Neetel Inside 文芸新都
表紙

会社でお姉さんと仲良くなったのに凹られた
フラグボキボキの買い物イベント!更に決まったスレ主の名前、その名も凹! 2 (09/05/06up)

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 下着の買い物を済ませたらしき鉄火と向井が俺の方へ歩いてくる。
俺はというとフィギュアや馬鹿馬鹿しい玩具などを所狭しと陳列した若年層向けの本屋で、「ガンに打ち勝った芸能人」の様なタイトルの本を読んでいた。
彼女らの顔はニヤニヤしている。よほどいいモノが見つかったのだろう。俺にも見せろよ。

鉄火
「へへ~ん、いいもん見っかったww」

向井
「見たいん?鼻の下伸びてるよww」

むしろ俺にも履かせろよ、着けさせろよ。
そういう一人事を心の中で吐きつつ、表向きは下着などには興味ありませんという顔つきで本を置いた。
そして俺達3人はフードコートへ向かう。

フードコートにで席に着くやいなや、彼女らはよほど腹が減っていたのだろう、荷物番を俺に一任し方々へ食料を調達しに向かった。
向井は席から少し離れたオムライスの店で注文をしている。鉄火はすぐ目の前のうどん屋で並んでいた。
鉄火は『席とここ近いからキミもここおいで』という口振りと手真似で俺を誘う。
俺は貴重品らしき彼女らの鞄のみを小脇に抱え、鉄火の元へ歩いて行った。

並んでいる間、向井が遠くからこちらをチラチラと見ている。早く合流したいのであろう。
そういう所に単独行動の出来ないスイーツな彼女の一面を見る事が出来た。
俺が向井を眺めている間に、鉄火は俺の払うべきうどんとおにぎり代を払ってくれていた。
礼を言おうとすると、横目で笑いかけ、『気にしないでよ』とだけ言い、先に席に戻っていく。
そして俺が席に戻るのと同時に向井も席に戻ってきた。

彼女らは食事のときにもよく喋る。箸を止めて延々と話し続ける。
俺は黙々とうどんとおにぎりを食べる事で、長い間放置され続けた胃袋にたっぷりと奉仕した。
胃袋に奉仕した後は彼女らにも会話でご奉仕だ、住人の助言は無下にしないぜ。
買い物に来ている事のせいか、彼女らの会話のトピックはもっぱらファッションの事で占められていたが、
会話について行けないながらもしっかりと話を聞き、分からないことは


「へえ~それは初耳やわ、もっとkwsk教えて~な~」

などと興味もさほどない癖に興味ある振りをするなど、意外な事に会話の高等テクニックまで駆使し、俺は彼女らとの会話に溶け込んでいくことが出来ていた。

しばらく話をしていたのだが、喉の渇きを覚えた俺はチラチラと給水機を探しているところ、向井が

向井
「ああ、ええよ私丁度立つから」

と言い遠くにある給水機まで水を汲みに言ってくれた。
そんな向井の背中、いや尻を眼で追っていたのだが、途中で鉄火の視線を感じ、彼女の方を見た。
鉄火はニヤニヤしながら俺を見つめている。

鉄火
「いい子でしょ?会社の時と全然違うでしょ。」


「うん、意外やった」

鉄火
「結構気引かれてんじゃない?」


「フフーン、俺はそう簡単にはいかないぜ、おじょうちゃん」

鉄火
「ははっ、誰がおじょうちゃんですかおぼっちゃん」


「いい子やけどね、まあなんだ、俺には勿体無いわなw」

鉄火
「ははっ、何様wwwwww」


「いやははは、何様wwwwww」


>>明らかに向井はワッキーに好意あるな。
>>そして鉄火姉さんは明らかに二人をくっつけようとしてる

>>ここまではいい感じにこれたじゃないか
>>向井√が太くなりはじめたようだが


やがて向井は水の入ったコップを''片手に''持ち、俺達の席に戻ってくる。

向井
「お待ち、感謝して飲んでよー」


「おおう、ありがとー」


フン、たかが水ごときで偉そうだな向井、だがもう朝のような「ああ、おいしそうやね」はもう言うまい。
俺は確実に成長しているのさ。
だがせっかくなのでここで向井にも会話を振ることで俺をアピールしてみることに。
向井の事を知るいい機会にもなる。そう思った俺は口を開いた。


「そういえば向井って彼氏おるん?」

向井
「おらんおらんwいっつもメールしとるんは高校の時の友達やで」


「え、そうなん?んーなん言うて実はあっちに足用、こっちに飯用っておったりしてなww」

向井
「ぎゃはは、スーパービッチやんかそんなん」


「うぇ、うぇへへへへ」


>>>>1はテラ失礼wwwwwwww
>>向井ビッチ知ってんだなwwww


最後の俺の笑い方が気持ち悪かったとは自分でも思ったが、
彼女の顔色から察するにこういう話は嫌いではなさそうだ。
そして俺はタイムリーにも住人の助言をこの瞬間に思い出す。

『あとは鉄火姐or向井が>>1に質問してきたら、
 素直に自分の考えを言ったあと、必ず2人に 平 等 に 聞きなおせよ
 「自分は●●と思うけど向井はどう?」とかなww
 女ってのは妙に平等なことを望むからなぁ
 質問されたからって、質問された相手だけと話してると好感度ダウソだから気をつけて』

そう、今VIPPERの助けと会話スキルを身に付けつつある俺は、パプティマス・シロッコすら凌駕する女性キラーだ。そう、女性と会話すら出来ないヲタクの成り損ないは粛清される運命なのだ!!!
鉄火にもこの質問をする事で彼女の高感度もアップさせるぜ。


「じゃあ鉄火姐は?」

鉄火
「こないだ言ったじゃんwwい な い」

ははは、そうでした、無理やり話振る必要ありませんでした
しかし話に色付けをして大輪の花にするのは男である俺の役目
もう、今の俺に、会話の師匠は必要ないぜ!!!!!!!!!!
次のセリフは『好きな人とかは?居るん?』だぜ


「好きなひ

向井
「でも好きな人おるんやんね、お姉ちゃん」

知 ら ね え え え え よ!!!コンガキャー(鉄火&向井)たばかったな!!
そこから俺の頭はカオスモードに突入する。まさに寝耳に水の青天の霹靂的な阿鼻叫喚だ。
昔、寝耳に水を寝耳に蚯蚓だと思っていて俺にプギャーされた同級生がいたのだが、
かくいう俺も実は蛇足を「じゃそく」だと思っていたなんて事今はそんなことどうでも良くなってしまった。

彼氏?なんだそれ、それなんて都市伝説?
俺は混乱する頭で、とりあえず腹が痛くなった振りをしてトイレに駆け込みスレに書き込みをする。
ちくしょう・・・向井の野郎め・・・とんだスーパー失言を俺に聞かせてくれたな・・・。
というか俺が鉄火と仲が良い事を知った上でそんな事を聞かせて喜んでいるのか?

訳の分からない焦燥感のようなものを振り払うために軽く握っておくか(※1)、とも思ったが
やはり握っておいた。

>>ビッチはどうでもいいから報告のピッチをあげろ

>>握るなwww

>>好きな相手が誰なのか聞いてないなら>>1のような気がしてきた。

>>おいおい、そんなとこでにぎにぎっておまいは寿司職人かよww

>>いや、すし職人じゃあないが鉄火で握りたい

>>↑だれうま




※1 握る・・・何度も言うが>>1の語録の一つ。オナニーのこと

     

 洗面所でぬめりを伴った「あるもの」を流しながら、エアータオルで手を乾かす。
一種の悟りのような感覚が俺を包み込んでいるのは、俺が精神的に成熟しているからか。
はたまた、自慰の所為か。
ゆっくりと鏡の前で旋回しながら自らの身嗜みをチェック。
汚物、精液ともに視認されず。オールグリーンです。

俺は席に戻り会話に再度参加しようとする。
アイハブ コントロール
ああ、俺は冷静さ



「ほいで何やったけ?」

向井
「せやから姉ちゃんの好きな人の話。教えてくれへんねんw」


「ああ・・・・・(話戻すなよテメー)」

鉄火
「て言っても今はどうこう出来るような人じゃないけどね、難しいよ」


「そうなん?鉄火姐なら大抵の男はイチコロなんちゃうん?」

向井
「イ チ コ ロ!!イ  チ  コ  ロ!!って!!」

ああ、そうでしたね。死語は禁物でしたね、ついいつもの独り言の感覚で調子を合わせようとしてしまった自分を戒めつつ、俺はこれ以上知りたくもない鉄火の思い人の話からトピックをずらそうと試みた。
すると鉄火がおもむろに口を開いた。

鉄火
「まあ、時間をかけてじっくりタイプだからね、私は。それに今忙しいし仕事楽しいからね。」


オーケー、GJだ鉄火、見事なまでの軌道修正、感服するよ。オプーナを買う権利をや・・・

鉄火
「てか>>1は?好きな人いるの?」


俺の脳内で極めて重い歯車が重い機械音と共に駆動を始める。
歯車の名は「恋に至るまでのかけひき」
さて、如何にしてこやつら二匹を同時に納得させつつ、お互いに好印象を与えることの出来る言葉を生もうか。
だがしかし俺の思惑を超えたところに「思いつき」という言葉の悪戯が存在し、
「言うとどうなるか」という事を考えもせず、ありえない返答を俺は口から発する。


「無理無理、姉ちゃん達じゃ俺のハートは奪えないぜ」

何言ってんの俺、まるで回答になってない。
中途半端なギャグだか本気だか分からんようなサムい返事、しかも標準語。俺関西人。
なんでこんなこと言ったのかまるで不明、結局フラグが立ったとか言われまくって
勝手に脳内妄想が暴走し、
彼女らが俺のことを好きだという前提で会話をまとめようとしたのが全ての間違い。
ダメだ・・・・今のは寒すぎる・・・・。

あまりの気恥ずかしさに下を向いていた俺だが、そろそろと彼女らの顔を見上げると
二人とも俺をあえて横目で見ながらニヤニヤしている。


鉄火
「それは、笑えないし会話としてどうなのよwwwwww」

向井は向井で掌を口に当て

向井
「www滑りすぎwwwwww」

神様、こんな俺をこの世に送り出した事自体は激しく恨みますが、
このような寛大で優しさあふれるリアクションをしてくれる二人を俺に与えてくれて有難う御座います。
どうか、このお優しいお二人に俺のお握り汁を与えてやって下さい。


>>詳しい状況はわからないが最悪の返事ではないと思うww

>>まあ、馬鹿ということを気にしなければありだな。
>>というか、鉄火はビニ子のことを知っててこういう質問をするのか?

>>だよなww昨日の今日でさすがに好きな子いるかはないだろwwwwww

彼女らの温かいリアクションのおかげで俺は、まあ、いいかwという気持ちになり、
今の寒い返事のおかげで好きな子についてはもう聞かれる事も無いだろうと思っていたのだが、どうやら俺はまだまだ甘いらしい。鉄火の猛攻は続く。

鉄火
「で、どうなのよ、ウリw」

向井
「おしえてーなー」

こ・・・・このツートップはなんという攻撃力を誇っているのか。
この二匹を同時に会話で相手するのはゴールドルナフル装備でキリンに挑むようなものなんじゃないのか。
ちくしょう・・・どうにかこれで納得してくれ。


「居ない、以上、俺の話終わり」


二人は顔を見合わせる。なんだいおまいら、スレで住人が言っていた通り二人して共謀でもして俺をハメようとしているのか?
俺はおまいらを実際問題としてハメたいけどハメられたくは無い。断じて。
すると鉄火が俺を指差しながら少し笑いを込めた物言いで俺に迫る。


鉄火
「うっそっつけーい!!ボコ、あんたこないだコンビニで姉ちゃん口説いたじゃん!」

向井も続く

向井
「それ私も聞いたでー、 >>1、ネクラちゃうやん!!」

なんでそんな事、向井に話すんだよ鉄火よ。
後に帰りの車で鉄火はその理由について語ってくれたのだが、
その時は恨みにも似た感情で、彼女を責め立てたい気持ちになっていた。

だが、そんな失恋街道真っ只中な俺を、二人はそれ以上笑わず、
逆に慰め、温かく包んでくれた。
それで非常に救われた気分になり、俺は落ち着きを取り戻した。

その後も会話をエンジョイしながらなんとか平静を取り戻した俺、
そして話は音楽の話へ。本日最大の地雷が俺を襲う。
自分で仕掛けた地雷だが。

     

 会話が音楽の話に移行して行き、俺はしばしトーンダウン。
なにせ好きな音楽なんてTOA好きが高じてバンプが好きになった程度のもので
あとは映画音楽くらいにしか興味がないというくらいだったからだ。

しかし、会話をなんとかしなければ・・・という気持ちが俺を急き立て、
俺の口は、鉄火と俺の二人で内緒にしておくべきだった事を口にした。




「あ、そういや鉄火、昨日夜遅くに持ってきてくれたCD、アレいいで
 結構聞きほれた、あと鍋も今度は洗って返すから」




正直言葉を発するまでは

「ぶっちゃけあんまCD聞いてないけどコレでCDちゃあんと聞いてるおwww
 鉄火の心も今の台詞でしっかりフォローwww俺天才www」

位の勢いで脳内では円錐型クラッカーが鳴り響いていたのだが、
鉄火、向井、双方の顔色が変わった時ですら、その時は何がいけなかったのかが
まるで俺には分からなかったのだ。

>>あ~あwwwww

>>バカスw

>>いきなりカオスだな。

>>鉄火→あ~あ・・・バカ。。。
   向井→嫉妬
   ってとこか?ww

>>wwwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>\(^o^)/

>>/(^o^)\ナンテコッタイ


向井
「え、姉ちゃんボコの家いったんや?」

鉄火
「うんー行ったww汚い部屋だったけどー・・・」

向井
「私も呼んでくれたら行ったのにー」

鉄火
「ははは、夜遅かったしww・・・・」

向井
「鍋って、何?(笑顔)」

鉄火
「うん・・・作りすぎたんでね、持ってったw・・・・・・・」


向井の緊迫した顔がLVうpしていた。
ははーん、そうか向井、

つまり こういう ことだな

俺ビジョン
「要は向井は仲間はずれが嫌だったと、
 なのに仲良しの鉄火がぶっさいくな俺とこにいって遊んだだなんて・・・!!!
 私は遊びだったの?鉄火姉さま~私だけを見て~、とでも言いたいのか?」

・・・・・だとしたら女って分からん。なぜ穴を持ち合わせていながら穴を求めるのだ。
刀だって鞘に収めておかなければ錆びてしまうんだぞ?
いや俺の刀の場合錆どころか白濁した固着物な訳だが。

そんなことはどうでもいい。
とにかく帰りの車で鉄火に説明を受けるまでは、
俺は向井がレズで鉄火に惚れていて
男性諸君がほぞを噛むようなワンダーランドを構築しつつあるので
俺に焼きもちを焼いているのだという脳内妄想を疑うことは無かった。


>>どこまであほなんだよwwwwwwwwww

>>wwwwねえよwwww

>>素敵なレズビアーんなワンダーランド→ねえよwwwww

>>これは向井フラグきたー?

>>あんた天才だよwwwwww

>>おまえよく鈍感って言われね?ww

>>これはひどいwwwwwwww

>>なぜスレ主にはこうもフラグが…

>>鈍感すぎだわwwwwwwwwwwwwwwww

>>wktk

>>明らかに状況理解してねぇだろw

>>せっかく鉄火が翌日会うのにわざわざCDをポストに入れたのか、
>>>>1は分からんのか・・・ww

>>はっきり分かったことは向井は>>1に気があるよ。
>>仲間はずれが~とかとんだ的外れww

>>これはいつの日か鉄火と向井がボッキーをめぐって仲違いし
>>二人の女の間を揺れ動く>>1の姿が目に見えるwwwwwwww

>>ところで>>1は向井にはやっぱ萌えないのか?
>>相手はこんだけ一生懸命フラグ立ててるのにほとんど折っちゃってる。


そう言うな住人さまがた、俺は何しろ会話能力においては超が付くほどの若葉マーカー
君達の期待するような展開には持っていけないのがデフォルトなのさ。
「期待を裏切ることなく、期待を裏切る」のが俺のポリシー

俺はガンバレルを乗りこなすようなキザな男ではないが、
ある意味「不可能を可能にする男」なのだから









     

 むくれた顔の鉄火を見ていて何故?どうして?という気持ちの俺をよそに
鉄火は向井をなだめるようにして話しかける。


鉄火
「じゃ、じゃあさ、今度みんなで>>1の家で遊ぼうぜ」


俺も意味は相変わらず分からないものの、
策士鉄火に会話の流れを委ねる事で事態の収拾を図る。



「そ、それはいい」

向井
「私も行っていいん?」


俺の横に座った鉄火が親指で「行け!相槌打て!」という急いた仕草をする。



「おぉ~うwききき来たらええよw汚いけどwなwwwwwwwwwwwww鉄火w」


鉄火を見るとまたも目を細め「あ~・・・・」という目をしている。なんだよヲイ・・・。
とにかく向井はそのやり取りで機嫌を直し、事なきを得ては、いないだろうなこの場合。


>>フラグ全部へし折るのか?ww

>>すげぇ>>1すげぇwwwww
>>主人公の性格までエロゲだ

>>なんでそんなに機織まくってんだ 馬鹿すぐるぞ

そしてフードコートから見える景色もかなり暗くなり始めた頃
「もう帰ろうぜお嬢ちゃん方」と帰宅希望をアピール
彼女らもいい加減疲れていたのだろう、「オー!イェスアイドゥー!!」と言いかねないほどの即答振りであった。

帰りの車に乗ると、後部座席の向井はすぐに永眠した。よほど疲れていたのだろう。
向井が寝た事で横に座った鉄火もあまり話せなくなってしまったのだろう。彼女もその後すぐに永眠されてしまった。

さて、どちらから送っていってやろうか。
考えるまでも無い、向井だ。
先に鉄火を家に送ったりし、向井と二人っきりになってしまうと向井に
「姉さんを取らないで!このオタク!」
などという言葉と共にナイフで刺されでもしたら、挿してないのに刺されちゃった童貞として、2chでも世間でも物笑いの種にされてしまう。
それは冗談としても、向井に何か突っ込んで聞かれたりしたら上手く避ける自信が無いので向井を送るとしようか。

地元に帰ってくるまではFMも電波が悪かったので音楽もかけずに時間を過ごし、運転を続ける。
コレこそが孤男クオリティ、静かなのには慣れてる。
俺は孤独には慣れているのさ。

やがて車は向井の家の前に到着
鉄火には声をかけずに向井を起こす。非常に眠そうな彼女に鞄を手渡す俺。


「気ぃつけてな」

向井
「家、これですからww」


「あー、今度また二人で家にきたらええで」

向井
「うん、行くわwwほな暗いから気つけて」


「おう、またなー」

玄関に入っていく向井。彼女が入ってすぐ、門灯が点灯する。
両親は外出中か?門灯もつけないでこんな時間に。
そんなことを考えながら、今日の向井の不機嫌事件のこともあったので、
俺は足早に彼女の家を後にした。

     

 さて、次は鉄火だな。俺はもう迷わないぜ(道に)
出発して一つ目の信号に捕まり、軽く息を吐く。非常に疲れたよパトラッシュ
そう思いながらも本日の功労賞受賞者である鉄火の顔を覗き込もうとしたところ
彼女の顔が運転席と助手席の間にまで起きてきており、俺は驚きに首を反らせた。


「うわ、ごめん」

鉄火
「いひ、起きたぞ。運転おつ。」

信号を見るとまだ赤なので、もう一度彼女の方を見ようと後ろを振り返った。
目の前にはタートルネック越しの鉄火のチョモランマが迫ってきていた。

なぜ、このようなところに鉄火の胸が・・・
どうやら鉄火は助手席に来ようとしているようだ。彼女の長い左足が前シートの間から伸びて来ている事に俺は気付いていなかった。
だが、彼女の右足が前シートまで持ってこれないのか、あたふたしている。
自然、彼女のチョモランマは俺の目の前でほるほると弾むという寸法だ。
駄目だ、記憶が新鮮なうちに握りたい
しかし出来ない、なぜなら俺は良識ある男だからだ。


>>良識ある男は女の子との買い物中に便所で握らねぇよwwwwww

>>握ってことがばれてたらワロスwwwwwwwwwwww

助手席にようやく座った鉄火は俺に話しかける

鉄火
「>>1、ホント馬鹿だねー」


「なんだと、いや、なんですと」

鉄火
「なんであんなことまで話しちゃうの、馬鹿だねー」


「あああ、向井ですよねー、やっぱまずかった?」

鉄火
「馬鹿だよ、馬鹿、せっかく向井があんたのことよく知りたいってから
 お 膳 立 て し て や っ て ん の に 」


あああああああれれっれれれれ?はい?


>>いっぺん死んで女をベンキョウしてこいwwwwwwww

>>薄々感付いていたが…まさかの向井フラグ

>>なんか鉄火姉さんも>>1に少し気があるようにも見えるが・・

彼女の補足説明はこうだ

・向井は俺が気になるらしいけどあまりに無愛想で面白みがなさそう
・鉄火はktkr!社内恋愛フラグ!てなことで持ち前の手腕を発揮して一気にセッティング
・勿論リサーチという意味で俺の家に来た、やさしくしたのもそのため
・俺のビニ子失恋話を向井にあらかじめ話していたのも、もし好きな人いるか、
 とカマかけてみて
 居るよ→つまり俺の眼中に向井は居ない、向井残念だけど>>1はあきらめなよ
 居ねーよ→隠してるよ!!つまり向井√意識してんじゃね?いけんじゃね?
 という事

俺はそこで向井&鉄火のレズビアンワールドについて説明したが速攻で却下された。

鉄火
「向井は>>1のことが好きになりそうなのかも知れないのに
 あたしがあんたの家に行ってたらどんな気分なのよ?」


「鉄火羨ましいとかでしょ」

鉄火
「近いけど・・んーーーーーー・・・ちょっと違うよ>>1
 あんたやっぱり馬鹿正直ってか・・・・
 KYってか・・・嫌いじゃないけどねwwww馬鹿だねww
 せっかく「居ない」で向井盛り上がってたかもしれないのに
 私と遊んでたなんて聞いたら恋には発展しないっしょお」

俺はそこでようやく落ち込んだ。
いやおちこんだとかそういうレベルではなく、おちんこでる程の落ち込みよう
VIPPER期待を裏切ることなく期待を裏切ったという点でだけ俺はGJなのか。


>>戦況は悪化しておる……
>>戦況は……悪化しておる……

>>まあとりあえず>>1の今日のズリネタは
>>網膜に焼き付けた鉄火姉のオパーイしかないなwwwwww

>>向井フラグの芽が見えたんだから、
>>結果オーライかどうかはこれからの>>1次第かね?

>>向井は、まぁ仲良くなれば付き合えるだろうな。
>>でも、鉄火とも付き合えるんじゃないかと俺は思った。大変だろうけど
>>とりあえず>>1ざまぁぁぁああぁあwwwwwwwwm9(^д^)

>>なぜかだんだん>>1に殺意が・・・・

>>鉄火姉√と向井√の分岐だな
>>ところでこのエロゲどこで買えるの?

>>ここは玉砕覚悟で最難関の鉄火ルートに進んで欲しいところだが

>>でも鉄火、事前に言ってくれてもいいような

>>事前に言わない→向井、>>1に興味無くなる→鉄火「じゃあ、私が頂いちゃう><」
>>全ては鉄火のいんry

>>言えばgdgd
>>言わなきゃフラグボキボキ
>>どっちにしても駄目かww

>>鉄火姉の好きな人「今はどうこうできる人じゃない、難しいよ」
>>ってのに>>1がよく当てはまる件について
>>家に行った事を必死に向井のためと言うのが言い訳にしか見えない件について
>>鉄火姉が痴漢男の関西にしか見えない件について

>>>>1、リアルもここでも滑りまくりワロスwwwwwwwwwwww

>>鉄火姉さんはもしかして、向井が>>1の事が気になるって聞いたせいで
>>>>1から身をひいちゃった可能性もあるな。姉御肌なだけに

話しているうち車はに鉄火の家に到着
車を降りて見送ろうとしたが彼女の猛攻は止まらない


鉄火
「アンタが駐車場近くのトイレ行ってる間、向井が
 『あれはKYすぎるよ姉ちゃん』っていってたよ
 そこまで言わせるかww」


「いやー、そのー
そんな感じで家の前でしばらく話してたらなぜか」

鉄火
「寒いしあがってきなよ、説教してやるから」


あがってきなよ
あ が っ て き な よ 
あ  が  っ  て  き  な  よ 

俺の耳の奥で彼女の声がリフレインする
更に鉄火が続ける

鉄火
「お茶くらい出すからww泣いて帰れwwwww」

高鳴る心臓の音が彼女に聞こえるんじゃないか、と思うほど俺は動揺した。
だがしかし、いくら童貞とはいえ、未婚女性の家にいきなり侵入するってのはやはり良心が咎めると言うもの、俺は丁重にその申し出を断る。



「いや、今日は疲れてるから帰るわ」

鉄火
「そう?じゃあ私家入るよん、寒いから」


「うん・・・」

鉄火は紙袋を探りながら俺の方に歩み寄ってくる。
彼女はビニール袋に入れられたチノパンを俺に手渡し、笑いかけてきた。
あれまー、高そうなデザイン

鉄火
「今日は半分無理やりで悪かったwwこれお礼だよ、ラッピングは要らないっしょ
 大事に履きなよ、そのためにサイズ見たんだから」


「ありがとーめッちゃ嬉しい」

鉄火
「いひひ・・ふふーん」


「ん?」

鉄火
「ほんと面白いわアンタwwこれぞ予想外ですww」

歯を見せて俺に笑いかける鉄火
俺も引きつった笑いで彼女に応える。


「じゃあ、今日は楽しかったわ、勉強になりました」

鉄火
「うーん、まあ次があればww
 もう次からは二人で会わないほうがいいかもだねー」


「(ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー)そーやねー」

鉄火
「じゃあまたねーチノパン仕事で履くなよー、
 向井には好きな人に渡すって言ってんだからさ」


「それ、俺?」

鉄火
「どういううぬぼれ?」


「うえへへへへへ、じゃあまた。」

鉄火
「はいーきをつけてー」

最後の会話がジョークと探りを入り混じらせた言葉だったのは個人的にはGJだった。
手をいつものごとくヒラヒラさせて俺を見送る彼女の顔は、説教しようとしていたのが嘘のような笑顔だった。
俺は正直楽しかった。こういうのは悪くない。失言さえなければ。
こっち側の世界って眩しいけど、居心地は良いものなのかもしれない。
そういう気持ちになりながら俺はアクセルを踏み、車を出発させた。






     

家に帰り本日のイベントを住人に報告すると、相当数の批判、プギャーレスが帰ってきた。

>>今ならボッキーを迷いなく殴れるぞ俺はww

>>まあとりあえず鉄火で抜いて、頭がさえてきてから考えようぜ。

>>kneg?

>>救いようがないなwwwwww

>>そのチノパンが後々向井が遊びに来たときに地雷になることは間違いないな

>>これでも向井ではなく鉄火と付き合うことになると
>>会社じゃ公にできんよなぁ・・・
>>告白されたわけじゃないが向井の気持ちにを断った
>>ってことになるわけだしー

>>なんで鉄火がチノパンを>>1にプレゼントしてくれたかをよく考えた方がいいぞ。

>>不器用というかなんというか・・

>>で、スレ主の名前は何にするよ

ああ、そうか。俺のコテもそろそろ決めてもらわないといけない。
フラグ折りまくるからそんな感じのコテを、と公募はしていたものの、
コテ案として書きこまれていたのは
ワッキーに似ているからヘタレワッキーとか、
TIGにゲロ吐かされたからげろしゃぶなどと、いまいち愛らしさに書ける名前だった。
訳が分からないのにいたっては「シメサバ」などという名前もあった。
全く・・君達のネーミングセンスには辟易だぜ。

>>じゃスレタイからとって凹男

お・・・なんかいいんじゃないのか。俺は気に入ったかもしれない。

>>ボッキーは?

>>ボッキーいいな。
>>姉さんからは坊や扱いだし、TIGに凹られフラグもボキボキ折まくりる。んでワッキーっぽいし(←ここ重要)

じゃ住人さまがたこういうのはどうだ?
TIGに凹られたワッキーみたいな俺が毎晩勃起したイチモツを握りながら寝るし
更にはフラグもボキボキ折りまくるから

凹ッキーってのはどうだ

>>なんて自虐的なwwwww


その後、呼びやすい書きやすいという理由でいつの間にか改変され、
俺のコテは遂に決定した。

さて住人さまがた、これからも俺様の踊りっぷりを楽しんでくれ。
俺か?

俺の名は凹。

君達のモニターの向こうで不可能を可能にしていく男さ。

       

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