エル博士は若いころからタイムマシンの研究をしていた。そして苦難の末やっと
タイムマシンは完成した。博士が一番行きたいのは数百年後の未来だった。なぜ
なら博士は人類の未来が心配だったからだ。人類が抱えているさまざまな問題。
果たしてそれを解決できるのか。それができずに滅亡してしまうのか。博士は
それを見たかった。
博士はタイムマシン装置を腕につけた。しかし不安だった。なぜなら完成した
といってもあくまで理論上で実際にやるのはこれが初めてだったからだ。さらに
荒廃した人類の未来を見るのが怖かったのだ。そのため博士は目をつぶり未来に
行くのをじっと待った。
何の痛みもないのでどうやら無事未来に着いたようだが博士は目を開けるのが
怖かった。恐る恐る目を開けると目の前に広がっていたのは木々。遠くのほうには
男の人もいた。さらにその遠くには大都会が広がっていた。どうやら人類は順調に
文明を発展させているようだった。それに適度に自然もある。博士はこの時代の
人間に話しかけたくなった。しかしそれによってどんな影響が出るか分からない。
変な人に思われるかもしれない。何せ博士の格好と遠くに見えた男の格好は全く違った。
しかし博士は勇気をもってその人に近づき話しかけた。
「私はここにはじめてきたんですがいいところですな。昔は未来はひどいことに
なるとかいわれていたが全然そんなことはなかったですね」
するとその男はこう答えた。
「そうですね。昔は暴虐な人間達がいましたからね。われわれロボットの
ために一掃してよかった。」