・・・え?
 「・・・課長、今なんと?」
 「お ま え は ク ビ だ」
 

     

 真昼間の公園には驚くほど人が多い。砂場で水遊びをする女の子、周りには元気に走り回る男の子。少し離れて旦那の愚痴をこぼす奥様方。もう少し離れたところにはくたびれたネクタイの営業族。そして公園の一番隅っこに、僕。
 外に向かって放射状に希望が薄くなっていく構図に気付いた僕は軽くため息をついた。20年前の僕はあそこにいたのにな。この20年で僕はずいぶん沢山の希望を失ってしまったみたいだ。・・・もしかして10年後、20年後もこの絵は変わらないのかもな。砂場の無邪気な女の子は家庭の不満を口汚く罵る主婦になる。広場の元気な男の子は会社に扱き使われてベンチで項垂れる会社員になる。きっとそうに違いない。
 ニヤリと顔をゆがめて、僕は煙草を燻らせた。

       

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