Neetel Inside 文芸新都
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黄昏
第十三話 『Far Away』

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第13話 





高橋 光輝はもう戻れないところまで来ていた。
ここが奴の本拠地かもしれないのだ。今まで数多くの警察関係者を苦しませ続けた、悪の棟梁「寺田」の。

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「あっ、でる!」

その時、警察署の電話が鳴った。
同時に光輝の息子もうなりを上げた。
ドビゴゴッ!
「ちっ」
さっきまで黒かった電話が、一瞬にして光輝の白濁液にまみれた。思わず笑みがこぼれた。
その辺にある物が、自分の兵隊によって汚染されるというのは、とても興奮できることであった。
光輝は昔から、色々な物に自分の白濁液をブチまけてきた。
ランドセル、プラモデル、テレビ、弟、母、父。時には友人のファミコンにかけた事もあった。
その度に、彼はなんとも表現し難い、優越感に似た感情を抱いていた。

急いで電話に出る。
「はい。こちら、精子でまみれて大変な事になっている警察署ですが。」
「寺田のアジトを発見しました!急いで来て下さい。」
戦慄が走った。ついにこの時が来たのか。光輝にとって数少ない友人であった、井上や宮本の存在は、精子の次くらいにとても大切な物だった。彼らのためならば、まるで噴水のごとく、何度でも射精できた。
そんなかけがえのない友人を消し去った寺田が、彼には憎悪の対象以外の何物でもなかった。いつか、この正義の精子で粉砕してやろう。そう心に誓い、これまでの3年間を捜査に費やしてきた。そしてついにこの時が来たのだ。この時が。
彼はゆっくりと椅子を立つと、おもむろにズボンをはいた。
パンツを履くのを忘れていた。
ズボンを下ろさずにパンツを履くと、銃保管所へ向かった。これが自分の最後の出動になるかもしれないと思うと、どうしようもなく射精しそうだった。
保管所の管理人を、自身のチンコで脅し、銃をホルスターに入れて現場へ向かった。
パトカーに乗って、光輝は気付いた。さっき、部下に場所を聞く事をすっかり忘れていた。
しかし、彼のチンコレーダーは的確に作動した。
数秒で現場に到着した。
まず最初に光輝が目にしたのは、無惨にも横たわる部下の姿だった。応戦しようとしたのだろう。ズボンのチャックが開いている。銃はなんの役にも立たなかったのか、無造作に捨ててある。
なおさら怒りが込み上げてきた。絶対に恨みをはらさずしては死ねないと感じ、銃をしっかりと握りしめ、前方にある山小屋にめをやった。人影がチラリと動いたように見えた。
人なのか。寺田なのか。何なのかは少なくともここからでは確認できなかった。
光輝は、ゴクリと生唾を飲み、音を出来るだけ立てないように山小屋へと歩を進めた。
突如、山小屋の扉が開いた。
男が仁王立ちしている。そいつは、腰の当たりに手を付け、男性器を見せつけるかのごとく、胸を張っていた。立派なチンコが突出していた。
視力が落ちていたので、視認は出来なかったが直感で分かった。あいつは寺田だ。間違いない。
銃を構えて発砲した。規則や法律などすでに彼の頭の中には無かったのだ。
7発全ての銃弾を撃ち尽くした。弾が嫌がって避けたのだろう。寺田はカスリ傷一つ追う事なく、ヘラヘラしている。
光輝の汚染魂に火がついた。猛烈にあの男を汚染したくなった。
彼もおもむろにズボンを下ろすと、自慢の波動砲を露にした。これぞ最強といわんばかりの巨大なモノだった。
寺田はそれを見て、とっさに両手をチンコに当てた。
「来る!」
光輝は急いで右に転がり込んだ。しかし何も起こらない。パッと見ると、寺田は爆笑している。
「ちっ」
からかわれたのか。ならばこちらの番だ!光輝は、世界に類を見ない程のスピードでしごきまくった。今まで、奪われた、全ての命の憤りと未練をすべて背負い込むようにして。
「井上・・・宮本・・・待ってろぉおお!!!!今!!!!!今ぁあああ!!!!!俺がお前らの未練を全てあの寺・・・」


ドビュウウウウウウブビッッブイブウウウウウウウウブイビビグギビグウウウギウギビイイイイイイイイシシニビビナイナイナイ!!!!!!!!!


凄まじい轟音と共に、光輝の台詞を遮って、寺田の波動砲が発射された。
あっけなく光輝は死んだ。消え去ったという方が適当だろうか。押し寄せる精子の波にもまれ、光輝は一瞬で消えた。
寺田は
ムヒヒ
というと、寝床に帰っていった。

皆さん、勘違いしないで欲しい。彼は悪ではない。確かに人を殺めたりはしている。だがしかし、彼には確かな理念があるのだ。この世を精子で埋め尽くし、世界の貧しい子供達を救うという立派な理念が。そんな世界平和をもくろみ、一人孤独に活動する彼を、応援しない理由がどこにあろうか。いや、ない。

       

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