酢豚
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酢豚
酢豚酢豚(すぶた)とは、豚肉を使った中華料理(広東料理)である。広東料理店が多い欧米でも人気が高い料理である。
九州では酢排骨(スーパイコ)とも呼ばれる。
菊蔵と吉田と苗ちゃんと僕とで、絹子ちゃんの墓参りに行ってから3ヶ月後のことだった。季節は、秋だった。
今日、苗ちゃんが、僕と吉田と菊蔵を家に招いて、酢豚を作ってくれるそうなのだ。(ちなみにこれを吉田から聞いたのは、今から一週間前のことであった。)
墓参りから菊蔵と苗ちゃんとは久しく会ってなかったので、ようは「酢豚オフ」なのだ。そして僕は今、苗ちゃんの家のインターホンの前に立っていて、
吉田と一緒に家の中に入ろうと約束していたから、僕は吉田を待っているのだ。……予定より10分のに、まだ来ない吉田。僕はもう待ちきれないので、
インターホンを押してしまおうと思っていた、ちょうどその時、吉田が自転車に乗りながら、こっちへ向かってきた。遅いぞ。
「遅いぞ」と僕。
「うっせーはげ!!!たかが10分の遅刻だろ?!!!そんな怒るなよ!!!」と吉田。
「いいや、10分は大きいと思う。それに僕は禿げてない」
「いや、はげかかってるぞ」
吉田の最後の一言を華麗にスルーしたあと、僕は吉田にインターホンを押すように言った。僕が、禿げかかっていないこともさりげなく言った。
でこが広いだけなんだ。そうなんだ。でこが広い⇒賢い のだ、と吉田に説明をしておいたが、吉田のはげはげコールは止まなかった。
「おい吉田。さっさとインターホンを押してくれないか」
「いや、なんで俺が押さなきゃなんないんだよ。はげ」
「吉田が10分予定より、遅刻したからだよ。それと僕は禿げてない。でこが広いだけだ」
「……じゃんけんで決めようか」
「嫌だよ」
「いいから、ジャンケンで決めようぜ」
「嫌だよ」
「うっせーはげ!!!どうせ苗のことが好きなんだろ?見え見えだぞ!!ああわかったよ、おまえがインターホンを押すのをためらっている理由!
苗のことがやっぱり、好きなんだよな。だからなんだよなっ!わかった、俺がインターホン押してやるぞ!!」
「よ、吉田ぁ!別に僕は苗ちゃんのことが好きなんかじゃあ・・!」
「あとで苗に言っといてやるから、安心しろよ、な?はげ」
「や、やめろよ吉田ぁぁぁ!!あと僕は禿げてない、でこが広いだけであって――」
顔が、真っ赤になってしまった。それを見た吉田は、にやっとした。ちくしょう。
「ピンポーン、ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン」
吉田が、5回インターホンを鳴らした。すると10秒もしない間に、ドアが開いた。
「ようこそ!酢豚オフへ!!」と苗ちゃん。
「おじゃましまーす」と僕と吉田。話が微妙に噛み合ってない気がするのは気のせいか。
「じゃあ4人全員そろったとこだし、今から酢豚を作りはじめます。期待しててね」に
こくりと、頷いたあと、苗ちゃんに菊蔵も来てるから、しばらく2階のあっちの部屋にいて暇つぶしといてね、と苗ちゃん。
僕らは、苗ちゃんが作り始めたのを確認してから、「がんばってね」「うん」のやりとりを終え、2階のあっちの部屋に向かった。