Neetel Inside ニートノベル
表紙

突然ですが、世界を救って下さい。
あとがき

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 というわけで、あー、えー……こんにちは、六月十七日です。
「せっかくの貴重な自己主張場だし、ここは一つピリッとスパイスの利いた第一声がいいだろうなぁ」とか思いつつも何も面白いことが浮かばず、結局普通に挨拶をしてしまう辺り、筆者の物書きとしての非凡さが露骨に表れた一場面でしたが、それはともかく。
 このたびは、「突然ですが、世界を救って下さい。」を最後までご覧頂き、誠にありがとうございました。皆様のお暇潰し程度のお役に立てたなら、それが筆者にとって一番の幸いです。
「とりあえずあとがきから先に……」な方、こんなどうでもいいあとがきなんか読んでる場合じゃないです、すぐに本編を読んでください。読んでいただけたら、今なら期間限定で筆者の熱烈なでぃーぷチッスが特典としてついて……きません。どこにそんなニーズがあるんですか。


 さて、当該作品「突然ですが、世界を救って下さい。」ですが、今作のテーマは『割と小さなことだよ、それ』です。
 近年我々を取り巻いている様々な不安要素や、今の皆様が心に燻らせておられる悩み事。過去に体験したトラウマレベルの事件や、もしか前世まで遡ってしまうほどのトンデモ展開。
 そのようなそれら一切合切、実は紐解いてみたら割と些細なことに過ぎないんじゃね? っていう気持ちをど真ん中ストレートで投げ込んだのが今作です。シンカーとかフォークとか、そういう難しいのは投げられないので。
 自論ですが、我々は常々、遭遇した事態をいちいち大きく捉え、課題に解釈し、無駄に緊張して、そうして思うようにいかなくなってしまうのではないでしょうか。そして後から思い返し、後悔することが多いのではないでしょうか。少なくとも筆者はそうです。
 そして、いざその事態が過ぎ去り数ヶ月、数年。
 当時はストリーミング再生で体験していたその事象の、後からダウンロード再生してみた時、それは何と矮小なる問題であったことか。
 思わず過去の自分に、「そんな緊張しなくてもいいよ(笑)」と新人アルバイト君をリラックスさせる中堅正社員の如く声をかけてやりたい衝動に駆られてしまいます。でも、そんなことは出来ませんよね。だって、それらは既に過去であり、過去は捻じ曲げられないのですから。
──だったら、最初から「万象すべからず小さなこと」ってわかっていればいいじゃない。
 その衝動に駆られ、ついうっかり筆……もとい、キーボードを叩いていたのが、この作品でした。むしゃくしゃしてやった。作品になれば何でも良かった。今でも後悔はしていない。
 で、ぶっちゃけ、この作品が始まろうが終わろうが、それもまた「小さなこと」に過ぎないと筆者は考えています。
 どこの馬の骨かも知れぬ人間が書いた自己満足文章が始まり、終わっただけの話に過ぎません。というか今、このあとがきを書いている時点で、伊瀬カツラ先生の新連載「冥土Haaaan!!!」が始まっているんです。こんな実もフタもないあとがきなんか書いてる場合読んでる場合じゃありません。さっさと終わらせて、早く読み耽りたいものです。
 ねっ? ほら、こんなに小さなことです。
 ところがどっこい、こうしてすべてが終わってから読み返してみると、色々と破綻している部分や根本からしておかしい部分などが、宛ら排水口に詰まった抜け毛の如く取り除いても取り除いてもあふれ出てきます。小さなことでも、積もり積もれば大きいことになるんだよ、という例の一つにもなってしまいました。……お粗末。
 そして、もう一つ。
 読者の皆様にとってはどうでもよく、筆者にとってはかなり重要なテーマが、この作品にはあります。
「弔い」です。
 様々な事情の結果、よく言えば無期休載、悪く言えば「投げ」になってしまった、文藝新都掲載過去作品「今日から家族」への弔いの意が、この作品には込められております。最後まで全うさせてやることが出来なかった「今日から家族」を、何か一つの作品をやり遂げることで弔ってやりたいという気持ちが前提であり、そして全てでもありました。
 結果として、こうして無事最後までやり遂げられた(と、筆者は考えている)のですが、ちゃんと成仏してくれたのでしょうか。冥福を祈って止みません。

 作品の構成について。
 今回、魔法チックなものや分岐世界チックなものが結構出てきたのですが、これには実は深い意味はありません。筆者自身がここ最近「セカイ系」なる言葉を知ったので、多分その影響がモロに出てしまった結果だと思います。嘘みたいだろ、プロットに書いてないんだぜ、この設定……。
 次に、主な登場人物の外見的な描写がないことについてですが……すみません、これは完全に筆者のミスです。気づいた時には既に手遅れになってて、にっちもさっちもいかなくなっておりました。手前勝手ではありますが、皆様のそのみなぎる想像力にお任せしたい次第……。ああ、そうさ! 気の済むまで罵倒すればいいよっ!!
 延岡都と梔子高千穂の関係性ついては、概ね書きたいものが書けたんじゃないかなぁと思います。
 ボーイ・ミーツ・ガールの要素は入れたいと思いつつ、でも普通のだったらちょっとつまらないなぁと考え、その結果、ある程度のことは知りすぎてる程知っているのに、肝心なところを全く理解しあえていないというヘンテコな関係なんか面白いなぁと思って誕生したのがこの二人です。皆様から頂いたコメントの中に、「夫婦以上、恋人未満」という言葉があったのですが、まさにその通りです。このコメントを書いた貴方、作者よりもこの二人を的確に理解しててどうするんですか。でぃーぷチッスしていいですか。駄目ですかそうですか。
 ポポロカやハユマ含む、異世界住民やその構成は……正直、詰めが甘かったと言わざるをえないのが正直なところです。
 何てったって、違う国とか違う星とかそういうレベルじゃなく、違う「世界」なので、根本を捨てて、自分の頭の中で、その世界の歴史をアウストラロピテクス時代まで掘り下げる必要がありました。
 とはいえ、かなり衝動的に始めてしまったので、やはりそこには詰めの甘さが滲み出てしまっていたと思います。これを機に、少しは落ち着いて事に及ぶクセをつけようかと密かに画策してみたり。

 次回作について。
 明確なプロットを書いたわけでもなく、ましてや種書きすら半端な状態で終わっている現状なのですが、次回の機会があれば、二次創作に挑戦してみようかと考えております。
 今回の作品は、完全に0の状態からベコバコとキーを叩く状態だったので、要所要所で、必要な知識すら与えられていなかった読者の皆様をさぞかし困惑させてしまったと思います。それについては、本当に申し訳ありませんでした。
 ですので次回は、ある程度世界が完成されている作品の一つをパク……もといリスペクトし、皆様と筆者の中で、一つの情報が共有されている状態から始めてみようかな、と。そうすれば読者の皆様も、おそらく余計な取っ掛かりなどない状態で読み始めることが出来ると思われるので。……筆者の文章力ですかね、ネックがあるとすれば。そこは今後改善することで解決するとして。
 とりあえずなのですが、今は待ちに徹しようかな、と。そもそも筆者自身、まだまだ新都社のルールがしっかり全て理解出来ているとは言い難い状況なので、新都社で二次創作作品の掲載が許可されているのか否かをミッチリムッチリ調べ上げてから、そこから本格的にガチムチ書いていこうかなぁ。


 最後に。
 この作品を執筆するにあたり指南を請け負っていただいたO氏とS氏(本当、御自身の企画もあるのに申し訳ない……)。偶然他所で出会って以来、何かと作品について語り合った「トラトラトラ」筆者網駄目歩先生。度々コンビニ弁当とリゲインを買ってきては試読をし、遠慮のない「感想」という名の罵詈雑言をくれやがったS氏とN氏。
 そして何より、最後までお付き合い頂けた読者の皆様。
 以上の方々に、最大限の感謝を。
 このたびは、誠にありがとうございました。


 これで終わったと思うなよ! 今よりもっと上手くなって、必ずまた貴様らの前に現れてやるからな! その時が、貴様ら(主に腹筋、並びに涙腺)の最後だ! せいぜい「通勤の合間の暇つぶしに」とか言って電車の中で読み、気がついたら降りる駅を過ぎてしまって往復する羽目になったとか何かもうそういう目に遭うがいい!





   二〇〇九年 二月 十八日 
   氏名:六月十七日

       

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