Neetel Inside ニートノベル
表紙

Nightmare
7話-赤の世界

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その程度か・・・・
なんと情けない。

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怠惰・・・
それが俺に与えられた"罪"
強力な"力"の反動うけた"罰"
##

++
「霧徒。この先は俺はいけねぇ」
鑑・・・
この"封魔結界(オンリーフィールド)"の主役が俺ってことだろ?
どういうことだ?
「なぜ、俺なんかを招くんだ?」
俺にはわからなかった、
「そりゃ、お前は"向こう"から来たのに
 "力"が使える
 それだけで俺からみりゃ恐怖の対象にならなくもないな。」
と。肩をすくめた。冗談らしいが。
仕方がない。
「唯可、ついてきてくれるか?」
そこは命令でもでているのか
「お供します」
即答だった、
そして俺達は
深い深い赤の中に
一歩踏み入れた。
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**
クソッ!
まだかっ!
**

++
此処は・・・・
見たこともない世界が広がっていた。
元の風景を知らないが
決してこんな場所ではなかっただろう。
「えぇ。こんなはずではありません」
唯可が答えてくれた。
赤の世界は
何処よりも赤く。
彼等が作り出した偶像に満ち溢れていた。
天井はなく。
空もなく。
上空はただの赤。
目の前には塔が建っていた。
地下だったはずなのでありえない光景だ。
「この場所・・・
 仮に"赤の世界(レッドフィールド)"とでもしましょうか。
 この世界は"結界(フィールド)"の中ですので、
 "結界"の創造主の想像通りの世界になります。
 たとえ、"ありえない"ものでも"ありえる"世界です。
 ただ、条件はあるので"ありえない力"は使えません。
 場所がありえないだけで、他は今までと同じです」
さらに。
「集団組織の場合同じ見た目の"結界"を使う傾向にあります」
と。
つまりこの"赤の世界"は敵の証明ってことか。
「ですね」
いやなもんだ。
ただ、このまま引き下がれないのだから行くしかない。
先ほど通った場所は今はもうただの赤い闇。
さて、敵は何処だろう。
「唯可、"力"を使ってもいいのか?」
唯可はなぜそんなことを聞いてきたのかわからなかったらしい。
「なぜです?」
そこで
「"力"を使って場所を特定しようとするが。
 逆に特定される可能性は捨てきれない。
 要するに本格的に戦闘開始になる、
 それで、準備はいいのか?と」
唯可は軽く笑って。
「もちろん。そのつもりでいままでついてきてます。
 とっとと始めてとっととおわらせます」
頼りになる。
慣れているのだろうか。
「今回は倒すつもりで行くので。
 "捕獲"ではなく"討伐"です」
要するに前回のは手加減有りだったのか。
なるほど。
「何より早く帰って風呂にでも入りたいのです」
・・・
と、そのときだった。

おれは"力"を使うまでもなかった、
この世界に存在するただ一人が俺に向かって
言の葉を放った
++

##
「ようこそ。僕の世界へ」
##

+
鑑は待っていた。
帰ってもいいと霧徒には言われたのだが、
「なんだかなぁ、此処で帰るのもなぁ~」
境界線の横に座りこみ
考えてみた。
結界というのは解けないわけではない。ただ。
「1時間・・・ってことか」
それはあくまで鑑にとっての必要な時間。
他のすごいやつは瞬時に解くかもしれない。
「だれかこないかな」
呼ばれて飛び出て~とかな。
「呼ばれて飛び出たんだがなにか?」
返事が来てしまった。
「うぉっ!」
そりゃおどろいたさ、
背後に人が立っていた。
完全に腰がぬけた。
「お前が鑑・・・だな」
俺はコクコクと頷いた。
「私は"石川"。
 一応助っ人だ。
 此処の結界を解きたいのだろう?」
いつどこからきたのだろうか。こいつ。石川?
確か・・・
「まぁまぁ、決して上からではないぞ?」
よく見ると天井・・・
いや。性格には地上のコンクリートに
大きな穴が空いていた
「こりゃ怒られるかな。はっは!」
なんという荒さ・・・
「5分。
 5分耐えしのいでくれれば私達も加勢しにいくぞ」
おいおい。
俺の12倍は強いのかこいつ・・・
「12倍なんてとんでもない」
まったく謙遜しちゃって。
「120倍だ」
こいつ
いつかぶっ飛ばしてやる。
「さ、始めるぞ!」
俺も協力するんだろうなぁー
はぁー。
+

++
いきなり襲い掛かってきた。
敵として見てはいたものの意外だった。
くっ!
状況は芳しくなかった。
なにせ奇襲されたようなもんだ。
赤いスーツ。といっても会社できるスーツではなく。
戦闘服向きのスーツ。
それを着込んだやつが相手だ。
高いところから飛び掛っての攻撃。
拳には炎。
腕にはなんの略か"PDP"とか書かれていた。
俺達は2人だ。何とかなると思っていた。
相手は多数を相手にするのになれているようで。
広範囲に
「はぁっ!」
炎の雨を降らしてた。
あれ、唯可いない・・・
何処いったんだ!
こうなったら!
フォンとの音がしたと思えば
きちんと"想像"したシールドが張られていた
「"防護壁(シールド)"とは小癪な!」
残念ながらただのシールドではないんだなー
これが。
「んなッ!?」
さすがに予想外だろう?
"力"を使えないと思っていた相手に、
"力"をそのまま返されるなんて。
「"反射防壁(リフレクト)"だと!」
「やりますねぇ」
あれ。唯可いままで何処に居たんだ?
「彼の炎のさらに上ですよ」
なんとまぁ。そんな手が・・・
「全く。手間がかかりそうなやつらだ。
 本気で行かせてもらうよ」
彼は自分の体に炎をまとった。
あれ?俺、氷で攻撃してなかったっけ?今まで?
通用しないじゃないか・・・
「はぁぁぁっ!」
彼の火は大きくなり
やがて火柱となった。
「はっ!」
その火柱から触手がでてきた。
炎の。だ。
「まてまてまて!それはあんまりじゃないか!
 奇襲の上にこんな!ありかっ!」
俺のリフレクトはあっさり破られた。
相手の炎が勝ったのだ。
くっ!
左へ跳躍。
が、
「ふふんっ」
触手は俺の周りを取り囲んでしまった。
「くそっ!」
まてよ、あいつは炎を纏っていた。
なら・・・俺は・・・
「む・・・っ!」
周りに水分はたっぷりとある。
地下はじめじめしているからな。
地下街だった気がしないでもない。
相手のフィールドだった気がしないでもない。
だが。水はある。
その水分を氷に変え
鎧にしてみる
「"甲冑氷壁(アイスメイル)"!!!!!」
成功、だろう、
長くもちそうにはない。
って、もう解け始めてる
殆ど意味がない。
「ふはっ!お馬鹿だなぁ!僕ならそうはしないな!」
でも待てよ・・・
まさか・・・
++

##
「そろそろいいステーキになったかな?はは!」
僕は片手で女性の相手をしていた、
もう片方はさっきの彼をこんがりと焼いているはずだ!
ははっ!これで昇進できるってもんだ!
「く・・・霧徒ッ!霧徒ッ!」
必死に助けようとしても無駄さ!
炎の壁は
想像を超える温度なのさ!
「もう消し炭になってるんじゃないかっ!?はっは!」
「なんかいいましたか・・・?」
気がつけば女性の方じゃ大変なことが起きていた。
「・・・僕の炎を破っただと?」
片方の腕が消えていた。
なぜだ?ありえない!
「何で!何でだ!」
すると
ありえない方向から声がした。
「私はちょっとばかし火が嫌いでね。
 煙草も吸わないのだよ?」
「助かりましたよ。"石川"」
救援とは・・・
予想外だ。
まぁいい。
予定どうり少年は黒こげだ。
「それはどうかな?」
なぜだろう。
ありえないはずなのに
ありえる気がして。
「ははっ!いいお湯だなっ!
 ちょっと温かったかなッ!」
彼はそこにいた。
標的(ターゲット)だった霧徒は
平然とした顔でたっていた。
「"異世界人"なめんなよ!?」
糞!
ありえない!
##

++
霧徒は正直なところ
安心していた。
炎から抜け出せたのは半分奇跡だとおもう。
"甲冑氷壁(アイスメイル)"はそれだけでは抜けられなかった。
が、"氷は溶けて水になる"
つまり、
溶けた氷・・・つまり
""甲冑氷壁(アイスメイル)"についている水も片っ端から凍らせて
 仕舞いには、顔も覆ってしまえばいい"と。
しかし欠点もあった。
顔を覆うと呼吸は苦しい。
そして甲冑であるが故に
動きづらいのだ。
しかし、考えはあたっていて
極度の低温の氷をまとうことで
周りの水も凍らせ、
氷を無限に作り続けることで
炎に耐え抜いた。
相手の意表もついた。
あとは・・・
「てめぇをぶっ飛ばすのが俺に残された仕事・・・
 そうだろ?」
横から鑑が
「俺の仕事ないじゃないかっ!」
とかいってる。
それをいえるだけ余裕があるということだ。
もう奴に勝てる手は残っていないだろう。
とその時。
背後から声がした。
「そりゃーなーやっぱ頼りなかったんだよぉー」
いつからいたのか。
奴の仲間だろう。
もう一人。赤スーツ。
"PDP"
「さ。撤退だろ?"炎の我居亜(がいあ)"」
ガイア・・・
「五月蝿いなぁー。僕だってこんなつもりじゃなかったさ。
 "怠惰の那威徒(ないと)"」
漢字の当て方すごいんだろうな。こいつら。
もう"怠惰"と"炎(ふれいむ)"とかで
いいんじゃないか?
怠惰のほうはちょっとメタボ気味の
ふっとりとした男。
炎のほうはもうなんと言うかほっそりとしているが
必要な部分はでてる。
筋肉満載って感じ。
そして奴等は最後に
「PDP"パーフェクトダークプロジェクト"
 それは僕達の唯一つの企み!!
 また会おう!"氷の使徒"君!
 君は僕等の邪魔になっているんだよ!
 ははっ!」
ここで追わなかったのは
"石川"の"無言伝令(テレパシー)"での命令だった
《追うなよ。こいつら、ちょっとまずいことになってる。
 後で説明する。今は追うな》
全員がその通りにしていた。
奴等がさってからも
元の世界の駅に立っていても。
俺等はただただ、
その場に立ち尽くしていた。
まずい事。か。
これはいやな展開だな。
++

       

表紙

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Neetsha