Neetel Inside 文芸新都
表紙

監獄ガールズ
始まり始まり

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 桜女子刑務所。
 なんだ女子か、と馬鹿にはしない方がいい。興味本位でこの刑務所の中に忍び込んだ馬鹿がいたが、そいつの消息は誰も知らないという。入所者の9割は売春した経歴があるという。ヤクザとの繋がりを持つ囚人もゴロゴロいるという。
 まさに無法地帯、恐怖の世界。しかも罪人は減るどころか連日のように増えるばかりである。今日もまた、ならず者が一人……。

     

 カツーンカツーンと、誰かが廊下を歩く音が聞こえる。そういえば今日は新入りが来るとかオヤジが言ってた気がする。どんな奴だろう。生意気なギャルとかだったらボコボコに絞めてやらなきゃいけないし、オドオドした暗ーい奴ならバキバキにイジメなければいけない。そんな事を考えていたら足音が扉の前で止まった。ギイと扉が開く。
「班長点呼ぉぉぉおおおお!!」
 強面の看守、通称オヤジが部屋に入ってくるや否な喉も裂けんがばかりに声を張り上げる。
「412番、413番、414番、415番、415番、いまーす」
 投げやりな口調で報告する。するとオヤジはまたもや絶叫した。
「今ぉぉぉぉぉ日からぁぁぁ!新しくぅぅ!!この3舎3房にぃぃぃぃぃ!!新しく囚人番号416番が入ることとなったぁぁぁぁッ!!!仲良ぉぉぉぉくするようにぃぃぃぃぃ!!」
 キーンと耳が麻痺する。うるせえ!と抗議したいところだったが、それを実行してしまうとまた怒鳴られて、そしてまた抵抗するとまた怒鳴られて……と負の連鎖を生み出しかねないので、眉をしかめる程度の抗議をしておいた。
「入れええええええ!!!!!」
 そして例の新入りがスッと入室してきた。
 そして私は驚愕する。
 その新入りというのが、まあ、何とも驚くことに

 男だったのだ。

       

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