~計画~
「今、発電所を占拠した犯行グループの一人が出てきました!・・・拡声器を持っていますね。犯行声明のようです。」
「えー、われわれの目的は、ここから都内に送られる電力を全て遮断することだ。要求は我々の邪魔をするな。それだけである。もし邪魔をするなら、人質の命の保障は無い。」
「犯人の本当の目的はいったい何なのでしょうか?やはり更なる犯行のための計画の一部ですかね?」
「恐らく、銀行強盗かサイバーテロか・・・」
「警察と犯行グループとの交渉が終わった模様です!ただ今から警察の緊急会見が始まります。」
「犯行グループとの交渉の結果、30秒だけ電力を遮断したあとに人質を解放するということで我々は譲歩しました。」
「犯人の本当の目的についての情報は!!??」「人質は無事は確認できたんですか!!??」
「今はまだなんとも・・・ただ、万が一のため、都内の銀行などの施設への警備は完璧なので安心してください。」
「それにしてもたった30秒とは、よく犯人も納得しましたね。・・・あ!!どうやらまた犯行グループからの声明が始まるようです!!!」
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「どうだ?」
「全て計画どうりだ。本当にありがとうな、ここまでつきあってくれて。」
「もういいって、別に捕まる気もねーしよ。それに、俺も見てみたいんだよ『それ』を。
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「今から、都内に送られる全ての電力を30秒間遮断する。人質は約束どうり解放するので安心しろ。もちろん身の安全は保障する。それと、最後に皆さん・・・空を、見上げてください。」
プツン・・・
・・・・・・
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あの日、彼は都会の夜空に川を流した。
あの時、そう、私の最後の誕生日だった日に。
病室から出れない私へ。
あの約束を守るために_
「いつか、一緒に天の川を見に行こう。」