ネオ 第1章~親友との再会~
ゲームが始まってから三十分が経つところだった。
俺が途方に暮れ、謎の世界を彷徨っていた時。
背後に誰かの気配を感じ後ろに振り返ると、
「よぅ! 久しぶりだな!」
聞き覚えのある声、見覚えのある顔……親友がいた。
俺と同じくある事件を目撃した者……そして事件の犯人とも言える軍関係者。
そのことを知っているのは、俺だけ。
「お前、まだ武器持って無かったのか? 襲われたらどうするつもりだ? まぁ、とりあえずこれ使え」
そう言って、奴は肩に背負っていた血まみれのチェーンソーを渡してくるが俺は受け取りを拒んだ。
「あぁ、そうだったな。お前は人を殺せないんだっけ」
パソコンゲームでは、普通に殺せるが、現実になると人を殺すことが出来ない。
「とりあえず手を組んで生き残らないか? 仲間も数人いてな、まずは基地に行こう」
それには、同意して、付いて行くことにした。
基地に向かう途中、突然、銃声が鳴り響き、俺の頬をかすめた。
「いったっ」
その瞬間、親友に手を引かれ、建物の影に連れていかれた。
その後も、こちらに向かって何発か銃弾が飛んでくる。
「お前、警戒心無さ過ぎ。後、撃たれたところは大丈夫だよな」
親友はそう言いながらも、慣れた手つきで銃に弾を入れ、引き金を引いた。
パン、パン
乾いた音が二回連続で鳴り、鼓膜を突くような絶叫が響き渡り銃声は聞こえなくなった。
「さっさと行くぞ!」
親友に誘導されながら、たどり着いたのは、図書館らしきところ。
「ここが俺らの基地だ」
中に入ると、武器を持った奴らが雑談をしていた。
「こいつ等が俺の仲間だ」