Neetel Inside ニートノベル
表紙

異能と少女と世界の終わり
処女と俺の闘争劇(少女と俺の逃走劇)

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 最近の学会が世界の終わりを防ぐ方法をみつけたらしい。ニュースではそればかりが取り上げられ世界中の人々は“世界の終わりを防ぐ少女”とやらを決死になって探している。
 しかし、実際にはその少女は既に学会に捕獲されている。(彼らから言わせれば保護らしいが、俺から見ればただの捕獲だった。)
 まぁ何故俺がこんなに少女の状態について詳しいかといえば俺がその捕獲した張本人であって、さらに学会の雇った傭兵にあたる人間であるからである。
 本来ならば、少女を捕縛した時点で俺の仕事は終わりだったのだが、学会の会長偉く気に入られた為、俺は今少女の内臓をブチ撒ける儀式の場に居合わせている。

―――さて、ここまでが俺の現状だ。そしてやっと時間軸は現在に戻る。

「これより終末を収束される儀を執り行う。」
 会長が聖剣だかなんだかを構えながら言った。
 くだらない。今更世界を救った所で何があると言うのだろうか。
「彼の者を連れて参れ。」
「ハッ!」
 部下に指示をしてあの少女を連れてこさせるようだ。
 ・・・・・・しばらくすると見覚えの或る一人の少女が大男二人に両脇を抱えられて運ばれてきた。見たところによると猿轡をされて、さらに意識は朦朧としているようで足元が覚束無い様子だ。
 大男二人組みは少女を乱暴に会長の前に投げ出した。
「・・・・・・んぅ・・・・・・んッ!?」
 どうやら投げられた衝撃で目を覚ましたようだ。
「ん! んん!!! んぅ!」
 なにやら何か言いたいことがあるらしいが誰も猿轡をとってやらないので喋れないようだ。
 可哀想なのでとってやろうと近くよってにみたら少女も俺の顔を覚えているみたいで俺を見るなり身体を震わせていた。
 捕縛任務中は良く見ていなかったが近くで見るととても整った顔をしていた。
 その少女の顔や身体つきを見ているとなんだか無性に犯してやりたくなったが、なんとかその衝動を抑えて猿轡を取ってやった。
「あんた達、私に何をするつもりよ!」
 少女は精一杯の力を振り絞って強がったが依然として身体は震えていた。
「世界の為に君には犠牲になって貰う。具体的に言えば、生きたままこの聖剣で腹を裂き内臓をすべて取り出し、其処に御神体を容れる。」
 その言葉を聞いた途端少女のビクリと大きく震え、縋る様な目で周りを見渡した。
 しかし、其処にいる誰もが少女の敵で世界の味方だった。つまり誰も彼女を助けようなどはしなかった。
「ぃ・・いや・・・いやぁ!」
 少女は狂ったように叫び出した。いや、実際狂っていたのだろう。たったの数時間前までは普通の生活をしていたのにいきなり世界の為に死ねと言われたのだ。俺でなければ狂って当然だ。
「いやだぁ! 死にたくないぃぃ・・・死にたくないよぉぉ!! 世界の為になんて死にたくないよぉぉ!!! 大体こんな世界なんて意味ないじゃないのぉぉ・・・壊れて撒かれて砕けて消えちゃえばいいのよぉぉ・・・」
 俺はその少女の言葉について少し考えた。
 果してこの世界は本当に必要なのかどうか。この可愛らしい少女を犠牲にしてでも要る世界なのかどうか。少し考えてしまった。
「黙れ! 貴様が死ねば世界は助かるのだ! この地球上にいる全員が貴様の死を望んでいるのだ!」
 会長は聖剣を高らかに掲げそう叫んだ。
 なんとも五月蠅い。
「ねぇ・・・助けてよぉ・・・」
 少女は縋る目をして俺のこと見つめた。
 刹那、俺は考えた。世界と少女の価値を。自分と世界の価値を。
 すぐに答えは出た。と思った瞬間には俺は両手に持ってる銃で近くにいた先程の大男どもを撃ち抜いた。
「な・・・何をしている!」
 すぐに会長が困惑を目に浮かべながらこちらを見てきた。
「何って・・・馬鹿げた学会からの美少女救出だよ。」
 この言葉には流石に助けを求めた少女ですら驚いていたようだ。
「馬鹿な! この餓鬼を殺さなければ世界は終わるのだぞ!? お前はこの意味が分かってるのか!?」
 相も変わらず馬鹿みたいな大声で叫んでいる。
「幾ら俺でもそれくらい分かるさ。で、この可愛らしい少女を殺して世界を続けるんだろ? 俺にとってはこの少女のいない世界なんて消えたほうがマシだ。」
 最後の一言は呟くように言った。
「何故だ!? 何故数時間前に会ったばかりの少女に其処まで肩入れする!?」
 会長は本気で分からないように俺に怒鳴った。
「何故って? そんなの簡単だよ。俺がこの少女を愛してるからだよ!」
 この台詞に少女は場違いにも程があるくらいに頬を赤く染めた。
「だから、俺は、お前らを殺して、この少女を、救出する。」
 この台詞の数秒後には俺は逃げ足の速い会長以外を全員滅殺してその場から少女を連れ出した。

       

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