Neetel Inside ニートノベル
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兄オタ!
06 ぐちゃぐちゃに犯してやるよ!

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 本日は夏休み最終日である。
 最終日にはたいていの人間が一人寂しく部屋に篭り、宿題と格闘してるってのが普通だ。
 だが俺は違う、俺の目の前にはほら、美人がいる。オマケでキモオタもいる。
 どうだ?なんだか楽しそうだろ?
「ほら、弟君はぼおっとしないで絵描いて!兄オタは問題を解く!神速で解く!」
「腐女子、神速って意味不明。ニュー速みたいな言い方やめろ」
「わざとそういう言い方してるのよ!ムダ口叩かないで解く!」
「わかったよ・・・って、これお前の宿題だからな!忘れてないか!?」
 ねぇ、神様、なんで俺は夏休み最終日に他人の宿題やってるんですか?しかも兄オタの彼女まがいの女の・・・もういやです。自分の宿題を早々と終わらせた私が悪いのでしょうか?
 ってか、もういやだ。やめたい。他人のことをやるのがただえさえ嫌いなのに、兄オタの彼女まがいだぜ?この俺を差し置いて女と仲良くなるオタクってなんだよ!俺はオタク以下かよ!やめてやる!こんなことはやめる!なんとしてでもやめる!
「あのぉ・・・腐女子さん、これ俺がやったらバレますよね?」
「ああ、バレるでしょうね」
「じゃあやめたほうがいいんじゃないでようか?バレたらまずいでしょ?」
「いや、別にバレてもいいから先生黙認してくれるし」
「へ~そうですか・・・」
 どんな先生だよ!不良が怖くて黙認しちゃう先生とかなら分けるけど、あなたの行ってる学校は進学校でしょ?それに腐女子さんは不良に見えませんよ!どちらかというと見た目だけで言えば優等生のような感じですよ!
「腐女子、弟、トイレ行ってくる」
「あ、うん」
 

 30分経過
「兄オタトイレ長いな・・・アイス食べ過ぎて腹壊したのか?」
「まさかアイツ・・・」
 腐女子は俺を引っ張って玄関まで来た。
「兄オタの靴は!?」
「え?」
「兄オタの靴はあるの?」
「ああ~・・・・・・無い!?」
「やっぱり、逃げられた・・・」
 ドウヤラアニオタハムセキニンナコトニカワイイオトウトヲオイテニゲタラシイ。
「まぁ、仕方が無いわね。かわりに弟君ががんばるのよ」
 アア、キキタクナイコトバダ。ボクダッテアシタニハテストガアルンダゾ!コンナコトヤッテラレルカ!
「ほら、固まってないで、行くよ!」
 ツレテイカレル、イーヤーダー


「すまねぇ、弟。でもこうするしかなかったんだ。俺があの場から開放される方法はひとつ、お前を犠牲にすることなんだ。俺を恨まないでくれよ・・・」
 そして兄オタは夕日の中に消えた。
 そう、夕日という名のプラモデルショップに消え入ったのだ。
「今日まで使える割引券があるからな。使っておかないと。う~ん・・・今回はヴァルキリーに手を出してみるか?柿崎すぐ死んだし、シェリルの同人誌で何回も抜いたし、ランカでも・・・」



 そのころ兄オタの部屋では放心状態の弟が無意識で絵を描き、腐女子が答えを問題集に写しまくっていた。
「ああ~!もう疲れた!これも兄オタがいないのが悪いのよ!責任とってもらう必要があるわ!」
 オ~イソレハカンチガイダロ、アナタガコンナニモツモッテコナケレバアニオタもニゲダサナカッタンダヨ!
「そうだ、部屋を漁って何か恥ずかしい物でも見つけてあげましょう。それを親にでも見せてあげればいいわ」
「それはやめたほうが・・・」
「あら?生きてたの?やめる必要なんてないわ!アイツが悪いんだから!」
 腐女子はクローゼットやベッドのしたをくまなく探した。そして洋服ダンスの引き出しの洋服の下にそれはあった。
「みつかったわ!」
 そのときの腐女子はどれだけ気持ちの悪い笑みを浮かべていたことであろうか?それは蛇のようだったと当事者は語る。
 腐女子はそれを弟のいるテーブルの上に広げた。
 弟は気絶した。
「え?なんで倒れてるの?」
 弟には三次元エロに耐性はあっても二次元エロへの耐性はほぼ零に等しい、いや、むしろマイナスなのである。よって気絶。これは必然的に起こりえたことなのである。
「うぅ・・・ハンコックが汁まみれ・・・そんなバカな・・・ナミが・・・ルキアが・・・クロームが・・・マモリ姉ちゃんが・・・・・・」
 そう、兄オタはジャンプ物の同人誌が大好物だった。比較的嫌いな作品の登場キャラがぐちゃぐちゃに無理やり犯されるのがたまらなく好きというド変態だったのだ。ちなみに大好きな作品の同人誌は一冊も持ってない。
 ようするにジャンプが嫌いなのだ。通ぶってる漫画オタにはよくある話である。
「う~ん、これ全部レイプ物ばっかりよね?変態乙。弟君もこんな兄を持って大変ね。聞こえてないか・・・」
 腐女子は同人誌を両親の居るリビングに持っていって広げた。
「御宅の息子さん、こんな本持ってましたよ。せっかくですから報告しておきます。それでは。」
 それで満足したのか腐女子は帰っていった。
「よかったこれで俺は救われた。でも兄オタ・・・救われないな・・・」
 同じ部屋に居なくても、声を出さなくても親がどんな反応をしているのか弟にはわかった。別にニュータイプとかそういうわけではないけど空気でわかったのだ。


「さ~て、プラモも買ったし、もう夜だから腐女子も帰っているころだろうし、家に帰るか!」
 兄オタ帰るな!帰っちゃだめだ!帰ったら地獄が待っている!だから帰ってくるな~!

       

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